
スタンダード・ナンバーと呼ばれる曲がどのくらい存在するのか知らないが、多くのアーティストにカバーされる楽曲という定義に基づくと数千曲に及び、数が多いと当然、同名異曲も存在する。なかでも「タイム・アフター・タイム」は、47年にジュール・スタインが書いた曲がジャズメンの間でも定番だが、若いプレイヤーは84年に全米ヒットチャート第1位を記録したシンディ・ローパーの曲を挙げるそうだ。マイルスがカバーしたことでこちらが定番になりつつある。
元祖というべきスタインの同曲はシナトラの名唱で知られるが、センチメンタルでテンポを選ばないメロディラインにより多くのインストが残されている。どんなテンポでも様になるとはいえ、ラブソングはしっとりとしたバラードで聴きたい。カーティス・カウンスの「ランドスライド」は、フロントにジャック・シェルドンとハロルド・ランドを立て、カール・パーキンスにフランク・ バトラー、そしてカウンスのウエストコースト・ジャズの屋台骨を支えたリズム陣で編成されたカウンス・グループの初リーダー作にあたる。管が微妙に絡み合うゆっくりとしたテーマはエロティックで、スタインが音楽を担当した映画「紳士は金髪がお好き」のようにときめく。
ウエストでリロイ・ヴィネガーとならぶ代表的なベーシストであるカウンスは、37歳という若さで亡くなっているので活動期間は短いものの多くのセッションに起用されている。堅実なリズムキープはスタジオの仕事で重宝され、重い音はセッションのうえでフロント陣を鼓舞する起爆剤になっていたのだろう。ウエストといえばどうしてもクールな印象をうけ、それが黒人プレイヤーであってもコンテンポラリーというレーベルの作用によるものだろうが乾いた演奏が多いが、このグループはイーストに匹敵するホットなハードバップを聞かせる。それはカウンスの太いベースラインと何よりもジャケット写真からも伝わってくる温もりにあるのかもしれない。
再三再四という意味の「time after time」は、その熟語だけで曲作りに嗜みのある人なら鍵盤の数音を叩くと珠玉のメロディが浮かんできそうだし、恋に落ちた女性なら思いのままを綴ると一編の詩が書ける。この先も多くの曲が生まれ、将来スタンダード・ナンバーとして歌い継がれる曲が発表されるだろう。数十年後、「タイム・アフター・タイム」という第三の同名異曲が流れていても不思議はない。
元祖というべきスタインの同曲はシナトラの名唱で知られるが、センチメンタルでテンポを選ばないメロディラインにより多くのインストが残されている。どんなテンポでも様になるとはいえ、ラブソングはしっとりとしたバラードで聴きたい。カーティス・カウンスの「ランドスライド」は、フロントにジャック・シェルドンとハロルド・ランドを立て、カール・パーキンスにフランク・ バトラー、そしてカウンスのウエストコースト・ジャズの屋台骨を支えたリズム陣で編成されたカウンス・グループの初リーダー作にあたる。管が微妙に絡み合うゆっくりとしたテーマはエロティックで、スタインが音楽を担当した映画「紳士は金髪がお好き」のようにときめく。
ウエストでリロイ・ヴィネガーとならぶ代表的なベーシストであるカウンスは、37歳という若さで亡くなっているので活動期間は短いものの多くのセッションに起用されている。堅実なリズムキープはスタジオの仕事で重宝され、重い音はセッションのうえでフロント陣を鼓舞する起爆剤になっていたのだろう。ウエストといえばどうしてもクールな印象をうけ、それが黒人プレイヤーであってもコンテンポラリーというレーベルの作用によるものだろうが乾いた演奏が多いが、このグループはイーストに匹敵するホットなハードバップを聞かせる。それはカウンスの太いベースラインと何よりもジャケット写真からも伝わってくる温もりにあるのかもしれない。
再三再四という意味の「time after time」は、その熟語だけで曲作りに嗜みのある人なら鍵盤の数音を叩くと珠玉のメロディが浮かんできそうだし、恋に落ちた女性なら思いのままを綴ると一編の詩が書ける。この先も多くの曲が生まれ、将来スタンダード・ナンバーとして歌い継がれる曲が発表されるだろう。数十年後、「タイム・アフター・タイム」という第三の同名異曲が流れていても不思議はない。
スロー、アップ、ボサノヴァ、さまざなテンポやリズムで演奏されるジュール・スタイン作のタイム・アフター・タイムを、今週はインストでお寄せください。
管理人 Time After Time Best 3
John Coltrane / Stardust (Prestige)
Curtis Counce / Landslide (Contemporary)
J.J.Johnson / Eminent Vol.2 (Blue Note)
ハンク・モブレイ、ポール・デスモンド、スタン・ゲッツ等々、管を中心に多くの名演がありますので何が挙げられるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
スタイン/カーンのコンビといえば、この時期にはこの曲が浮かびます
シンディのセンチメンタルで美しいスタンダード(マイルスの解釈は素晴らしいです)より、ミディアムでほのぼのとしていて聞くシチュエーションを選びませんね(笑)
すぐ浮かんだのは
スリー・サウンズの乾杯(BN)でした、好きな解釈です
ボントロでいえば、本来彼のセッションであったはずのアルバムでワン・ホーンで録音されたヴァージョンも捨てがたいです
デューク・ピアソン/ウィリー・ウィルソン(JL)
ピアソンはいつでもオシャレ番長ですね
スケベ路線でスタンリー・タレンティンも演ってますが、更に下世話な感がたまらない
ヒューストン・パースンの「マイ・ロマンス」(HN)を~メンバーが文句無し!ヤノピのリチャードはトリオ・アルバムで終わりの方にソロでこの曲を挿んでいてやはりオシャレです
ホントのベストにルイ・スミスの「バラッズ・フォー・ルル」(SC)のタイム・アフターを
なぜだかペットの音色のイメージがこの曲を探す時に鳴っていたもので
おかげさまで久しぶりに聞きました(笑)私にはよい刺激になります!(自分の知識と経験をフル稼働)
コルトレーンを聞きなおしてみたらこの曲の記憶の印象はコルトレーンでした…
ゲッツも素晴らしいですね(私はルロイ派です)
ホント素敵な曲です、どちらも!
別に意図したわけでもないんですが、
テナーで3枚の選出に。
まあ、テナーの似合う曲だとは、思いますが。
1)「Nocturne / Oliver Nelson With Lem Winchester」
誰も挙げそうにないけど、僕はこれダントツですね。
オリバーのゆったりした、ふくよかなテナーに
レムの、ピヨピヨと小鳥が囀るようなヴァイブが絡み、
地味ながら小洒落たワイアンズのピアノのバッキングが
終始それとなくサポートしている。
最高のパフォーマンスですね。
2)「The Man / Stanley Turrentine」
スタンのアーシーなテナーは、この曲にぴったり。
フラナガンのピアノもいい。
3)「Stardust」
ジャズ聴き始めの頃、色々教えてくれた師匠は、
「トレーンのPretige 盤って、ソウルトレーン以外は
買っても仕方ないと思うよ。」と言われ、
そんなものかと何となく跨いでいましたが、
今聴くと決してそうでもないと思いますね。
これのヴァージョンなどは、シンプルですが
いかにもモダンジャズの原点という感じがします。
次点に、ミルトのヴィレッジ・ゲートあたりを。
Time After Time、好きな曲なのに意外とアルバム名が浮かんできません。(汗)
お気に入りは
トレーンとJ.J.は、dukeさんに賛成です。
清き一票を投じます。(笑)
残りの一枚は、25-25さんが挙げられていた、The Man / Stanley Turrentine
どうも最近疲れ気味で、頭が働かないようです。(笑)
マイルスがマジにこの年代にタイム・アフター・タイムかょ、と思って聴いたらシンディの曲でした。time after time ~繰り返し同じことはしないよ、というメッセージと受け止めました。
曲のイメージはあるものでして、それは多分に最初に聴いたレコードなりプレイヤーによるものでしょう。その観点からするとベサメ・ムーチョのスリー・サウンズを思い浮かべた宵闇散歩さんは明るくて宴会がお好きなのでしょうか。今宵も薄野で乾杯の音頭を取っているのではありませんか。(笑)
何を聴いてもソンはないピアソンと、日本ではタレ流しの不評が跋扈しスターになれなかったタレンタイン、けっこう好きです。
ヒューストン・パースンにルイ・スミスがありましたか。聴きなおしておりませんが、イメージ的には曲調に合っているかもしれませんね。
コルトレーンでこの曲を知った私にとって、やはり全ての基準になります。将来、シンディのタイム・アフター・タイムがスタンダードとして語られるとき、それはマイルスの名演が基準になるでしょう。
私のこの曲の初聴きはトレーンでしたので、テナーの印象が強いですね。ピアノ物でもいい演奏はありますが、訥々とした哀しみはテナー独特の泣きでこそ最高の表現ができるものと思います。
このイメージでいうとオリバー・ネルソンは、タイトルの「Nocturne」と相俟って最高の演出でしょう。レムの程よい焼き上がり、いえ、味付けは再三再四聴きたくなります。
次いで「The Man」とは意外でした。25-25 さんがアーシーな選出とは珍しいですね。フラナガンにデビュ、ローチ、バックがこれだけ揃っただけに外れはありませんね。もしサイドが二流だと同じザ・マンでもサム・テイラーになります。(笑)
>トレーンのPretige 盤って、ソウルトレーン以外は
アトランティックからインパを中心に聴いているトレーンファン、正確に言うとトレーンマニアは、そう思うのかもしれませんが、どっこいこの時代もマイルスに虐げられた反動で良い演奏があります。今頃、25-25 さんの師匠も星空を眺めながらスターダストを聴いているかもしれませんよ。(笑)
アルバム名が浮かばないということは飲み過ぎでしょうか。いや、飲み足りないの誤りでした。(笑)
トレーンとJ.J.にご賛同いただきありがとうございます。トレーンは先のコメントにも書きましたが、忘れえぬ名演です。J.J.も好きなアルバムでして、外せない1枚です。バップからファンキー、いわばジャズが大きな変革と、最大の発展をみせた時期の作品はどれも重要ですが、メンバー構成からいうとその全てが詰まっているのが著名なエミネントかもしれません。
しかし、リロイといいカウンスといい、私の好きなタイプのベーシストです。
加えて、Time after timeと着たもんだ・・・こいうイヤらしい曲大好きです。
歌ならシナトラと誰しもが言うと思いますが、私はジミー・スコットでっせ、彼が歌うとイヤラシさが生生しく無くて、程好いイヤラシさで結構なお味で。
ところでベスト3ですが・・・
1、ハンク・モブレイ「ハンク」BN盤
これはドナルド・バードもまた良くて、見事なバラードに仕上がっています。
2、スリーサウンズ「ボトムズアップ」BN
ジーン・ハリスが好きそうなイヤラシさでうってつけでしょう。
最後はタレンタインかなとも思ったのですが・・・イヤらしいベスト3になってしまうので・・・
3位は、コルトレーン「スターダスト」としましょう。
この曲のエピソードを一つ。
時は1984年末、世にはシンディーの方の曲が流行マイルスがカバーして話題になり・・・
そんなある夜、アート・ブレイキーが六本木のミスティに現れた、お供はピアノのジョニー・オニールだ。
深夜も2時を廻った頃、ブレイキーがオニールに命じてこの曲を弾けと、オニールはシンディーの方を弾き始めた・・ブレイキーが違うと止め、サミーカーンの方だと言った。
オニールが弾き直した、今度はブレイキーがコードが違うと言い出した。
オニールが幾つかのコードを提示したが、どれも気に入らないという、その夜の出演者が皆で考え、じゃあ、コレか・・と小一時間・・・どれもお気に召さず、お開きに、ブレイキーは何処と無く消え去った。
残りのミュージシャンが全員でまだ、ああだ、こうだと・・・そして世が明けた・・・、私は家に帰りシャワーを浴びてそのまま会社へ出勤した。
ブレイキーから翌日電話が、寿司を食いに行こうと・・・昨夜の話しをした・・・「アレ、そんな話をしたっけ・・・」、私は言い返しました、「自分で歌まで歌っていたじゃないか」と「夕べは飲みすぎた」で終わり。ブレイキーも好きな曲だったのですね。しかし、ブレイキーの参加した盤でこの曲は・・・(チャンチャン)
カウンスのこの盤はジャケだけで涎ものですね。表情のある手からはベースの低音がズ~ンと響いてきます。カウンスのジャケといえば「You Get More Bounce」を挙げるかたもおられますが、こちらは別の涎です。(笑)
トップにハンクがきましたか。ブルーノートはこうでなくちゃあ、という演奏です。そして予想通りのジーン・ハリス、ファンキーを越えてエロスといえるいやらしさです。
ブレイキーとオニールのエピソードをありがとうございます。記事冒頭の内容そのままですね。オニールの世代はこの曲といえばシンディーなのでしょう。コードで再三再四もめたようですが、タイトルそのままだったようですね。もし、ブレイキーがオニールに「ロンリー・ウーマン」を弾けと命じたら、オニールはオーネットの曲を弾くでしょう。ブレイキー親分は、違う、シルヴァーだ。オニールは答えるでしょう。ボクはまだ若いですと。映画「Ray」でアート・テイタム役を演じたオニールは老けておりましたが。(笑)
「Time Ater Time」ですが、インスト、ヴォーカル含め、結構ヴァージョンが手元にあってびっくりしました。それだけミュージシャンに愛された曲だったということでしょう。器楽では、
①John Coltrane / Stardust (Presteige)
②Hank Mobley / Hank (BLUE NOTE)
③Paul Desmond / First Place Again (Warner Bors.)
①と②は、順番はどちらでもよいです。コルトレーンのプレステ時代は、世評はともかく、いい作品が揃い、また、親しみやすさを感じて、いいなあと思っています。ポール・デズモンドのアルト・サックスの高音部を使ったプレイが美しいので、1票いれます。