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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 738

2025-04-23 04:21:22 | 貫之集

近江守公忠のぬしの下るにおくる

わかれをしき みちにまだわが ならはねば おもふこころぞ おくれざりける

別れ惜しき 道にまだわが ならはねば 思ふ心ぞ おくれざりける

 

近江守公忠が任地に下るのに際して贈った歌

旅立つ人との名残惜しい別れの場に私はまだ慣れていないので、あなたを思う私の心は、取り残されまいとあなたについて行ってしまいますよ。

 

 第五句の「おくる」は「遅る」で、ここでは取り残される意です。
 この歌は、続後撰和歌集(巻第十二「恋二」 第1278番)に入集しており、そちらでは初二句が「わかれをし きみにまだわが」とされています。



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