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陸山会の三人の判決理由の「天の声」は建設業界の談合献金、、建設業の衰退にどのような後遺症を残したか

2011-10-11 10:50:01 | 地方自治、県及び市町村
 又天の声は「カラ=空の声である」証拠裁判で立証できない。しからば「天の声」とは何か、見えないところで決められる「本命」競争入札の落札業者の選定である。電子競争入札になるまで、諸官公庁から競争入札に参加できる資格者が通知される仕組みがあった。(現在はこの制度は希薄である)、「天の声」は入札業者、建設業界の談合、建設業の衰退、どのような後遺症を残したか。
 官公庁工事の受注に建設業者はどのような活動をするか。発注官庁が事業計画として決める年度予算案の中にある工事個所、予算、工事規模の情報収集、(年度当初の予算、工事個所は議員の知る議会の予算資料がある)に入札参加資格者は働く。工事予定価額により指名入札業者の数は役所の規則・綱領等により決められている。官公庁の営業員は当然自社に適切な工期、工事規模、金額の工事の指名入札資格者になるために関連個所に名刺配りをする。営業活動により、例えば入札資格者の指名15社に入ったとする。入札書には必ず金額を記載しなければならない。しかし、建築工事の積算には多くの時間と労力を必要とするため15社全部が積算するとは限らない。建設会社の工事量により6~7月は工事の監督の人材が配置できない業者が10社以上とする。9月~10月まで見送るとしても入札辞退等すると役所に報告することはできない。役所の工事に対する入札・積算等意欲がないと判断されれば、次の指名を受ける保証はない。この声の逆が「天の声」である。なぜなら担当者は落札業者が出なければ役所内部に大きな問題点が発生することを知っている。入札不調は担当者のペナルテーである。
さて残りの五社は自社積算だからと一斉に「ヨーイ、ドン」はしない。この五社の中から一社最低落札業者を決める。これを「談合」するという。この十四社から一社にしてもよい全員の承諾が得られるようにメンバー間の調整に働く。しかしこの談合調整に必ずしも「天の声」があるとは限らない。この入札の本命が決まると入札予定価額の配布が行われる。さて本命一社を承認しない業者が札なし(本命の金額無し)で入札するとどうなるか。いろいろの制裁が待っている。
 入札指名資格者は本命を決めるこの「天の声」をどのように検証するか。普通3つのルートがあると考えられている。発注者側の意向、15社以外の業界全体の意向、15社メンバ-の陰の意向(本来の天の声でない偽報)通常、業者は、指名は役所からもらうが、仕事は仲間から頂戴するという。したがって、本命になる仲間内の努力、しかしこの談合調整に必ずしも「天の声」があるとは限らない。本命の「天の声」の決定に逆らうと、次回から極端に役所の指名の数が少なくなり、業界全体から信頼がなくなり必ず対抗馬が現れる。次回物件からは「本命になれない」というリスクが追従する。さらに建築工事を入札業者が落札してもこれは議会が公共物の施行者として適切かどうかを判断する。 役所との契約は議会承認案件というクリアーしなければならない関門がある。「この工事の契約業者(本命以外である」不適切であると議会の抵抗にあうというシステム。ここに議員が自己顕示欲を発揮できる場が提供されている。即ち、議員に入札業者=落札業者をコントロールできるチャンスがあるということ。肝心なのは、発注物件は予定の期日に落札契約、工事着手されなければ、工期厳守はできない。
 例えば、学校、幼稚園、消防署は3月31日の工期は遅延できない。又落札不調の案件は担当者始め、入札業者変更等多くの手直しが発生し再入札となる。当然建築基準法、労働基準法等守れないことが黙認される。そのためには役所側発注者は本命一社に選定するようにアドバイスする。これを「天の声」という。しかし電子入札の一発勝負は、この工事だけいかに粗悪な製品でも検査に通ればよく次回の指名を期待しない。建設業者としての信用は不要である。
しかも、役所側と本命の業者はこの暗黙の了解に証拠は残さない。その報酬は役職の昇格、仮に金銭の受け渡しがあってもだ。しかし最近の役人は個人的には飲食の招待、たばこの貸し借りもしない者が多い。しかし、どこの世界にも仲良しクラブはある。又別の観点から一番わかりにくいのが、業界全体の意向という「天の声」である。役所に営業力(指名に入れる)の足りない業者は議員の選挙活動を応援すること協力をする、その見返りが議員に指名に入れてもらうように口添えを頼むことである。これを役人が拒めば、「おらが選挙地盤の工事予定はどうなっとるんじゃ」と詰問されると議会で返答に困る。ここで役人と議員の貸借関係の芽ができる。ここに役所、議員、工事業者の三者間の相互扶助が成り立つ。仮に国会議員に、この狭間で指名業者の選定に、役所側を動かす力があれば、本命としての「天の声」の発信は難しいことではない。議員の欲しいのは、活動資金か選挙票である。そこで議員が天の声を作れる要素を作り、業者に耳打ちすれば、業者は天の声説を主張してメンバー内の本命筋とする。入札の本命になれば、三回・四回と入札を繰り返して入札の本番中に95%以上の入札予定の上限金額の探りを入れるのは容易である。又役所により一社残りの契約額の調整が可のである。これは公正取引委員会やマスコミが言う入札予定価額のつり上げにはならない。しかし現在の電子入札制度なら積算しなくても、パソコンの操作際できれば、建築工事の未熟者でも落札できる。

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