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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 729

2025-04-14 04:11:51 | 貫之集

おなじ人のむまのはなむけに、橘助繩が装束おくるとて加へたる

たまぼこの みちのやまかぜ さむからば かたみがてらに きなむとぞおもふ

玉ぼこの 道の山風 寒からば かたみがてらに 着なむとぞ思ふ

 

同じ人の旅立ちのはなむけに、橘助繩が装束を贈るのに添えて読んだ歌

道中の山風が寒かったならば、私を思い出すよすがとしても、これを着てほしいと思います。

 

 橘助繩(たちばな の すけなは)は、687 から始まる七首の一連の歌の詞書にも出てきた人物。「たまぼこの」は「道」にかかる枕詞ですね。
 この歌は、新古今和歌集(巻第九「離別」 第857番)に入集しています。