
通常、スタジオの録音は1枚のアルバムを作るためにセッションが組まれるが、プレイヤーの調子が良ければ2枚分をレコーディングしたり、逆に不調だと数曲で止めたりしたレーベルがある。ジャケットを見るだけで嗚呼と低い呻きも出るサヴォイだ。乗ったミュージシャンがいると、とにかくテープを回すのが先で、それからレコードのことを考えるというわけだ。優秀なスタジオ・ミュージシャンを集めて曲名も決まらないまま次々と録音したハリウッドのポップスに似ている。
そのような方式で録音を重ねると、1枚のアルバムに収めきれない曲が出てくる。それが内容も悪くなく、漏れたとはいえどうにも捨てがたい。ならばそれを集めて1枚のアルバムにしてしまおう、というわけで出来上がったのがこの「Jazz is Busting Out All Over」だ。積極的に売る気がないとみえてジャケットはサヴォイそのものである。そしてタイトルといえばアレンジャーのA.K.サリムのセッションからジョニー・ソマーズの名唱で知られる「June Is Bursting Out All Over」が収録されていることから、「June」を「Jazz」に変えただけのひねりのないものだ。6月に入るないなやこの曲を引っ張りだす小生と同じような発想か?
トップに収められているのはアレンジャーのビリー・バー・プランクのアルバム「Jazz For Playgirls」と同じセッションの「ウォーキン」だ。マイルスですっかり有名になった曲だが、原曲はジーン・アモンズの「Gravy」で、さらにチェット・ベイカーのマネージャーだったリチャード・カーペンターなる人物が作曲者とされている。この作者も謎で、その辺りの推理は寺井珠重さんのブログ「"Walkin' "本当の作曲者」をご覧いただきたい。プランクの元、分厚いハーモニーから抜け出るフィル・ウッズをはじめセルダン・パウエル、ビル・ハリス、エディ・コスタ等、サヴォイ・オールスターズのソロは6月の空気のように澄んでいる。
オムニバス盤とはいえ通して聴いても何ら違和感がないばかり、全て57年録音ということもありアルバム単体としてまとまったものだ。多くのマイナー・レーベルが数年で消え、ブルーノートやプレスティッジでさえメジャーに買収されるなか、39年にハーマン・ルビンスの手により設立され、75年にアリスタへ権利を売却するまで個人企業として経営を維持したのは立派だろう。質の高いジャズが詰まっているならB級ジャケットも味がある。
そのような方式で録音を重ねると、1枚のアルバムに収めきれない曲が出てくる。それが内容も悪くなく、漏れたとはいえどうにも捨てがたい。ならばそれを集めて1枚のアルバムにしてしまおう、というわけで出来上がったのがこの「Jazz is Busting Out All Over」だ。積極的に売る気がないとみえてジャケットはサヴォイそのものである。そしてタイトルといえばアレンジャーのA.K.サリムのセッションからジョニー・ソマーズの名唱で知られる「June Is Bursting Out All Over」が収録されていることから、「June」を「Jazz」に変えただけのひねりのないものだ。6月に入るないなやこの曲を引っ張りだす小生と同じような発想か?
トップに収められているのはアレンジャーのビリー・バー・プランクのアルバム「Jazz For Playgirls」と同じセッションの「ウォーキン」だ。マイルスですっかり有名になった曲だが、原曲はジーン・アモンズの「Gravy」で、さらにチェット・ベイカーのマネージャーだったリチャード・カーペンターなる人物が作曲者とされている。この作者も謎で、その辺りの推理は寺井珠重さんのブログ「"Walkin' "本当の作曲者」をご覧いただきたい。プランクの元、分厚いハーモニーから抜け出るフィル・ウッズをはじめセルダン・パウエル、ビル・ハリス、エディ・コスタ等、サヴォイ・オールスターズのソロは6月の空気のように澄んでいる。
オムニバス盤とはいえ通して聴いても何ら違和感がないばかり、全て57年録音ということもありアルバム単体としてまとまったものだ。多くのマイナー・レーベルが数年で消え、ブルーノートやプレスティッジでさえメジャーに買収されるなか、39年にハーマン・ルビンスの手により設立され、75年にアリスタへ権利を売却するまで個人企業として経営を維持したのは立派だろう。質の高いジャズが詰まっているならB級ジャケットも味がある。
先週のモーニンに続いてウォーキンを話題にしました。次はスポージンか?マイルスが取り上げなければこの曲は止まったままで歩き出すことはなかったかもしれません。今週はウォーキンのお気に入りをお寄せください。
管理員 Walkin' Best 3
Miles Davis / Four & More (Columbia)
Horace Parlan / Us Three (Blue Note)
Leroy Vinnegar / Leroy Walks! (Contemporary)
マイルスは何度も録音しております。他にもアート・ペッパーをはじめチェット・ベイカー、J.J.ジョンソン、フレディ・ハバード、レッド・ガーランド、ジミー・スミス等々、多くの名演があります。
"Walkin' " 本当の作曲者
http://jazzclub-overseas.com/blog/tamae/2009/08/walkin.html
寺井珠重さんのブログです。大変勉強になります。毎度のことですが、今週も参考にさせていただきました。
Miles Davis: Walkin'
http://www.youtube.com/watch?v=cTfBpKzu6XA
「Bud Shank Quartet」(PJ1215)ですねぇ。
Introducing/ Paul Bley
これをチョイと入れておきます。
タイトルは違いますが・・『Teapot』
ベストは聞き込んでみます!
このチョイスは、迷いがありません。学生時代からダントツのものはマイルスの「Walkin'」です。Four&MoreやIn Europeのものも聴き逃せませんが。3管でそれぞれのソロも素晴らしく、次第にめらめらと熱く燃えていくような盛り上げ方になっていて、静かな興奮がたまらない演奏です。ということで
①Miles Davis / Walkin' (Prestige)
②Bud Shank / Bud Shank Quartet (Pacific Jazz)
③Hank Mobley Lee Morgan / Mondy Night at Birdland (Roulette)
②は、アルト・サックス一本で力強い演奏を繰り広げています。③は、ソロの応酬がエキサイティングで。他にもたくさんありましたが、今回はこの3つで。
モーニン、ウォーキンと韻を踏んできたので、次の曲も韻を踏みたいところでしょうか。何かあればいいですが、あるかな?(笑)。
思いがけず、私の古いブログ記事にリンク貼っていただいて、ありがとうございます。うちのブログがシステムのバグのためにコメントが入らなくなっています
最近、ジャズメンの「著作権」に興味が湧いて、ズブズブの泥沼状態です。
というわけで、様々な社会的、音楽的不公平と戦ったJ.J.ジョンソン、JJ! in Person (Columbia)に一票であります。
何か忘れていると思っていたのですが、バド・シャンクでした。azumino さんも挙げておられますが、ワンホーンで気持ち良さそうですし、テンポもいいですね。
茶壷タイトルのポール・ブレイがありましたね。後のスタイルが想像付かないバップピアノで驚きです。
ミンガスのソロのときの合いの手は音が多いし、ブレイキーとの4バースは御大を遮るように入るわで独壇場です。当然ブレイキーの一言はあれですね。(笑)
今週は迷いがないようで出足が早いですね。トップにプレスティッジがきましたか。この演奏も悪くはありませんが、私的には黄金のクインテットのライブが好きです。演奏するたびにテンポが速くなるのが面白いですね。
次いで、シャンク、そしてバードランドがきましたか。いやはやこれも忘れておりました。シンフォニー・シッドのMCから始まるステージですね。圧巻はリー・モーガンのめくるめくソロですが、このときまだ19歳、おそるべしです。
モーニン、ウォーキン、次はスポージンと思ったのですが、録音は少ないようですし、ベストを絞れるだけの手持ちもありません。ならばマイルス、ズート、アーヴィンで決まるクッキンのアルバム・タイトル・ベストでいきますか。(笑)
昨日、コメントを入れたのですが反映されず心配しておりました。やはりシステムのバグでしたか。
改めてですが、記事を参考にさせていただきました。ありがとうございます。当時は、いい加減な著作権や盗作等、知れば知るほど、探れば探るほど面白いですね。ジャズメンの著作権については私も興味がありますので一度話題にしようと思っております。
J.J.ジョンソンは今回、聴き直しましたが安定しておりますね。良いソロです。
他では、"Monday night at Birdland"に一票
ビッグバンドでは秋吉敏子のデビュー当時の、”Recorded in Tokio"です。
他には、QuincyがAM時代になってから確かやっていました。
あとは、好きな盤としてはPaul Gonsalvesの”Gettin' Together"でやっています。Double six of Parisも歌っています。