後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔557〕ドイツから届いた待望のお年玉『ラインベルガーと弟子と同時代の作家たち』とオリジナル・カレンダー。

2023年01月09日 | 美術鑑賞
 このブログでお馴染みの、マティアス・ヴェニガー博士(ミュンヘンのバイエルン国立博物館)から届いたのは1月初旬、クリスマスプレゼントではなく大人のお年玉でした。ずっしりと重い大冊『ラインベルガーと弟子と同時代の作家たち』(um leinberger Schüler und Zeitgenossen )と手作りカレンダーです。
 カレンダーは以前にも何回か送られてきましたが、すべてご自身で撮影された写真が使われています。ドイツだけでなくフランスやイタリアなどヨーロッパ各地に足を伸ばして、ゴシックの彫刻を中心に、様々な芸術作品、風景や昆虫などもカメラに収めています。その写真は玄人はだしで、美術館のカタログに掲載されることも多いのです。
 今回はその表紙だけご覧ください。





 もう1冊の『ラインベルガーと弟子と同時代の作家たち』は私どもが喉から手が出るほど欲しかったものでした。
 昨年7月刊行された写真集第Ⅴ巻『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』(福田緑・福田三津夫、丸善プラネット株式会社)にはドイツ後期ゴシック彫刻の作家列伝を書き込みました。しかし、それにまつわる日本語文献はリーメンシュナイダー以外はほぼないといっていいので、底本としたのはドイツ滞在中に「発見」した、ドイツ出版の作家ごとの図録(カタログ)でした。十数回の渡独でかなり収集できたのですが、どうしても手に入らなかったのがファイト・シュトース、ミヒェル・エーアハルト、ハンス・ムルチャーの3巨匠でした。
 昨年のドイツ旅行中にアイゼナッハの友人からファイト・シュトースの写真集をいただいたことはブログに書いたとおりです。残るはミヒェル・エーアハルト、ハンス・ムルチャーの図録です。

 ところでもう一人の気になる作家はハンス・ラインベルガーです。後期ゴシック最終盤に現れた個性派彫刻家です。写真集第Ⅴ巻では手帳ほどの小さな図録を紹介しているのですが、大きな図録には巡り合っていなかったのです。
 そんなときヴェニガーさんから連絡が入りました。2007年にランツフート(ラインベルガーが活躍した町)の博物館が展覧会開催時に出版した図録があるというのです。しかも彼もこの展覧会・図録づくりに深く関わっていて、論文も掲載されているのです。ご厚意に甘えてこの大部な図録(350頁、A5版)を送ってもらうことにしました。写真は本のサイズが大きすぎて若干まわりが欠けています。

 この本が届いてから、重量感たっぷりの本の頁をまさに舐めるように捲りました。不思議なことに片言のドイツ語を知っているだけでもいろいろのことが読み取れるのです。時々緑に助けを求めました。
 この本には写真集第Ⅴ巻で紹介した小さな図録に掲載されているラインベルガーの代表作品を含めて、おそらく優に百以上の作品が収められています。とりわけ興味深かったのはラインベルガー派といっても良いと思うのですが、「アルトエッティングの扉のマイスター」や「ラーベンデンのマイスター」などが取り上げられていることです。その詳細についてはドイツ語の壁にたじろいでいるところです。

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