7月10日(日)の参議院選挙の結果について皆さんはどうお考えでしょう。私は「野党共闘」の参議院選挙は反攻の切っ掛け・出発点になると思っています。
改憲勢力が3分の2を越えたと報道されていますが、公明党は憲法九条を守って加憲を主張しています。おおさか維新の会は九条には触れず、やはり加憲的な物言いです。日本の心を大切にする党は自主憲法を主張していますが今回議席を獲得できませんでした。問題はやはり自民党です。自民党の「憲法改正草案」は、日本国憲法の3本柱と立憲主義を強く否定するものです。いずれにしても、私は今の状況を悲観はしてないし、闘いはいよいよこれからだと思っています。最後は国民投票で決着を付けてやろうではありませんか。これからは、九条の会を中心とした市民連合と日本会議の闘いになるのではないでしょうか。
さて、参議院選挙の前に、同じ日に行われた鹿児島県知事選挙に触れておきましょう。野党統一候補の三反園訓氏が当選したことはとても大きな出来事でした。現在日本で唯一稼働しているのは鹿児島の川内原発の二基です。この原発が止まる可能性が出てきたのです。
●鹿児島知事に脱原発派の三反園氏 現職の4選阻む
* 東京新聞朝刊(2016年7月11日)
任期満了に伴う鹿児島県知事選は十日投開票され、無所属で新人の元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏(58)が、四選を目指した現職の無所属、伊藤祐一郎氏(68)を破り、初当選を果たした。投票率は56・77%で、二〇一二年の前回の43・85%を上回った。
三反園氏は民進、社民両党のほか、伊藤氏に批判的な一部の保守層も加勢し、選挙戦を制した。全国で唯一再稼働している九州電力川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)に関しては、熊本地震を受けて一時停止して点検する必要があると主張。反原発団体も推していた。
三反園氏は十日夜、鹿児島市の事務所で「原発のない社会をつくっていくのがトップの役割だ」と脱原発を訴えた。九電に川内原発の一時停止を申し入れるかについては「いろんな人と相談し、一番良い方法を検討したい」と語った。
三反園氏は川内原発について「安全性が確保されていない原発を動かすわけにはいかない」と強調した。その上で「鹿児島を自然再生エネルギー県にしていくことで雇用を生み出したい」と抱負を述べた。
◆鹿児島知事選開票結果
当 425,893 三反園訓 無新
341,695 伊藤祐一郎 無現
開票99%
三反園訓(みたぞのさとし) 58 <1>
(元)テレビ朝日コメンテーター・政治部記者▽早大
九電に川内原発の一時停止を申し入れるかどうか検討したいというのですが、何を今更という感じですよね。まあ、新知事を信じて待ちたいと思います。
こんな記事も見つけましたよ。
◆原発と新知事 日本中が見守っている
今国内で唯一原発が稼働する鹿児島県で、脱原発を掲げる新知事が誕生する。
三反園訓さん(58)。「原発のない社会をつくる」という言葉の通り、鹿児島を“
脱原発立県”のお手本にしてほしい。
「安全性が確保されていない原発は動かせない」。初当選した三反園氏の主張
は明快だ。
告示前、反原発団体との間で候補者を一本化する際に交わした政策合意にも
「熊本地震の影響を考慮し、川内原発を停止し、再調査、再検証を行うことを九
州電力に強く申し入れる」などとある。
現職の伊藤祐一郎氏は福島原発事故のあと、全国に先駆けて、川内原発1、2
号機の再稼働に同意した。国内で稼働中の原発は、今のところこの2基だけだ。
告示前の記者会見でも「1、2号機は、あと30年動かし、その後は別のエネル
ギー体系に」と、すでに運転開始後30年を過ぎた両機の“60年運転”の必要性を
示唆していた。
同日投開票の参院選鹿児島選挙区では現職が3選された。地元紙の調査では、
「原発」への関心度は「医療・福祉」などに次いで第3位。しかし、県民は知事
の4選は認めずに、脱原発を掲げた「県政刷新」に軍配を上げた。
4月14日の熊本地震。震度7の猛烈な揺れ、うち続く強い余震にもかかわらず、
九電は川内原発を動かし続け、有事の際の指令所になる免震施設の建設予定も取
り下げた。
九電と、それらを看過し続けた伊藤氏に“被害地元”としての不信と不安を募
らせた結果だろう。
三反園氏は「ドイツを参考に、鹿児島を自然エネルギー県に変身させ、雇用を
生み出す」と語っている。脱原発による雇用喪失の不安を抱える立地地域とよく
話し合い、情報を広く共有しながら、具体化を進めてもらいたい。
日本で唯一原発が稼働中の鹿児島県を、日本で初めて脱原発へとスムーズに移
行したモデル県にしてほしい。
三反園氏の言うとおり、知事に稼働中の原発を止める法的な力はない。しかし、
停止した原発を再稼働させるには、地元首長の同意を取り付けるのが慣例だ。
川内1号機はことし10月、2号機は12月、それぞれ定期検査に入って停止する。
検査が終わって再稼働という段階で、新知事はどのような判断を下すのか。他
の原発立地地域のみならず日本中が見守っている。
(7月13日東京新聞朝刊5面「社説」より)
ついでに原発関連で、嬉しいニュースが飛び込んできました。大津地裁の山本義彦裁判長、やりますねえ。
●高浜原発3・4号機 再び運転認めず 大津地裁
*NHK 7月12日 15時39分
福井県にある高浜原子力発電所の3号機と4号機について、大津地方裁判所は「関西電力の説明では、原発の新規制基準が致命的な事故を避けるための対策として十分とは言えず、新規制基準で許可を受けたこと自体で安全性が確保されたとみることはできない」として、ことし3月に運転停止を命じた仮処分の決定に続いて、再び運転を認めない判断をしました。これにより高浜原発3・4号機は再稼働できない状態が続くことになります。
福井県にある高浜原発3号機と4号機について、大津地方裁判所はことし3月、稼働中の原発では初めて運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。これに対し、関西電力は決定の取り消しを求めて異議を申し立て、大津地裁の同じ裁判長が改めて関西電力と運転停止を求めた住民の双方から意見を聞く手続きを行いました。
12日の決定で、山本善彦裁判長は「災害のたびに『想定を超える災害だった』と繰り返されてきた過ちに真摯(しんし)に向き合うならば、致命的な事故を避けるための対策を講じることが必要だが、関西電力が説明した程度では、原発の新規制基準がこのような対策として十分とは言えない」と指摘しました。そのうえで、「福島の原発事故の原因に関する説明も不足しており、新規制基準で許可を受けたこと自体で安全性が確保されたとみることはできない」として、関西電力の申し立てを退け、3月の決定に続いて再び運転を認めない判断をしました。
これで高浜原発3・4号機は再稼働できない状態が続くことになり、関西電力は今の状態が長期化する可能性があるとして、来月から核燃料を取り出す作業を行うことにしています。
関西電力は決定を不服として、大阪高等裁判所に抗告する方針です。
〔関西電力 承服できるものではない〕
異議の申し立てが退けられたことについて、関西電力は「当社の主張をご理解いただけず誠に遺憾であると考えており、到底、承服できるものではありません」というコメントを発表しました。そのうえで、関西電力は「速やかに不服申し立ての手続きを行い、早期に仮処分命令を取り消していただくよう、高浜原発3・4号機の安全性の主張・立証に全力を尽くします」としています。
〔今後の手続き〕
関西電力の異議申し立てが退けられたことで、高浜原発は再稼働できない状態が続きます。
仮処分の手続きは、正式な裁判をしていると時間がかかって間に合わない緊急の場合などに使われるもので、決定が出ると、ただちに効力が生じます。ことし3月の決定で高浜原発は運転を停止しなければならなくなり、今回、異議の申し立ても退けられたため、再稼働できない状態が続きます。
関西電力が抗告すると大阪高等裁判所で改めて審理されますが、判断が覆らないかぎり、運転停止の効力は続きます。今後、大阪高裁が出す決定に対して、どちらかに不服がある場合、最高裁判所に抗告することができます。
仮処分の決定は正式な裁判で結論が示されるまでの暫定的なものとされていて、今後の判断によっては、さらに裁判で争われる可能性もあります。
参議院選挙で嬉しかったのは、沖縄と福島の1人区で、いずれも野党統一候補が現職大臣を破って当選したことです。さらに32の1人区で11人勝ちました。統一候補が立てられなかったら、惨敗だったでしょう。
そして楽しみなのは、東京都知事選挙です。野党統一候補の鳥越俊太郎さんに対して、保守系2人の構図が出来上がりました。負けられませんね。
改憲勢力が3分の2を越えたと報道されていますが、公明党は憲法九条を守って加憲を主張しています。おおさか維新の会は九条には触れず、やはり加憲的な物言いです。日本の心を大切にする党は自主憲法を主張していますが今回議席を獲得できませんでした。問題はやはり自民党です。自民党の「憲法改正草案」は、日本国憲法の3本柱と立憲主義を強く否定するものです。いずれにしても、私は今の状況を悲観はしてないし、闘いはいよいよこれからだと思っています。最後は国民投票で決着を付けてやろうではありませんか。これからは、九条の会を中心とした市民連合と日本会議の闘いになるのではないでしょうか。
さて、参議院選挙の前に、同じ日に行われた鹿児島県知事選挙に触れておきましょう。野党統一候補の三反園訓氏が当選したことはとても大きな出来事でした。現在日本で唯一稼働しているのは鹿児島の川内原発の二基です。この原発が止まる可能性が出てきたのです。
●鹿児島知事に脱原発派の三反園氏 現職の4選阻む
* 東京新聞朝刊(2016年7月11日)
任期満了に伴う鹿児島県知事選は十日投開票され、無所属で新人の元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏(58)が、四選を目指した現職の無所属、伊藤祐一郎氏(68)を破り、初当選を果たした。投票率は56・77%で、二〇一二年の前回の43・85%を上回った。
三反園氏は民進、社民両党のほか、伊藤氏に批判的な一部の保守層も加勢し、選挙戦を制した。全国で唯一再稼働している九州電力川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)に関しては、熊本地震を受けて一時停止して点検する必要があると主張。反原発団体も推していた。
三反園氏は十日夜、鹿児島市の事務所で「原発のない社会をつくっていくのがトップの役割だ」と脱原発を訴えた。九電に川内原発の一時停止を申し入れるかについては「いろんな人と相談し、一番良い方法を検討したい」と語った。
三反園氏は川内原発について「安全性が確保されていない原発を動かすわけにはいかない」と強調した。その上で「鹿児島を自然再生エネルギー県にしていくことで雇用を生み出したい」と抱負を述べた。
◆鹿児島知事選開票結果
当 425,893 三反園訓 無新
341,695 伊藤祐一郎 無現
開票99%
三反園訓(みたぞのさとし) 58 <1>
(元)テレビ朝日コメンテーター・政治部記者▽早大
九電に川内原発の一時停止を申し入れるかどうか検討したいというのですが、何を今更という感じですよね。まあ、新知事を信じて待ちたいと思います。
こんな記事も見つけましたよ。
◆原発と新知事 日本中が見守っている
今国内で唯一原発が稼働する鹿児島県で、脱原発を掲げる新知事が誕生する。
三反園訓さん(58)。「原発のない社会をつくる」という言葉の通り、鹿児島を“
脱原発立県”のお手本にしてほしい。
「安全性が確保されていない原発は動かせない」。初当選した三反園氏の主張
は明快だ。
告示前、反原発団体との間で候補者を一本化する際に交わした政策合意にも
「熊本地震の影響を考慮し、川内原発を停止し、再調査、再検証を行うことを九
州電力に強く申し入れる」などとある。
現職の伊藤祐一郎氏は福島原発事故のあと、全国に先駆けて、川内原発1、2
号機の再稼働に同意した。国内で稼働中の原発は、今のところこの2基だけだ。
告示前の記者会見でも「1、2号機は、あと30年動かし、その後は別のエネル
ギー体系に」と、すでに運転開始後30年を過ぎた両機の“60年運転”の必要性を
示唆していた。
同日投開票の参院選鹿児島選挙区では現職が3選された。地元紙の調査では、
「原発」への関心度は「医療・福祉」などに次いで第3位。しかし、県民は知事
の4選は認めずに、脱原発を掲げた「県政刷新」に軍配を上げた。
4月14日の熊本地震。震度7の猛烈な揺れ、うち続く強い余震にもかかわらず、
九電は川内原発を動かし続け、有事の際の指令所になる免震施設の建設予定も取
り下げた。
九電と、それらを看過し続けた伊藤氏に“被害地元”としての不信と不安を募
らせた結果だろう。
三反園氏は「ドイツを参考に、鹿児島を自然エネルギー県に変身させ、雇用を
生み出す」と語っている。脱原発による雇用喪失の不安を抱える立地地域とよく
話し合い、情報を広く共有しながら、具体化を進めてもらいたい。
日本で唯一原発が稼働中の鹿児島県を、日本で初めて脱原発へとスムーズに移
行したモデル県にしてほしい。
三反園氏の言うとおり、知事に稼働中の原発を止める法的な力はない。しかし、
停止した原発を再稼働させるには、地元首長の同意を取り付けるのが慣例だ。
川内1号機はことし10月、2号機は12月、それぞれ定期検査に入って停止する。
検査が終わって再稼働という段階で、新知事はどのような判断を下すのか。他
の原発立地地域のみならず日本中が見守っている。
(7月13日東京新聞朝刊5面「社説」より)
ついでに原発関連で、嬉しいニュースが飛び込んできました。大津地裁の山本義彦裁判長、やりますねえ。
●高浜原発3・4号機 再び運転認めず 大津地裁
*NHK 7月12日 15時39分
福井県にある高浜原子力発電所の3号機と4号機について、大津地方裁判所は「関西電力の説明では、原発の新規制基準が致命的な事故を避けるための対策として十分とは言えず、新規制基準で許可を受けたこと自体で安全性が確保されたとみることはできない」として、ことし3月に運転停止を命じた仮処分の決定に続いて、再び運転を認めない判断をしました。これにより高浜原発3・4号機は再稼働できない状態が続くことになります。
福井県にある高浜原発3号機と4号機について、大津地方裁判所はことし3月、稼働中の原発では初めて運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。これに対し、関西電力は決定の取り消しを求めて異議を申し立て、大津地裁の同じ裁判長が改めて関西電力と運転停止を求めた住民の双方から意見を聞く手続きを行いました。
12日の決定で、山本善彦裁判長は「災害のたびに『想定を超える災害だった』と繰り返されてきた過ちに真摯(しんし)に向き合うならば、致命的な事故を避けるための対策を講じることが必要だが、関西電力が説明した程度では、原発の新規制基準がこのような対策として十分とは言えない」と指摘しました。そのうえで、「福島の原発事故の原因に関する説明も不足しており、新規制基準で許可を受けたこと自体で安全性が確保されたとみることはできない」として、関西電力の申し立てを退け、3月の決定に続いて再び運転を認めない判断をしました。
これで高浜原発3・4号機は再稼働できない状態が続くことになり、関西電力は今の状態が長期化する可能性があるとして、来月から核燃料を取り出す作業を行うことにしています。
関西電力は決定を不服として、大阪高等裁判所に抗告する方針です。
〔関西電力 承服できるものではない〕
異議の申し立てが退けられたことについて、関西電力は「当社の主張をご理解いただけず誠に遺憾であると考えており、到底、承服できるものではありません」というコメントを発表しました。そのうえで、関西電力は「速やかに不服申し立ての手続きを行い、早期に仮処分命令を取り消していただくよう、高浜原発3・4号機の安全性の主張・立証に全力を尽くします」としています。
〔今後の手続き〕
関西電力の異議申し立てが退けられたことで、高浜原発は再稼働できない状態が続きます。
仮処分の手続きは、正式な裁判をしていると時間がかかって間に合わない緊急の場合などに使われるもので、決定が出ると、ただちに効力が生じます。ことし3月の決定で高浜原発は運転を停止しなければならなくなり、今回、異議の申し立ても退けられたため、再稼働できない状態が続きます。
関西電力が抗告すると大阪高等裁判所で改めて審理されますが、判断が覆らないかぎり、運転停止の効力は続きます。今後、大阪高裁が出す決定に対して、どちらかに不服がある場合、最高裁判所に抗告することができます。
仮処分の決定は正式な裁判で結論が示されるまでの暫定的なものとされていて、今後の判断によっては、さらに裁判で争われる可能性もあります。
参議院選挙で嬉しかったのは、沖縄と福島の1人区で、いずれも野党統一候補が現職大臣を破って当選したことです。さらに32の1人区で11人勝ちました。統一候補が立てられなかったら、惨敗だったでしょう。
そして楽しみなのは、東京都知事選挙です。野党統一候補の鳥越俊太郎さんに対して、保守系2人の構図が出来上がりました。負けられませんね。