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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 720

2025-04-05 04:21:17 | 貫之集

ものへ行く人待つほどすぐれば

おもふひと またさもあらず あふさかの せきのなこそは なのみなりけれ

思ふ人 またさもあらず 逢坂の 関の名こそは 名のみなりけれ

 

旅立つ人の送別の宴に、送られる人がなかなか現れずに待ちあぐねて詠んだ歌

心を通わす人もそうでない人も逢うという逢坂の関だが、それは名ばかりで、別れを惜しもうとしているのに逢えずにいることよ。

 

 歌枕中の歌枕と言って良い「逢坂の関」、何千回何万回と歌に詠まれてきたのでしょうね。でも手元でわかる貫之の歌(約1300首)に限ると「あふさか」を含む歌は六首。意外に少ないですね。