Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

シンデレラ・ボーイ

2010年10月06日 | 音楽
 若手指揮者の山田和樹さんがスイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者に指名されたという報道をみた。今は世界的に若い指揮者の積極的な登用が一種のブームのようになっている。その波に乗れたとしたら喜ばしい。

 さっそくスイス・ロマンド管弦楽団のホームページをみてみたら、次のような記事が載っていた(9月22日付け)。
 「本年6月、この31歳の指揮者(注:山田和樹さん)はOSR財団(注:スイス・ロマンド管弦楽団財団)から音楽監督のポジションのオファーを受けた。同ポジションに要求されるさまざまな事柄を熟慮した結果、OSR財団とマエストロ山田和樹は上記のコラボレイション(注:首席客演指揮者)で合意した。」(大意)

 いきなり音楽監督のオファーを受けたというのだから驚く。ちなみに現在の音楽監督はベルリン放送交響楽団の芸術監督でもあるマレク・ヤノフスキ。次期音楽監督は芸術監督兼務のかたちでネーメ・ヤルヴィが予定されている。ヤルヴィについては「本年10月8日の楽員総会で決定される」そうだ。

 以上のような交渉経過および決定プロセスが公表されるというのも面白い。

 山田和樹さんは2009年のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝してその名前が知られた。今年8月のサイトウ・キネン・フェスティヴァルで指揮をしたことも報道された。N響の副指揮者に就任したことも注目された。けれどもそれどころではないわけだ。

 スイス・ロマンドのポジションは2012年9月からの3年契約で、年間最低5週間(10公演)とのことだ。実り多い活動になることを!

 私はまだ山田和樹さんの指揮をきいたことがないが、今秋きく予定がある。俄然楽しみになってきた。

 海外の主要オーケストラでは、佐渡裕さんがベルリン・フィルの定期演奏会を振るように、近年日常的に日本人の指揮者が招かれるようになっている。佐渡裕さんのケースは別として、それらがあまり話題にならなくなったことが、一種の成熟を感じさせて好ましく思われる。

 先日東京シティ・フィルでマーラーを振った鈴木雅明さんは、12月18日と19日にスイスのチューリヒ・トーンハレ管弦楽団でバッハの「クリスマス・オラトリオ」を振るようだ。時期からいってもオーケストラにとっては重要な演奏会のはずで、それを託されたわけだ。これも私は同管弦楽団のホームページをみていて偶然知った。

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