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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 727

2025-04-12 04:05:59 | 貫之集

陸奥守平惟扶朝臣の下るに、幣の洲浜の鶴の羽に書ける

ちとせまで いのちたへたる つるなれば きみがゆききを したふなりけり

千歳まで 命たへたる 鶴なれば 君が行き来を したふなりけり

 

陸奥守平惟扶朝臣が任地に下るにあたって、幣とした洲浜の鶴の羽に書いた歌

千年までも命を保って生きている鶴であるから、あなたさまの無事を祈り、寄り添って行き来をともにするのであるよ。

 

 平惟扶(たいら の これすけ)は平安時代中期の官人ですが、詳細はわかっていないようです。「幣の洲浜」は、洲浜を幣として贈ったと解釈しましたが、通常の幣を洲浜に添えたということなのかもしれません。