お寺の掲示板の蛍光灯へ前夜に飛んで来た居残り組が居ないかと見に行ったら、居たのはフユシャク一匹だけ。つまらないなと思いながらそこを離れようとしたとき、掲示板の扉の溝にあった木ぎれが何となく気になりました。いつもきれいに掃除しているわけではないので、枯れ葉などが乗っかっていたりします。ずっと木ぎれだと思っていたので意識して見なかったのですが、何か違うなとふと感じました。
2007年1月28日 京都市西京区大原野南春日町
近付いてみればやはり木ぎれなどではなく、その下には脚がのぞいています。いやはや、危うくだまされるところでした。これが地面に転がっていたら、恐らくかえりみることもなかったでしょう。
すっかり木ぎれに成り切っているので少し突いてみることにしました。しかし少々突いても動こうとしません。寒いので動けないのか、睡眠中でなかなか目覚めないのか、ただ死んだまねをしているのか、ひっくり返しても起きようとはしません。今から思えばその姿も写真に撮っておけば面白かったのですが、突いて面白がっていたので忘れていました。
しかしさすがにうっとうしくなったのか、やっと動き出しました。そして思ってもいなかった変化が…。
丸い木ぎれが平たい蛾になりました。木ぎれに見せるために翅の形まで丸めていたのです。そんなに珍しい蛾ではないらしいので見慣れている人には何でもないことなのでしょうが、初めて見る私にとってはちょっとした感動ものでした。