
火事のときに活躍する消防車って頼もしいわね。

でも、火事のときって、実は後片付けが一仕事なんだよな。

そんなとき、ウォーリーみたいなお掃除ロボットがいたらいいんだけどね。

そりゃ、名案だ。何しろ、ウォーリーは人類が逃げ去った地球で、人類が後片付けを放棄したゴミを片付けようと、700年間もひとりぼっちで黙々と働いているっていうんだから。

けなげよねえ。その設定だけで、好感持っちゃうわよね、ピクサーの新作「ウォーリー」。

設定もそうだけど、ピクサーだけに、このロボットの細かな動きひとつひとつに血が通っていて、びっくりするくらいすばらしい。

まったく喋らないんだけど、眼や手のちょっとしたしぐさだけで、寂しさや喜びや微妙な気持ちの揺れが手に取るように伝わってくる。

眼なんて実はただの双眼鏡だぜ。ただの双眼鏡だけで、あれだけ豊かな表情をつくりだせるなんて奇跡としか言いようがない。

ほんと、ほんと。これから双眼鏡を見る目が変わっちゃうわ。

人間的な情感があふれる描写は、CGアニメだってことを忘れさせてしまうほどだ。

そして、誰もいない荒涼とした地球を黙々と一人行く後ろ姿。

孤高のロボット!

寂寥感と凛々しさを同時に感じさせて、もう、たまんないわよね。

突飛な連想だけど、チャップリンの無声映画を思い出してしまった。

そういえば、手と手が触れ合うなんてモチーフは、チャップリンの「街の灯」のラストみたいだもんね。

そうだよ!

ど、どうしたの?いきなり大声出して。

そうだよ、あのロボットたちは「街の灯」のカップルなんだよ。この気持ちの高まりは「街の灯」を観たときの高まりと同じなんだよ。

それは言いすぎじゃない?

そうか?

後半は一転して、スリルとサスペンスの連続。

これはもう、ピクサーおてのものの世界だ。

それだけに後半はちょっと新鮮さが薄れたかな。

いやいや、何でも機械がやってくれる宇宙船の中に住んで足が赤ん坊のように退化した人間なんて、人類の行き先を暗示するようでぞっとする。

「2001年宇宙の旅」みたいなシーンもあったしね。

そうだよ!

ど、どうしたの?またまた大声出して。

そうだよ、あの監視の赤い眼は「2001年宇宙の旅」じゃないか。「ツァラトゥストラかく語りき」まで入ってたし。

そんな大発見みたいな大声出さなくても、みんながそう感じるシーンだと思うけど。

あ、そう?

そういう大声は、火事のときにでも出してよ。

「ウォーリー」は火事のように俺の心に火をつけたってことだよ。

火事というより、ぽっと暖かい炎が灯ったっていう感じだけどね。

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