「ルベンは生きて、死なないように。その人数が少なくても。」(申命記33:6新改訳)
ここはモーセが十二の部族を祝福した箇所だが、長男ルベンについてはわずか一言だけで終わっている。本来なら、彼は長子として最大の祝福と相続にあずかる資格を持っていた。ところが、父ヤコブの妻、つまり自分の母を犯したのである。「イスラエルがその地にとどまっていたころ、ルベンが父の側女ビルハのところに行って、彼女と寝た。イスラエルはこのことを聞いた」(創世記35:22同)。ビルハはイスラエルの本妻ラケルの奴隷で、ダンとナフタリの実母であった。律法には「人がもし父の妻と寝たなら、父の裸をあらわにしたのである。二人とも必ず殺されなければならない」(レビ20:11同)とあるから、ルベンは死刑になって当然だったのに、神はあわれみのゆえに、「生きて死なないように」と仰せられた。しかし、長子の祝福を失ってしまったのである。モーセの祝福には、あわれみの神が栄光を現しておられる。このあわれみがキリストにより、私たちにも注がれていることに感謝したい。が、決して忘れるなかれ。「結婚がすべての人の間で尊ばれ、寝床が汚されることのないようにしなさい。神は、淫行を行う者と姦淫を行う者をさばかれるからです」(ヘブル13:4同)とのおごそかな警戒を。