
以前、スタン・ゲッツを話題にしたとき、マイケル・シーゲル著「サキソフォン物語」(青土社刊)を参考にした。サックス奏者の秘話は面白い。そのなかでイリノイ・ジャケーが登場し、「師であり、自分のサウンドを生んだ手本のひとつと仰ぐ」とジャケーが名前を出したのはレスター・ヤングだ。ジャケーの熱心なファンには周知の事実かもしれないが、テキサス・テナーをあまり聴かない人には意外である。
ライオネル・ハンプトン楽団時代に残した「フライング・ホーム」の豪放磊落なソロや、JATPに於ける派手なブローからはヤングの繊細さは微塵も感じられないが、ジャケー本人が語るのだから間違いではないだろう。この事実を検証すべく、レコードを探してみると「デザート・ウインズ」という格好なアルバムがあった。メンバーはケニー・バレルをはじめ、トミー・フラナガン、ウェンデル・マーシャル、レイ・ルーカスと一流が並ぶ。そしてコンガを入れて賑やかにするあたりはジャケーらしい。選曲は「スター・アイズ」や「カナダの夕陽」、「ユー・アー・マイ・スリル」というお馴染みのものに加え・・・
何と、この検証に最も相応しいと思われる「レスター・リープス・イン」が収録されているではないか。ご存知レスターが書いた曲で、度々演奏した代表作でもある。その曲をジャケーはどのように演奏しているのか。ブラインド・テストで出題されたら、レスターではないことはわかっても、ジャケーと言い当てる人は少ない。大音量でサックスを吹くことからホンカーと呼ばれるジャケーが、楽器をいたわるように優しく音を出しているのだ。曲名に自身の名前を入れていることからレスターの愛着ぶりもわかるが、師と仰ぐ人の曲を演奏するときもまたかけがいのない愛着が生まれるのだろう。
同書で初めて知ったのだが、ジャケーの身長は155センチ前後だったという。テナー奏者はよく大きな男でないと大きな音が出ないといわれているだけに驚きだ。ハンプトン楽団には当時ジャケーよりも数ヶ月年下のデクスター・ゴードンが真横の席いた。ゴードンといえば2メートル近い大男だ。レコードでは音量の比較はできないが、二人が立って交互にソロを取るシーンを想像すると微笑ましい。
ライオネル・ハンプトン楽団時代に残した「フライング・ホーム」の豪放磊落なソロや、JATPに於ける派手なブローからはヤングの繊細さは微塵も感じられないが、ジャケー本人が語るのだから間違いではないだろう。この事実を検証すべく、レコードを探してみると「デザート・ウインズ」という格好なアルバムがあった。メンバーはケニー・バレルをはじめ、トミー・フラナガン、ウェンデル・マーシャル、レイ・ルーカスと一流が並ぶ。そしてコンガを入れて賑やかにするあたりはジャケーらしい。選曲は「スター・アイズ」や「カナダの夕陽」、「ユー・アー・マイ・スリル」というお馴染みのものに加え・・・
何と、この検証に最も相応しいと思われる「レスター・リープス・イン」が収録されているではないか。ご存知レスターが書いた曲で、度々演奏した代表作でもある。その曲をジャケーはどのように演奏しているのか。ブラインド・テストで出題されたら、レスターではないことはわかっても、ジャケーと言い当てる人は少ない。大音量でサックスを吹くことからホンカーと呼ばれるジャケーが、楽器をいたわるように優しく音を出しているのだ。曲名に自身の名前を入れていることからレスターの愛着ぶりもわかるが、師と仰ぐ人の曲を演奏するときもまたかけがいのない愛着が生まれるのだろう。
同書で初めて知ったのだが、ジャケーの身長は155センチ前後だったという。テナー奏者はよく大きな男でないと大きな音が出ないといわれているだけに驚きだ。ハンプトン楽団には当時ジャケーよりも数ヶ月年下のデクスター・ゴードンが真横の席いた。ゴードンといえば2メートル近い大男だ。レコードでは音量の比較はできないが、二人が立って交互にソロを取るシーンを想像すると微笑ましい。
「レスター・リープス・イン」は歯切れの良いスウィング・ナンバーですが、レスター・ヤングらしく繊細な一面もある素敵な曲です。今週は「レスター・リープス・イン」のお気に入りをお寄せください。
管理人 Lester Leaps In Best 3
Count Basie w. Lester Young / Lester Leaps In (Epic)
Gil Evans / New Bottle Old Wine (World Pacific)
Eddie Lockjaw Davis / Very Saxy (Prestige)
他にもクインシー・ジョーンズをはじめソニー・スティット、ズート・シムズ、オスカー・ピーターソン、レイ・ブラウン等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Lester Leaps In 五十嵐明要 杉原淳 尾田悟 小川俊彦 五十嵐武要
http://www.youtuberepeater.com/watch?v=wWN4DBKoNUs&name=Lester+Leaps+In
凄いメンバーです
まずはこの二枚、
Count Basie w. Lester Young / Lester Leaps In (Epic)
Gil Evans / New Bottle Old Wine (World Pacific)
そして、
クインシー・ジョーンズの「グレート ワイド ワールド オブ クインシー」
しかし、私が一番好きなのは・・
ピアノの共演で最高の・・・
サッチ&ジョシュでベーシーとオスピの共演だ。
スイングする・・という点では最高!
レイブラウンも持っているけど、これも良いのだ。
スイング不足の昨今・・昔は良かったねぇ・・・
この曲はおっしゃるようにフルバンか、それに近い編成が多いようです。ベイシーをベースとしているのでしょう。
トップはやはりレスターですね。オリジナルが必ずしもベストとは限りませんが、これは間違いなくベストです。泉の如く湧いてくるソロは、自身の名前が付いているだけのことはあります。
そしてギル・エヴァンスはキャノンボールですね。アレンジもさることながら、このソロも凄い。
クインシー・ジョーンズも見事なアレンジです。
ベイシーとオスピの共演は相性抜群です。
無条件にスイングする曲が懐かしいですね。
ポール師匠のライブの余韻が未だ残っております。
このお題も僕には難しかったです、持ってないです。
只、聞きなおして見ますと、とてもノリの良い曲ですね。
Lester Young/Memorial Album, Vol.1(Epic)
1936年から40年の音源からレコードです。
Lester Leaps In は39年の録音で(Kansas City Seven)の演奏ですが、良いですね。
Sonny Stitt/Now(Impulse)
Stittのワンホーンですが、これも良い感じだと思います。
ベスト3は無理でした。
今週からジャズに戻りますが、レスターからで良かった!
ポールのライブを堪能されたようですね。ポールといえば大相撲九州場所に懸賞金を出すとか。相撲好きのチャーリー・マリアーノが「大鵬」という曲を作っておりますので、ポールも因んだ曲を書いてほしいですね。
レスターは後期の「プレス・アンド・テディ」が人気ですが、初期の録音に繊細なレスターを聴くことができます。良い時代の良い演奏です。
そしてスティットも乗りますね。こちらは後期の録音ですが、安定したスティットがおります。
そういえば、今年の流行語に「今でしょう!」がありましたね。これも話題にしなきゃあ!
なんといってもレスター・ヤングです。1957年のCount Basie At Newportでも短いなら吹いていて、晩年の演奏が聴けるのは嬉しいです。手持ちがあまりありませんが、
①Count Basie w. Lester Young / Lester Leaps In (Epic)
②Gil Evans / New Bottle Old Wine (World Pacific)
③Oscar Peterson / Plays Count Basie (Verve)
②は、キャノンボールに尽きます。③はピーターソンのアルバム中、気に入っている一枚で、学生時代、仙台のジャズ喫茶カウントで聴いて以来、何回聴いたかわからないいアルバムです。
ご無沙汰で失礼しました。
今月は何故か”Lester Leaps In"をよく聴きました。
この曲は、ジャムセッションで良く取り上げられるようですね。
クリントイーストウッドのAfter Hoursコンサートのジャムセッションでの演奏も最近自分のブログで記事にしました。
先週末に新宿でトラッドジャズフェスティバルがあったのですが、ここで和製サッチモの外山さんなどトランペット9本のセッションがあり大盛り上がりでした。
そこでも全員でのジャムセッションの素材はこの曲でした。
大きな編成好きの自分が好きな曲のひとつですので、BEST3は色々ありますが。
①1939年のベイシーは別格で一番。
Newportのベイシーもいいです。
JATPの'49では、パーカーとレスターの共演もあります。
②はクインシーのニューポート
クインシーの初期のビッグバンドのレパートリーの一曲でニューポートでのライブのアルバム以外にもヨーロッパ公演の映像でも聴けます。
③はVery Saxy
これはアルバム全体が好きなので当確ということで。
番外としてマイナーなアルバムですが、
Larry VuckovichのReunionというアルバムで、Jon Hendricksがベイシーのオリジナルをボーカリーズしているのも愛聴しています。
あとはベニーゴルソン好きとしては、ゴルソンのTenor Legacy。
やはり初期のレスターはいいですね。音の端々まで繊細な美しさがつまっております。1957年のニューポートは晩年の演奏とはいえ何かを取り戻したような閃きがあります。
ギル・エバンスはキャノンボールが生きておりますね。音の魔術師とはよく言ったものです。72年にギルを見ておりますが、ステージに上がるだけで空気が変わったものです。
そしてピーターソンのベイシー集も味があります。一番人気はプリーズ・リクエストですが、これも随分ジャズ喫茶のターンテーブルに乗りました。
こちらこそ貴サイトにはご無沙汰で失礼しております。精力的にアップされているようですね。私はようやく週一を保っております。そろそろネタ切れです。(笑)
この曲はモダン期以前のプレイヤーがジャムセッションで好んで演奏するようです。曲調は歯切れの良いスウィングという感じですね。
トップは作者自身の演奏で決まりです。ニューポートやJATPも楽しめますね。
クインシーのニューポートも、さすがクインシーという内容です。
そして、私も挙げた「Very Saxy」とは嬉しいですね。「Sexy」をシャレたタイトルですが、まさにセクシー。サックスのお祭り騒ぎと敬遠される方もおられるようですが、これだけ派手にやられるとつい応援したくなります。
ゴルソンも良いですね。私もゴルソンは好きですので機会をみて話題にしましよう。
Lester Leaps In Best 3
Count Basie w. Lester Young / Lester Leaps In (Epic)
Gil Evans / New Bottle Old Wine (World Pacific)
Quincy Jones / The Great Wide World Of (Mercury)
やはりオリジナル・レスターがダントツでした。そしてビッグバンド編成が人気でした。他にも多くの名演が挙がりましたが、どの演奏もレスターへの愛情を感じるものばかりです。お気に入りのレスター・リープス・インを存分にお楽しみください。