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アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

面白い~山口恵以子著「月下上海」

2013年09月18日 | 読書三昧
食堂のおばさんが小説を書き松本清張賞を受賞した、と話題になった山口さんの「月下上海」。とても面白く読んだ。



とにかく、主人公の八島多江子がとてもキュートで格好いい。

八島財閥の一人娘という生まれの良さに加えて、小さい頃からお転婆で、薙刀を振り回して男番長をやり込めたりもする。

しかし、人生うまくいかないもので、大恋愛の末結婚したはずの夫が、愛人をつくり一緒に逃げたのを許せず、偽装自殺までして追い詰める。

そうして移り住んだ上海で画家として成功するのだが、世は日中戦争の真っ只中。憲兵将校との駆け引き、民族資本家との恋や抗日青年との交流など、まるで映画の世界を地で行くような展開に一喜一憂させられる。

等身大の登場人物がよく描かれていて好感がもてる。
ご一読をお勧めします。

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モーツアルトのピアノ協奏曲第22番

2013年09月17日 | 音楽三昧
ひどい雨があがって、今朝のニセコは、さわやかな秋風が吹き渡っています。

このところ、LPレコードをあれこれ聴いています。



先日は、モーツアルトのピアノ協奏曲第13と14番を聴いたのですが、今日は22番です。



ウイーンでサロンの寵児となったモーツアルトが、自身の予約演奏会のために書いた曲なのですが、先の13~14番と異なり、この22番は曲想も大きく、表現も深く複雑になって、彼の作曲家としての成長をはっきりと感じさせます。

特に、第3楽章の出だしの部分は、映画「アマデウス」にも使用されていて、これを聴くとそのカットを思い出します。絶頂期にあったモーツアルトが、予約演奏会に颯爽と出向くシーンなのですが、後に暗転する彼の人生など、微塵も感じさせません。



収録曲
 ・ ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
 ・ コンサート・ロンド ニ長調 K.382
 ・ コンサート・ロンド イ長調 K.386

演奏 
 ピアノ : アルフレッド・ブレンデル
 指 揮 : ネビール・マリナー
 管弦楽 : アカデミー室内管弦楽団

録音 1975年 ロンドン
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人間の持つ業~映画「許されざる者」

2013年09月17日 | ギャラリー
一昨日、朝早く家を出て札幌で映画とコンサートを梯子しました。

コンサートの様子は、昨日の記事をご覧いただくとして、映画は、元々宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見る予定だったのですが、上映時間が変更になっていたので、渡辺謙さん主演の「許されざる者」を見ました。



この映画は、92年クリント・イーストウッド監督・主演で公開され、米国アカデミー賞4部門に輝いた同名映画をリメイクしたものです。

従って、物語の筋はご存知の通りですが、舞台設定(明治13年の北海道)が異なるので、オリジナルを知らずとも十分楽しむことができます。

ただ、見終わった直後の感想は、米国版のスカッとした爽快感とは異なり、人間の業(ごう)のようなものを感じさせ、それだけ日本人の感覚に近いところで制作されたように思いました。

監督は、「フラガール」や「悪人」などのヒット作を連発している李相日氏。
74年生まれの若い監督ですが、18~9歳の頃、オリジナル版を見て「いつかこの映画にある”本物”に挑戦したい」と思っていたといいます。写真は、この映画のHPから借用しました。
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炎のコバケン、ブラームス4番を振る

2013年09月16日 | 音楽三昧
昨日、札幌Kitaraで東京都交響楽団札幌特別公演を聴いた。
指揮は、炎のマエストロ小林研一郎氏。



曲目は、ベートーヴェンとブラームスの大曲。

 ・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
 ・ブラームス 交響曲第4番 ホ短調 作品98

前半のヴァイオリン協奏曲は、ソリストに三浦文彰(ふみあき)氏を迎えての演奏であったが、席(2F2列中央)がよかったせいか、ヴァイオリンの音像が中央にピシリと決まって、小気味よい演奏を楽しむことができた。

三浦氏は今年20歳。16歳にして2009年のハノーファー国際コンクールで優勝するなど早くから才能を目覚めさせ、現在、最も注目されている新進気鋭のヴァイオリン演奏家の一人。



演奏が終わっても鳴り止まぬ拍手に、再登場した三浦氏のアンコール曲は、バッハのパルティータ第2番。その緊張感あふれる演奏に賞賛の拍手が続いた。

後半のブラームスは、「炎のコバケン」を垣間見るすばらしい指揮と演奏であった。随所に、古き良き時代のドイツ音楽を彷彿とさせる旋律と躍動感を感じさせる納得の演奏であった。

アンコールには、ポピュラーなハンガリー舞曲第5番が演奏された。満員に近い聴衆はその迫力に満ちた演奏を讃え、最後まで惜しみない拍手をおくっていた。

蛇足:同氏は1940年生まれの73歳。小生と同年だが、現役でお仕事をされている同氏は若々しい。100人近いオーケストラメンバーを統率しつつ、聴衆をうならせる音楽を創造していく力強さに圧倒された。三浦氏の写真は、ネットから借用しました。
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パソコン騒動記

2013年09月15日 | ギャラリー
家内のノートパソコンが起動しなくなったというので、いろいろ調べましたが、結局「賞味期限切れ(購入後5年)」と判断。代替機を探すことにしました。

先日の記事のように、世は正にWin8時代。程度の良いWin7搭載機を探すのに骨が折れました。

幸いオークションで、タッチパッドに不具合はあるが、マウスでの操作は可能という「ジャンク」扱いのパソコンをみつけました。

早速、落札(3万円也)して取り寄せてみると、実物は新品同様。Win7の起動やアプリの動作も問題なく、これでOKということになりました。



CPUは第3世代のi5で、4GのRAMを積んでいます。エクスペリエンス値は5.7で、小生が常用しているノート(同4.6)より高性能です。

また、画面も15.6型で、従来の13.3型がおもちゃに見える大型画面です。しかも写りがきれいなので、家内は、何か得した気分になったようです。
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言語明瞭~宇都宮健児さん講演会

2013年09月14日 | ギャラリー
昨夜、近くのホテルで宇都宮さんの講演会があるというので聴きに行った。

主催は北海道教職員組合後志支部。「教育研究集会」として企画されたのだが、一般にも公開された。



演題は、「いま、憲法が危ない!~憲法改悪を許さないために」というもので、同労組がめざす「平和と真実を追究する教育」に沿う内容となっている。

安倍政権の誕生によって、憲法、特に、戦争放棄をうたった「9条」の改悪が目論まれる中、私たち国民は、どういう視点で憲法をとらえ、そして、そうした改憲の動きとたたかっていったら良いのか、極めて明確に且つ、テンポよく語っていただいた。

また、単に、自民党改憲案の危険性について警鐘を鳴らすにとどまらず、改憲阻止の運動をどう進めるべきかについても、先の東京都知事選挙の経験などから、具体的な提起をされていたのが心に残った。

本当に久しぶりに、説得力のある生の講演に接することができ幸いであった。
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お疲れ~湊かなえ著「高校入試」

2013年09月14日 | 読書三昧
前作の「母性」があまりの人間不信と憎悪に満ちた物語だったため、この人の本はもう読むまいと思ったのだが、直前の新聞広告で目にしていたため、また借りてきてしまった。



物語~有名県立高で、入試を妨害する予告や携帯の盗難、試験当日の答案用紙の紛失や試験問題の漏洩等々、およそ入試という厳粛なイベントにふさわしくない出来事が次々と発生する・・・

この作品は、昨年末、フジTVで放映された同名のドラマ(13回)のシナリオをもとに書き下ろされたようで、そのためか、場面展開が目まぐるしく、また、たくさんの登場人物が次々と独白するかたちで進行する。

従って、物語の筋を追いながら、語り手は誰かを「登場人物リスト」で確認しながら読み進めなければならない。そのため作者が何を言いたいのか、また、何を書きたいのかを把握するのに苦労した。

加えて、この人の書く登場人物は性悪な人が多いから、読了後の余韻にひたるなど出来ようがない。380頁余の大作なのだが、疲労感ばかりが残った。
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意外と大きい電気料金値上げ

2013年09月13日 | 田舎暮らし
この9月から、電気料金が値上げとなった。

北電によると、一般家庭用は、平均で7.73%の値上げとしているが、拙宅の場合、冬季は床暖房に使う「融雪電力」の契約もしているので、それがどうなるかと思い(北電に)尋ねてみた。

結果、ふたつのことがわかった。

ひとつは、「一般家庭用」と言っても、深夜電力などを利用しているとパッケージ契約(「ドリーム8」など)となっていて、値上げ幅が大きくなる。また、「融雪電力」も同様である。

ふたつは、今回の値上げが、原発主体の「発電ミックス」から火力主体のそれに変わっている中で、「料金体系の見直し」を含んだかたちで実施されたことである。

つまり、従来、原発が発電する電力が大幅に余る深夜の電力料金は低く設定されていたのだが、これを抑える「発電ミックス」を元にしたので、(この時間帯の電力料金は)大幅な引き上げとなった。

拙宅のパッケージ契約は「ドリーム8」で、冬場はこれに「ホットタイム22ロング」が加わる。

ちなみに、新旧料金体系で、上記の二つを計算して比較したのが下図である。





これを見ると、「ドリーム8」(昨年9月の消費量を元に計算)では17%の値上げ、冬季暖房用の「ホットタイム22ロング」では、16.9%の値上げとなった。

これは発表されている7.73%の倍以上の値上げで、きつねに化かされた感じがした。
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上昇気流

2013年09月13日 | 音楽三昧
昨日午後、久しぶりにLPレコードを聴いた。



いつもは、サーバーに収容した音楽を聴いているのだが、レコード演奏となると勝手が違う。

つまり、先ず、何を聴くかを考え、目的のレコードを探し出さなければならない。

首尾よく目的のレコードが見つかれば良いが、そうでない時は、目に付いたレコードを数枚ラックから出してきて、その中から適当なものを聴くことになる。

次に、盤面にホコリなどが付着していなかチェックして、必要ならクリーナーをかけるなどの手順が必要になる。

一応、プレーヤー周りをご紹介しておくと、

 ・ プレーヤー:LINN SONDEK LP12 (英国製)
 ・ アーム:SME 3010R(英国製)
 ・ カートリッジ:ORTOFON Jubilee(デンマーク製)

どれも、かっての世界的ヒット商品で評価の高いもの。
このプレーヤーから出てくる音楽は、比較的解像度が高く、繊細で聴き疲れのしない音調である。



昨日は、ブレンデルがマリナー・アカデミー室内管弦楽団と1978年に録音したモーツアルトのピアノ協奏曲第13番と第14番を聴いた。

ザルツブルグでの宮仕えを終え、ウイーンに出たモーツアルトが自身の予約演奏会のために作曲した協奏曲。



ウイーンの寵児となったモーツアルトが、最も輝いていた時代の作品とされる。上昇気流にのったかのような、はつらつとした音楽が楽しめる。

久しぶりのレコード音楽は、サーバーからのそれと異なり、実態がそこにあるという安心感があり、とてもよかった。今後も、あまりものぐさをせず、せいぜい、レコードを回しながら聴きたいと思った。
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ブーイング

2013年09月12日 | ドラミング
2020五輪の招致演説で安倍首相が、原発事故は「コントロール下にあり、汚染水は港湾内にブロックされている」と述べたことにブーイングが続いている。

新聞(朝日)の投稿川柳には、

 ・汚染水 一刀両断 五輪の書
 ・収束と言った総理を思い出し
 ・外国で聞く汚染水対策
 ・コントロールしてると嘘をつくシンゾウ
 ・福島を歓喜の下に葬りぬ
 ・フクシマで見得を切るほど度胸なし
 ・どこまでも想定外で押し通し
 ・責任者いないが流れる汚染水

などの句がならぶ。
最後の2句は、原発事故の責任者らが不起訴になったことを詠んだもの。



これらは国内での反響だが、海外の反応はもっとすごい。
特に、フランスやドイツの風刺漫画に、手足を3本持つ力士やガスマスクをつけて走る姿が描かれたりしている。

五輪の東京開催をよしとする一方、首相や政府が、原発事故や震災復興にどう取り組んで行くか注視していく必要がある。
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