大学4年間と、教職を辞してから現在までバドミントンを楽しんでいる私は、スポーツ大好き人間です。大リーグなどのライブ中継が好きで、小学校退職後はイチロー、現在は大谷翔平に興奮しています。パリオリンピックにも熱を入れました。
そんな今、写真集『パリ その光と影』(鎌田遵、論創社)を手にしています。
静寂さの漂う、モノトーンの写真集です。
いきなりセーヌ川からの様々な眺望が映し出されていきます。撮影時は2024年晩冬。オリンピックのインフラ整備に慌ただしい風景が垣間見られますが、人間がようやく遠目に登場するのはほぼ2枚のみです。
カメラのアングルはセーヌ川からパリの街中に向けられます。壁面の落書きなども人種の坩堝と化したパリの日常の風景です。
私のお気に入りは小川に架かる鉄橋の写真です。パリの庶民が日常的に使うであろうちょっとオシャレな橋のスナップです。初老の夫婦が手をつないで歩いているのが目に見えるようです。
街中の煩雑な工事現場を経て、アングルは再びセーヌ川に戻ります。突然の白鳥の群れに癒やされて、なるほどこれはパリの光と影でした。
あとがきが秀逸ですが、それは是非ご自分で確かめてください。ここではその障りだけを紹介しましょう。
■『パリ その光と影』 大型本 – 2024/7/26発行
鎌田遵 (写真)、論創社
伝統と多様性——。
それを活かしながら発展していく、パリの街並みの喧騒と静寂を活写する。(オビ)
「ときおり、曇天がひびわれ、一瞬の静寂とともに、どんよりした空の奥の方から、淡い光線が大地にむけて射し込んでくる。その光と影は、第二次世界大戦の戦禍をくぐり抜け、再建を果たした街が獲得した多様性と柔軟性のようにも見えた。」(「あとがき」より)