酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

修行するぞ!

2011-11-17 22:43:37 | のほほん日記系
友人のお母さんが亡くなったとの連絡。
お寺の息子で、通夜も自宅の寺で営まれた。
いわゆる坊守さんの通夜。
さすがに近所の坊さんが勢ぞろい。
門徒の人たちも大勢である。
喪主は当然住職で、友人も坊さんの格好で遺族席にいる。
息子の会社の人や、我々友人はどうも場違いな感じだ。
読経が始まり、しめやかに通夜が・・・
と思ったが、坊さん集団はここぞとばかりに声を張り上げる。
『そっかー、ここが坊さん達の晴れ舞台なんだなぁ』
導師さまと呼ばれる仕切りの坊さんが、お経をあげるのだが、それが長い長い・・・
普通の家で行われる通夜のマクラ経ってほんの10分程度なのに、延々45分。
足がしびれ、痛くなり、感覚がなくなってくる。
苦痛に顔をゆがめ、手を膝に突いて体を支える。
『早く終わってくれぃ』
焼香はとっくに終わっているのにお経だけが延々。
お経は耳に入らず、心の中では『をーぃ、終われよなぁ』
やっとお経が終わった。
後は簡単な説法でお通夜はおしまいのはず。
「さて、坊守さまと出会ったのが・・・」
何でもいいから早く!!!
頭の中では『くーっ、あと少しあと少し・・・』
思いもむなしく、説法は続く。
話の内容なんか覚えちゃいない。
肉体の苦痛に打ち勝つために、頭の中では『早く終われ』がグルグル回る。
膝に突いた手が、とうとう床に落ち、前のめりで体を支える。
ハタから見れば、説法に頭を垂れ聞き入っているように見えるのだろう。
頭の中は『ぐーっ、早く・・・』だけ。
その後、仏教歌がしばし歌われたのである。
苦痛の中でその不思議な歌がリフレインする。
『どうでもいいけど、早く終われよーーー』

翌日、職場では朝から嫌味攻撃。
昨日、意味がないんだと主張した作業。
「あれ、午前中までにやって」
意味がないんだという私の主張に対し、何の回答もない。
『そっかー、これは修行なんだな』
苦痛の中、延々続くなにがなにやらわからない読経。
耳にも入らず、ただ『早く終われ』と考え続けているうちに、そんなことも考えなくなっていた。
意味のないことを延々と強制し、相手が考えることをやめるまで続ける修行。

『ショーコー、ショーコー、ショコ、ショコ、ショーコー』

昨日ありがたい説法を聞いた(実は聞く余裕もなかったが)おかげで、悟りの境地に行き着いたようである。
今の職場のありよう、これは修行なんだと。
以前、聞いたことがある。
社員に研修と称し、無意味なことを繰り返し繰り返し強制する。
積み木を積み上げさせ、できた途端ガラガラと崩し、また一から積み上げさせる。
全く無意味な作業。
絶えられない者は辞表を出し、続ける者は考えることをやめ、疑問をもたなくするための洗脳。
ウチの職場で行われていることがこれと違うのは、強制させている上司が、その作業を無意味なものだと理解できていないということ。
下がいくら無意味だと説明しても「無意味だと言っている意味」すらが理解できないで、自分が正しく、下は自分に従うことが当然だと思っていること。
かけざん九九が理解できていない者に、微積分を説明しようとしてもムリがあるのだが、自分の理解できない世界があることが想像できないこと。
自分の威厳を保つために「理解できない」と言えないのか、本当に知能が足りないのか。
『ア・サ・ハ・ラ、ショーコー』
心の中で歌いながらやると、気が晴れて、無意味な作業でも笑えてくるのが怖い。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みっちゃん)
2011-11-28 23:44:06
奥さんは慣れたものじゃないの?
そうでもないの?
アサハラショコーさんは自分には救いようが無かった。
返信する

コメントを投稿