貫之集 735 2025-04-20 04:12:48 | 貫之集 そのひとの とがにおぼゆる からころも わすらるなとて ぬげるなりけり その人の とがにおぼゆる 唐衣 忘らるなとて ぬげるなりけり 私が衣を贈るのも、遠くへ行ってしまうというあなたさまの罪だと思いますが、私を忘れてしまうことのないよう、脱いで贈るのですよ。 詞書は 734 と共通。次の 736 も同じです。誰が誰に脱いだ衣を贈ったのか、はなむけの宴の歌ですから普通に考えれば贈られたのが旅立つ興方ということかと思いますが、興方が残してゆく妻に贈ったとする解釈もあるようです。難解な歌ですね。