山の春夏秋冬

たまの休日に野山へ出かけたとき目に留まった生き物や風景の紹介

カブトエビ

2007年07月01日 | クモ・ヤスデ・ムカデ・甲殻類

 田んぼには、たくさんのカブトエビが泳ぎ回っていました。そんなに久しぶりに見たわけではないのですが、なぜか懐かしい気がする生き物です。
 少し前に撮り置きしてあった写真ですが、この頃よく話題に登っているので、話題に乗り遅れないうちに紹介することにします。

2007年6月20日 京都市西京区大原野

 ずーっと以前は町中の田んぼでも、空き地の水溜まりでも普通に居たものです。今ではそういう空き地などはほとんど無くなったので、ただの水溜まりに現れるなんてことはたぶん見ることも無いでしょうが、まだいくつかの田んぼには毎年現れます。子供の頃は、この大昔の生き物の様な姿にとても興味を持ったものです。

 姿はカブトガニに似ているようでもありますが分類上は甲殻類、ミジンコにとても近い生き物です。手っ取り早く言うと、ミジンコの殻を開いて平たくするとカブトエビになります。カブトガニのように歩行用の脚はなくて、鰓のような脚が並んでいるだけです。これの兜を取り除いて仰向けに泳がすとホウネンエビになります。日本には3種類居るらしいのですがどれも移入種で、もとから日本に棲んでいた生き物ではないようです。
 見ていると、脚でドロを掻き上げてその中の餌を食べているようでした。

 まるでジェット噴射でもしているように泥が後ろへ吹き出します。カブトエビが通ると、そのあたりは掻き上げたドロで水が濁ります。 


トノサマガエル

2007年07月01日 | は虫類・両生類

 カブトエビを見ていたら、田んぼの縁の方へ向かって跳ねて来るカエルが居ました。普通は人が居ると逃げていくものなのですが。子供の頃はとても憧れのトノサマガエルでした。

2007年6月20日 京都市西京区大原野

 夜道を歩くと田んぼからゲコゲコ鳴く声がよく聞こえてきます。この声を聞くと、幼い頃に祖父母とカエルの鳴く田んぼの間の夜道を歩いて銭湯へ行ったときのことをふと思い出します。


トワダオオカ

2007年07月01日 | ハチ・アリ・アブ・ハエ類

 神社の境内の大きなシイの樹の幹にとても大きな蚊が留まっていました。ガガンボかと思ってみたのですがどう見ても蚊です。おまけにきれいなコバルト色をしています。

2007年6月17日 大阪府三島郡島本町

 蚊などはあまり眼を向けることがなかったのですが、自然界にはいろいろなものがいるものです。ときどき大きな羽音を立てて飛び立ちます。大きいだけに羽音も大きくて重量感があります。こんな大きな奴に血を吸われてはたまらんと思って少し身を引いたのですが、少し飛び回ってまた元の所へ戻ってきます。この場所が気に入っているようです。調べてみると吸血性の蚊ではないようで、花の蜜などを吸っているようです。口吻も吸血性の蚊のようにまっすぐ前を向いていなくて湾曲しています。


 幼虫は樹洞内の水溜まりなどで発生して、他種のボウフラなどを補食する益虫だと言うことです。ただ発生に必要な古い樹木がある環境が必要なので、この昆虫の生存は人間がその環境をどれだけ保全していけるかに係っています。


クロコウガイビル

2007年07月01日 | 軟体動物・環形動物・扁形動物

 神社の境内で石垣の上を這っていました。形も変わっていますが、ぬるぬるぴかぴか、見た目はあまり気持ちの良いものではありません。「コウガイ」は「郊外」だとか「公害」とかではなくて、昔に髪を結ったりするときに使った「笄(こうがい)」の事らしいのですが、実物がどんな物かちょっとよく分かりません。「ヒル」と付いていますが全く違って扁形動物なので、ヒルのような体節もありません。

2007年6月17日 大阪府三島郡島本町

 表面のぬるぬるはもちろん粘液で被われているからなんですが、それがナメクジなんかと比べ物にならないくらい粘っこいのです。葉っぱに乗せたりすると粘液だけで張り付いてしまいます。自分でも剥がれるのが大変なのではと思うくらいです。高いところから降りるときは、この粘液をクモの糸のように伸ばして降りたりするそうです。そんなのでは地面に張り付いて歩けないではないかと思ってしまいますが、実際は2列の足の部分があって体を浮かせて這っているようです。実際這い出すととても早くて、ナメクジなどとはウサギとカメです。写真を撮ろうとすると追っていくのが大変です。この早さでカタツムリや昆虫を捕まえて食べるそうです。食べるといっても体外で消化してストローのような口で吸い込むようです。体の構造が簡単で口と肛門を兼ねています。人がこんな体の構造でなくて良かったです。そんなだったら、いくら仲良くなってもキスだけはしたくありません。


カシワマイマイの幼虫

2007年07月01日 | 蝶・蛾類

 この日は神社の柱などを登る姿を2つほど見ました。前に突き出た長い毛などは如何にもドクガの仲間です。

2007年6月17日 大阪府三島郡島本町

 調べてみるとカシワマイマイというドクガ科の一種の幼虫でした。カシワなどのブナ科以外に、サクラ、カエデ類にも付くようです。ドクガと言う限り少なからず毒があるようなのであまり直接触らないように。