酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

本当に太陽光バブルなのだろうか?

2012-11-18 18:41:02 | 太陽光発電
ウチも太陽光発電を導入することにした。

2年ほど前に、発電した電気が48円で買い取られることとなり、日本中で太陽光ブームとなった。
職場でもM子さんが「48円の時にローンで付けたよ」と言っていた。
(借金してペイできるとは思えないんだが・・・黙っとこう
横の席のM本さんは10年ほど前のブームの時に訪問販売で得すると言われ付けたそうな。
(これも当時の相場なら20年はペイしないはず。それなら付けない方がいいんじゃ・・・)
太陽光発電の勧誘で「15年ローンで、実質支払いゼロになります」と言うのが多い。
(はっきり言うが、これは詐欺と思え

それが今や売電42円に減額され、さらに下がる予想である。
そんな我が家がなぜ今ソーラーなのか?
理由は、嫁さんの言う
「ソーラー付けてる人だけが得するのはムカつく」
だった。
確かにむかつく。
それって貧乏人が馬鹿を見るってことでしょ。

さっそく見積りを取ってみた。

ウチはいわゆるウサギ小屋なので、どこの業者もこんな設置で見積を出してくる。
業者としては目一杯機器を売りたいだろうからね。
メーカーごとのパネル効率によって、能力は4.2~3kwまで色々。
はやりのDMM.com8万円ソーラーも審査に通ったがお断りした。
なんと大屋根のみで2.7kwしか載らなかったためだ。
DMM.comは容量を大きく載せることができないと、8万円以上に損する危険性がある。
少なくとも昼間の電気使用量が発電量の2割(自分の取り分)以下にならないと、知らないうちに高い電気を買わされる可能性がある。
(まぁ、微々たるもんだがDMMは絶対に損しないシステムなのだ)

さて、太陽光発電・・・業者はいい事ばかりのように言うが。
最近では少な目だが、計算上3kwの設備で考えてみよう。

3kw⇒年間約3000kwh発電する(南向30度の控えめ数値)
実際のウチのデイタイム電力消費量年間1700kwh
<自家消費利益>48620円=1700×28.6円(デイタイム平均)
<年間売電利益>54600円=(3000-1700)×42円
<年間利益>103220円
つまり、42円買取が約束されている10年間で損得ゼロになるのは、3kw設置で約103万円まで(34万円/1kw)なのである。
(本当は10年でモトを取っても仕方がないのだ。せめて8年で回収すべし)
4kwにすれば売電割合が多くなり、年間利益145220円となる。
よって4kw設置では約145万円(36万円/1kw)まで許容できる。
買取48円の時代でも4kw159万円が限度であったはずなのだ。
これは固い計算なので、多少の余裕はあるにせよ、手出し150万円などという費用で設置すれば、まさに【CO2削減のためだけにお金払ってる】状況となる。
補助金もらっても、実際の手出しがこの額以上なら太陽光発電に手を出さないほうがいい。
業者のシミュレーションでは売電比率80%なんかで〔楽々〕モトが取れそうに書いてくるから要注意。
私は、たかだか4kw程度で80%比率で計算してきた業者は価格が安くても無視した。
実際の自宅のデイタイム電力消費量で計算すべきである。

さて、ウチの場合、大屋根は真南影なしでいいのだが、小屋根は大屋根の影になる。
「高さの差がないので、あまり関係ないですよ」
業者は実際に確認もせず、口を揃えて言うのであるが。。。
調べてみたら最低南中高度に近い今の季節で、10時頃まで約半分が影となっていた。
では、11時まで影の影響があるとしてその時間を半分の効率で計算すればいいのだろうか?
違うのである。
太陽電池は数枚を直列に系統接続する。
つまり、その数枚の系統のうち1枚が影となった場合、系統の中で抵抗となり極端に発電能力が低下するのだ。
ウチの場合は影にならない時間が半日ちょっとあるが、最悪を見積もるとこの4枚は半分と見るべきだろう。
さらに、パワーコンディショナの入力電圧が6~9枚と決まっている。
つまり、影の4枚は独立できず、さらに大屋根の2枚が発電力低下の巻き添えを食うのである。
〔ソーラーフロンティアだけは影に強く、巻き添えも少ないが、効率悪く狭い屋根には向かない〕
7業者の見積りは、予想発電量が多かったり、売電80%やら、補助金を差し引いて安いkw単価に見せかけたり。
特に、他社をけなすイヤミなメールしてきたのが、ヤマダ電機外商部だった。
『おめぇんとこ、メーカーのパネル設置基準無視して載せてんじゃん』
意味不明な設計に、どうせ後で「載りません」とか平気でいいそう・・・却下!

せこい計算をしてこなかった2業者以外、お断りメール。
わりと安いとこもあったのだが、客の無知を利用してせこい商売する業者はキライ。
数万を比較する気も競合して値切る気もない。
『大屋根だけで計算してきて。kwあたり40万以下ならお願いするから』
2業者に再度見積りをお願いして決定。
結局、シャープ・ブラックソーラー195W×18枚3.51kw(40万円/kw⇒補助金後31.5万予定)となった。
業者も40万/kwなら、10月の相場なら儲け十分だろう。
落ちた業者の営業の兄ちゃんもいい感じだった。
お断りの電話の先で「もう一度見積もり持ってくるので5分だけでも」と必死だったが、私は自分の思った価格で満足なので、ギリギリ価格競争させる気はない。
『お宅も最後まで残してたけど、やっぱ後出しは駄目でしょ。ごめんね』

契約して楽しみにしてるものの、現在需要が多くてパネルが不足しており、工事は年明けになるらしい。
【結論:太陽光発電は補助金なしでは成り立たない。くれぐれも35万円/1kw以下の投資でね】