漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 362

2024-04-12 04:59:56 | 貫之集

人の家の簾のもとに女出でゐたるに、垣のもとに男立ちてものいひ入る。垣の面に薄おひたり

いでてとふ ひとのなきかな はなすすき わればかりかと まねくなりけり

出でてとふ 人のなきかな 花薄 わればかりかと 招くなりけり

 

人の家の簾のもとに女が出てきていたところ、垣根のところに男が立ち、ものを言いながら入って来る。垣根の表面には薄が生えている。

中から出て来て、声を掛けてくれる人もいないのであるな。花薄が私だけを招いてくれているかのように見えたのに。

 

 花薄が自分を招いているかのように見えたという歌は 023 にもありました。
 形状からはもちろん、その家に思いを寄せる異性が住んでいるとなれば、そんな風に感じられるのも無理もないですね ^^

(写真は「季節の花 300」https://www.hana300.com/ からお借りしました)



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