ゲゲゲの女房(第9週) ~視聴率上昇中

2010-05-29 22:08:08 | 連続テレビ小説


 先に、第9週「私、働きます」の感想から書かせてもらいます。
 今朝(29日)の新聞(東京新聞)の「放送&芸能」欄に、『ゲゲゲの女房』の視聴率がジワジワ上昇しているという特集記事が組まれていました。朝ドラ史上ワースト(14.8%)の初回視聴率でスタートしたものの、その後じわじわと視聴率を上げてきていて(27日までの全話平均視聴率は16.6%で、前作は13.5%と最低記録を更新)、今週25日には過去最高の18.8%を記録したそうです。ニワトリさんは視聴率など気にしませんが、「じわりじわり」の上昇が水木しげる漫画の世に認められるまでの経緯とシンクロしているようにも思え(実際は、前のドラマのハンデを背負っていたのでしょうが)、大いに溜飲が下がりました。

 そういえば、昨日(28日金曜日)の飲み会でも『ゲゲゲの女房』と『龍馬伝』の話題になり、朝ドラを見たことがない友人が『ゲゲゲ~』にはまっていたり、奥さんが毎日泣き笑いしているなど、いつになく評判が良く、ニワトリさんもにこやかに頷いたものです。そこにいた全員が、このドラマを作っている40代半ばのスタッフと同年代であることとも関係あると思うのですが、「昭和の風景は学術的な正しさよりも、こんなんだったなあ、と思う記憶の中の昭和を再現している」という記事を読んで、そういったところも琴線に響いているのだろう、と思いました。主演の二人は、昭和世代のおじさんたちにも非常に好評で、このドラマで初めて二人を知ってファンになった人もいるほどでした。
 人気の理由は記事の中でも分析されていたけれど、朝ドラの定番だった「夢に向かって突き進む若い女性」の物語があまりにもステレオタイプになってしまったことに加えて、今までのヒロインや、(例にひいて申し訳ないけど)最近宇宙に行かれた女性宇宙飛行士のように、いかなる犠牲を払っても夢に向かって突き進み夢を叶えた女性に対して、世の中の女性たちが昔ほど共感しなくなったところに、それとは正反対の受動的なヒロインを登場させたことにあることは間違いなさそうです。でもそんなことよりも、見出し書きのとおりに「優しい物語が共感を呼んで」いるのだと思います。
 昭和を描いた「優しい物語」といえば、(町子さんは夢を叶えて作家になりますが、やはり朝ドラの主旨からは外れていた)『芋たこなんきん』があります(『てるてる家族』もいい線いってましたね)。未だにDVD化されていないこの傑作ドラマが、『ゲゲゲ~』効果で再評価されてくれると非常に嬉しいのですが、いかかでしょう、NHKさん!

 東京新聞では、朝ドラヒロインによる「スタジオ便り」が毎週掲載されています(今だから言うけど、前回は「スタジオ便り」もつまらなくて・・・前々回の『つばさ』は放送こそおざなりでしたがここだけは欠かさず読んでいました)。第9週は視聴者にとっても辛い週になりましたが、松下奈緒さんが「スタジオ便り」で綴ってくれた「偶然降ってきた雪の中での切ないシーン」と、そのあと二人でコーヒーを入れるシーン(そこに、もう一人お邪魔虫が加わったのも良し)が特に素敵でした。これ(コーヒー)があるから辛いシーンも耐えられる? 茂の「漫画が描けるなら、名前なんてどんどん変わったっていい」という言葉にも深くうなずきました。ちっぽけなプライドなんていりません。茂とはちょっとニュアンスが異なるのだけれど、「覆面レスラーのような生き方」って、実は自分の理想なんだよなあ~♪