
「Demon's Dance」というアルバムタイトルに黒魔術を思わせるジャケット、よく見るとコミック的でユーモアのセンスもあるとはいえ、やはり薄気味悪い。日本の柳の下から現れる幽霊ほどではないが、それでも肝が冷える夏向きのデザインである。数あるブルーノート盤、いやジャズレコード全体を見回してもこんなにおどろおどろしいのは珍しい。レコード店ならジャズより宗教音楽のコーナーに置いておくほうが売れるかもしれない。
ジャッキー・マクリーンのブルーノート最終作である。アルバムタイトルはマクリーン自身が作った同名の曲がトップに収録されているので、致し方ないとして、ジャケットは「童顔で天使のイメージで売っている俺に合わない」とでも言えば変更されたかもしれないが、「お前の音は悪魔的だ」とライオンに言われたか。今となってみれば「あの悪魔ジャケット」で通じるのでブルーノートの販売戦略は成功したのかも知れない。注目すべきはジャック・ディジョネットの参加だ。育て上げたトニー・ウイリアムスをマイルスに引き抜かれて気落ちしているときに起用したドラマーがとにかく凄い。
このレコード、ジャズ喫茶では決まってB面しかかからない。間違ってA面に針を落とそうものなら客から悪魔のような罵声が飛んでくる。このアルバムにも参加しているウディ・ショウが作った「Sweet Love of Mine」が目当てだ。タイトル通りの美しいメロディで、一番手のマクリーンのソロはそれに哀愁という翳りを付け、続くショウは自信作だといわんばかりに高々とラッパを鳴らし、その後ファンクに向かうピアノのラモント・ジョンソンが畢生のソロを取る。ジャズレコードはアルバム中一曲でも話題になればヒット作だが、ライブでボサノヴァを演ろうといえばこの曲か「Blue Bossa」なので大ヒットといえる。
マクリーンはブルーノートと再契約をせず、このアルバムを最後に活動を休止する。その間、後進の指導にあたっているという情報もある一方、死亡説も流れた。再びマクリーンが姿を現したのは5年後の1972年だった。デンマークのスティープル・チェイスから出た「Live At Montmartre」はシーンから遠ざかっていた鬱憤を晴らすような元気なプレイが聴ける。きっとそこには天使がいたのだろう。
ジャッキー・マクリーンのブルーノート最終作である。アルバムタイトルはマクリーン自身が作った同名の曲がトップに収録されているので、致し方ないとして、ジャケットは「童顔で天使のイメージで売っている俺に合わない」とでも言えば変更されたかもしれないが、「お前の音は悪魔的だ」とライオンに言われたか。今となってみれば「あの悪魔ジャケット」で通じるのでブルーノートの販売戦略は成功したのかも知れない。注目すべきはジャック・ディジョネットの参加だ。育て上げたトニー・ウイリアムスをマイルスに引き抜かれて気落ちしているときに起用したドラマーがとにかく凄い。
このレコード、ジャズ喫茶では決まってB面しかかからない。間違ってA面に針を落とそうものなら客から悪魔のような罵声が飛んでくる。このアルバムにも参加しているウディ・ショウが作った「Sweet Love of Mine」が目当てだ。タイトル通りの美しいメロディで、一番手のマクリーンのソロはそれに哀愁という翳りを付け、続くショウは自信作だといわんばかりに高々とラッパを鳴らし、その後ファンクに向かうピアノのラモント・ジョンソンが畢生のソロを取る。ジャズレコードはアルバム中一曲でも話題になればヒット作だが、ライブでボサノヴァを演ろうといえばこの曲か「Blue Bossa」なので大ヒットといえる。
マクリーンはブルーノートと再契約をせず、このアルバムを最後に活動を休止する。その間、後進の指導にあたっているという情報もある一方、死亡説も流れた。再びマクリーンが姿を現したのは5年後の1972年だった。デンマークのスティープル・チェイスから出た「Live At Montmartre」はシーンから遠ざかっていた鬱憤を晴らすような元気なプレイが聴ける。きっとそこには天使がいたのだろう。
鈴木勲氏のTBM盤「Blue City」に収録されている「45th Street」は、「Sweet Love of Mine」と同じ曲です。
管理人 Sweet Love of Mine Best 3
Jackie McLean / Demon's Dance (Blue Note)
Art Pepper / The Trip (Contemporary)
John Hicks / Sweet Love Of Mine (High Note)
他にも作者のウディ・ショウや日野皓正、マンハッタン・ジャズ・クインテット等の名演があります。
Sweet Love Of Mine1
https://www.youtube.com/watch?v=OQLblbl1Nbk
ジョシュアの独壇場です。陽の当たらない日野さん。なんちゃって。
「This love of Mine」の次が「Sweet Love of Mine」とはいい流れですね。もしかして、次はガーシュインの「Mine」でしょうか。渋すぎるかもしれません。Sweetのつくスタンダード曲ならいくつかあるので、いけそうですが。お題に戻って、圧倒的なのは、マクリーンとショウがエキサイティングなブルーノート盤ですね。
①Jackie McLean / Demon's Dance (Blue Note)
②John Hicks / Sweet Love Of Mine (High Note)
③Paris Reunion Band / French Cooking (Gazell)
②は、フルートも入りラテンテイストも出ていて、いい演奏です。ヒックスは、贔屓のピアニストです。③は、パリに住んだことのあるミュージシャンで組織し、80年代後半に活動したオールスターグループです。テーマの編曲が洗練されてハードバップらしく、ウディ・ショウ(tp)、ネイサン・デイヴィス(ss)、スライド・ハンプトン(tb)のソロもそこはかとない哀愁が漂います。ショウ本人の「Master of The Art」は、やはりもう一つといったところでしょうか。
「This love of Mine」から「Sweet Love of Mine」の流れはネタの枯渇によるイージーな発想です(笑)ガーシュインの「Mine」は最近聴きませんね。その昔レス・バクスターの「Mine」をテーマ曲にしたラジオ番組がありました。
トップはオリジナルで決まりですね。マクリーンの音色で一層引き立つ曲です。
そしてヒックス、アルバムタイトルにするだけの熱演です。フルートが入っているので柔かいですね。ヒックスは一度生を聴いておりますが、真面目な印象を受けました。ジョン・ルイスを少し不良にした感じかな。
豪華メンバーのパリ・リユニオン・バンドもありましたね。アメリカでは実現しないセッションですのでこの顔合わせは貴重かも知れません。
Sweet のつくスタンダード曲もまた話題にしましょう。
アルバム「Demon's Dance」はB面のみならず(私はCDですが)アルバム丸ごと愛聴していますが、やはりこの曲が断然カッコイイですね。Woody Shawの大ファンとしては彼のリーダー作を挙げたいところですが、この初演の迫力と比べるには分が悪過ぎます。
John Hicks、初めて聞く人ですが聴いてみたいと思っています。
「Demon's Dance」はCDでお聴きでしたか。通して聴いても統一感のある各トラックですが、やはりこの曲が群を抜いております。レコードで楽しむときは極端の場合、この1曲で針を上げることがあります。他の曲もアイデアが練られておりますが、ショウの曲の前後ではかすみます。
ショウが自身のアルバムで取り上げたのは失敗ですね。「Blue Bossa」をケニー・ドーハムはその後一度も演奏しておりませんが、それが正解でしょう。
ジョン・ヒックスは実力に比して評価されていないピアニストです。黒岩静枝さんともCDを作っておりますが、歌伴も見事なものです。
Sweet Love of Mine Best 3
Jackie McLean / Demon's Dance (Blue Note)
John Hicks / Sweet Love Of Mine (High Note)
Art Pepper / The Trip (Contemporary)
多くの投票はいただけませんでしたが、やはりオリジナル・イズ・ベストです。
今宵はお気に入りのスイート・ラヴ・オブ・マインをお楽しみください。