ゴールデンウィークの前半はあっという間に終わってしまった。真ん中に法事が入ったので、その前後も出かける気になれず、家でじっとしていた。家にいると結局はCDを聴いている。そのなかで面白かったCDがある。アルテュール・スホーンデルヴルトARTHUR SCHOONDERWOERDという人のフォルテピアノ独奏と指揮、アンサンブル・クリストフォリ演奏のベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番~第3番だ。
なんといってもオーケストラ編成がユニークだ。木管・金管は二管編成だが、弦楽器が基本的には各1人(ヴィオラは2人)。これでどういう音がするかというと、たとえば第1番の冒頭の、弦楽器による第一主題の提示が、室内楽的に聴こえる。木管・金管・ティンパニが入ってくると、堂々としたオーケストラの音になる。以降、どこをとっても、弦楽器の音を追っていると室内楽のように聴こえる。木管・金管・ティンパニを加えた総体として聴いていると、オーケストラの音と感じられる。
ベートーヴェンはこれらの協奏曲をロブコヴィツ邸の広間(おそらくエロイカが初演された場所だろう)で試演した。そのときの編成がこうだったという。ベートーヴェンはなんの不足も感じなかった。大きなホールで弦楽器の数を倍にするときは、管楽器の数も倍にしたそうだ。
軽いショックだったのは、CDの解説書で第2番の出版譜の表紙を見たときだ。そこにはこう書いてあった。「ピアノフォルテのための協奏曲。二つのヴァイオリン、ヴィオール、チェロとバス、フルート、2本のオーボエ、2本のホルン、2本のファゴットを添えて」。
本数の指定がない楽器は、単数形で書かれている。ただしヴィオールはヴィオラの複数形と類推される。第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンは各1本、ヴィオラは複数(2本)、チェロとコントラバスは各1本というわけだ。
この編成だと、弦楽器は今のような優位性を失い、管楽器(とくに木管)と同等になる。さらにいえば独奏楽器のフォルテピアノも、トゥッティの部分では通奏低音を担当するので、オーケストラの一員になる。今の、オーケストラと対峙するイメージとは、まったく異なる。これはコペルニクス的転回だ。
当時は、フォルテピアノは聴衆側かオーケストラ側と向き合い、弦楽器はその周りに半円を描いて配置され、管楽器はその後方に同じく半円状に(ときにはひな壇を置いてその上に)配置されたそうだ。これも当時のオーケストラのありようを彷彿とさせる。
なんといってもオーケストラ編成がユニークだ。木管・金管は二管編成だが、弦楽器が基本的には各1人(ヴィオラは2人)。これでどういう音がするかというと、たとえば第1番の冒頭の、弦楽器による第一主題の提示が、室内楽的に聴こえる。木管・金管・ティンパニが入ってくると、堂々としたオーケストラの音になる。以降、どこをとっても、弦楽器の音を追っていると室内楽のように聴こえる。木管・金管・ティンパニを加えた総体として聴いていると、オーケストラの音と感じられる。
ベートーヴェンはこれらの協奏曲をロブコヴィツ邸の広間(おそらくエロイカが初演された場所だろう)で試演した。そのときの編成がこうだったという。ベートーヴェンはなんの不足も感じなかった。大きなホールで弦楽器の数を倍にするときは、管楽器の数も倍にしたそうだ。
軽いショックだったのは、CDの解説書で第2番の出版譜の表紙を見たときだ。そこにはこう書いてあった。「ピアノフォルテのための協奏曲。二つのヴァイオリン、ヴィオール、チェロとバス、フルート、2本のオーボエ、2本のホルン、2本のファゴットを添えて」。
本数の指定がない楽器は、単数形で書かれている。ただしヴィオールはヴィオラの複数形と類推される。第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンは各1本、ヴィオラは複数(2本)、チェロとコントラバスは各1本というわけだ。
この編成だと、弦楽器は今のような優位性を失い、管楽器(とくに木管)と同等になる。さらにいえば独奏楽器のフォルテピアノも、トゥッティの部分では通奏低音を担当するので、オーケストラの一員になる。今の、オーケストラと対峙するイメージとは、まったく異なる。これはコペルニクス的転回だ。
当時は、フォルテピアノは聴衆側かオーケストラ側と向き合い、弦楽器はその周りに半円を描いて配置され、管楽器はその後方に同じく半円状に(ときにはひな壇を置いてその上に)配置されたそうだ。これも当時のオーケストラのありようを彷彿とさせる。
はじめまして。私もSdhoonderwoerdのベートーヴェンを聴いてショックを受けました。面白い試みですよね。
彼は最近Accentレーベルから同コンセプトのモーツアルト20&21番を出したばかりです。こちらの方が耳になじみやすい感じでした。
評判の件ですが、ヨーロッパ各誌ではベートーヴェンは賛否が分かれました。なんとなくわかる気がしませんか? モーツアルトは発売されて間もないですが、フランスclassica誌、オランダluister誌が特選盤選出と高評価のようです。
モーツァルトの20番&21番が「3点在庫あり」に変わったので、さっそく注文しました。今日届きました。面白いですね! 私は21番のほうが気に入りましたが、いかがですか。ベートーヴェンの4番&5番はまだ在庫切れです。これも聴いてみたいです!