読むものがなくなったので姫が読みかけているサン=テグジュペリの「人間の土地」を借りて読んだ。ほんの間に合わせのつもりだったがとんでもない!これが大変な傑作だった。サン=テグジュペリの作品はいくつか読んだが、これが最も彼の力量を知ることができるのではないかと思う。実に素晴らしかった。カフカやカミユにも劣らないと思った。44歳で死んだのであまり作品がないのが非常に残念だ。
才能は儚いのか。儚いのが才能なのか。
「愛するということは、おたがいに顔を見あうことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだ」(サン=テグジュペリ)
「飛行機乗り」
命知る 飛行機乗りは 星となり
混濁の地を 眺めをりしか
蔵
最近、平安時代というものに大いに興味がわいてきた。歴史ものもかなり読んではきたが、平安時代のものにはあまり手をつけてこなかった。源頼朝や源義経に関する本は読んだが、平家物語は読んでいない。況や保元物語やや平治物語も手つかずだし、玉葉も読んでいない。
鎌倉、室町、戦国あたりはたくさん読んだのに平安時代がほったらかしというのはいかにもまずい。もっともっと古い日本を知りたいという思いも強いので、ここでいっちょ平家物語でも読んでみようかと検討中。
吉川英治の「新・平家物語」がえらく面白いらしいが全16巻だ。また一挙に本棚を埋めてしまう。悩むなぁ。
「梅」
千年の 時もかえざる 梅の花
香をかぐひとの ころもかわれど
蔵
日記を書く暇もないという状況が続いてる。あたふたとしている間にもう3月。
最近は「蜻蛉日記」を読んでいるので心は遠き平安時代にある。こういう作品を草書のまま原文で読めたらどんなにいいだろう。書く方は絶望的に無理と思うからせめて読み方を習いたい。どうすれば習えるのだろうか?
それにしてもこういう古典を現代文に訳した先達には全く頭が上がらない。大変な作業だったろうと思う。全ては後の世のワシらが楽しむため。感謝して読むべしだな。
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかは知る (蜻蛉日記)
いいやねぇ。
「梅」
せわしなく なすべきことの 多かりし
日を送るまに 梅香るかな
蔵