♪回る回る、レコードは回るよ♪
(かけているのはドナ・サマーのエロい『愛の誘惑』)
銀座山野楽器に寄ったら、アナログ・レコードの新譜!が並んでいました。リマスタリングされ、180g重量盤LPとして甦った復刻盤9枚です。たまらず、カーティス・フラーの『 BLUES ette 』と、アート・ペッパーの『 Surf Ride 』を買ってしまったよ~
先日のアナログ試聴が大いなる刺激になったことは間違いないのですが、実は7月にアナログ・プレーヤーを衝動買いしていました。デノンから発売されたばかりのDP-300です。
『BEAT SOUND』というコアなROCK雑誌の編集長が、「本機でアナログ再生をスタートする入門者は、充実した音楽生活が送れるに違いない」と書いていたので、迷わず購入しちゃいました。4万3000円という価格も魅力的! フォノイコライザーを内蔵しているので、ライン出力を使ってアンプと接続すれば、即アナログレコードを聴くことができます。
最初に聴いたのは、生まれて初めて買ったレコード『小さな恋のメロディ』のEP盤。A面に「メロディ・フェア」、B面に「若葉の頃」を収録。驚いたのは、擦り切れるほど聴いたレコードから、意外なほど分厚く、情感豊かな音が出てきたことでした。これはノスタルジアなんかじゃない。サントラCDと聴き比べると、明らかにアナログレコードの方が気持ちが良いのです。CDの利点は「シャリシャリ」「ブツブツ」言わないだけで、音自体が薄くて、なんかがっかりしてしまいました。
数日後、せっかくレコード・プレーヤーを手に入れたのに、手持ちのレコードが少ないため、宝の持ちぐされになっていたニワトリに同情してくれたお隣さんが、自慢のコレクションからフランク・シナトラ、ダイナ・ショア、ヘレン・メリル、レッド・ガーランド、ナナ・ムスクーリなどの貴重なLPを持ってきてくれました。あまりの良さにぶっ飛びました。CDのリスニング環境はかなり改善された筈なのに、普通のMMカートリッジ、内臓フォノイコライザー、ビデオデッキと同じ貧弱な音声ケーブルで聴くアナログの音の方が心地良いなんて・・・
最新のCDを聴くと、確かに最初は凄いと思う。でも、それが持続しない。いつまで聴いていても楽しくて、集中力が途切れないのは、アナログレコードの方でした。
アナログレコードはCDよりも手がかかる。でも、レコードをジャケットから取り出してターンテーブルに乗せるまでのプロセスまで楽しい。一連の作業を「儀式」と呼ぶ人もいるくらいだ(中古レコードを手に入れるところから始めるとさらに・・・)。友人がサイフォンで淹れるコーヒーの楽しさについてブログで書いていたが、アナログレコードを聴くことは、サイフォンでコーヒーを淹れることに似ている。初日だけかもしれないが、復刻盤LPの売れ行きは上々とのことだ。これを機に、レコード・ブームが起こってくれると、嬉しいのだが・・・トシ子さん、次は真空管アンプですか?
30cmLPジャケットはアートです!
(『Blues ette 』は、小さいCDも音は悪くないのですが・・・)
右は25日発売されたマデリン・ペルーの新譜『 Half The Perfect World 』
(21世紀のビリー・ホリディという言い回しは、もはや不要!)
左は繊細かつ大胆な上原ひろみの『スパイラル』。元気が出るピアノトリオ。
この2枚、アナログで聴いたら、失神?失禁?それとも昇天?