
アメリカで1958年から放映されたテレビ・ドラマ「ピーター・ガン」は元祖私立探偵物として知られる。その当時、ドラマのBGMといえばオーケストラが主流だったが、ジャズのコンボ演奏を使ったことで注目された。その後「サンセット77」をはじめハードボイルド物はジャズがバックというのがスタイルになっている。テーマ曲はヘンリー・マンシーニが有名になる前の作品だが、傑作として名高い。
一件落着すると主人公はジャズクラブで寛ぐのだが、ここで歌っているシンガーが主人公の恋人という設定だ。これは現在の日本の刑事物にも踏襲されていて、藤田まことや水谷豊が小料理屋でママ相手に世間話をする原形といっていい。そのシンガー役がローラ・オルブライトで、女優としてはその後「危険がいっぱい」でアラン・ドロンと共演しているし、「0011ナポレオン・ソロ」にも出演している。歌手としてはこのドラマで知り合ったマンシーニの協力のもと制作した「Dreamsville」が人気盤だが、女優として売れる前の57年に録音した「Lora Wants You」も忘れがたい。
「トムとジェリー」でお馴染のディーン・エリオット編曲指揮のオーケストラをバックにジャケットからも漂う妖艶なハスキーボイスで迫ってくる。甘い代表「Candy」や「All Of You」、「He's My Guy」、そして特にいいのが「I've Got A Crush On You」 だ。ガーシュウイン兄弟の曲で、速いテンポで歌うことを想定して書かれたようだが、リー・ワイリーがバラードで歌ったことからその唱法が定番になった。ローラもゆったりとしたテンポで丁寧に歌い上げる。「あなたに首ったけ」という邦題が付いているが、「Crush」という本来持つ熱狂的な意味合いも伝わってくる歌唱といえよう。
「ピーター・ガン」が日本で放送されたのはテレビ普及率が60パーセントの1961年だ。今の世代には想像も付かない白黒テレビである。昭和でいうと36年で、「上を向いて歩こう」や「君恋し」、「銀座の恋の物語」がヒットしている。アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズが初来日したのもこの年だ。決して物が豊かな時代ではなかったが、パブリカが巻き上げる土煙が懐かしい古き良き昭和であった。
一件落着すると主人公はジャズクラブで寛ぐのだが、ここで歌っているシンガーが主人公の恋人という設定だ。これは現在の日本の刑事物にも踏襲されていて、藤田まことや水谷豊が小料理屋でママ相手に世間話をする原形といっていい。そのシンガー役がローラ・オルブライトで、女優としてはその後「危険がいっぱい」でアラン・ドロンと共演しているし、「0011ナポレオン・ソロ」にも出演している。歌手としてはこのドラマで知り合ったマンシーニの協力のもと制作した「Dreamsville」が人気盤だが、女優として売れる前の57年に録音した「Lora Wants You」も忘れがたい。
「トムとジェリー」でお馴染のディーン・エリオット編曲指揮のオーケストラをバックにジャケットからも漂う妖艶なハスキーボイスで迫ってくる。甘い代表「Candy」や「All Of You」、「He's My Guy」、そして特にいいのが「I've Got A Crush On You」 だ。ガーシュウイン兄弟の曲で、速いテンポで歌うことを想定して書かれたようだが、リー・ワイリーがバラードで歌ったことからその唱法が定番になった。ローラもゆったりとしたテンポで丁寧に歌い上げる。「あなたに首ったけ」という邦題が付いているが、「Crush」という本来持つ熱狂的な意味合いも伝わってくる歌唱といえよう。
「ピーター・ガン」が日本で放送されたのはテレビ普及率が60パーセントの1961年だ。今の世代には想像も付かない白黒テレビである。昭和でいうと36年で、「上を向いて歩こう」や「君恋し」、「銀座の恋の物語」がヒットしている。アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズが初来日したのもこの年だ。決して物が豊かな時代ではなかったが、パブリカが巻き上げる土煙が懐かしい古き良き昭和であった。
「I've Got A Crush On You」は、1928年にガーシュウイン兄弟がミュージカル「トレジャー・ガール」のために書いた曲で、その後「ストライク・アップ・ザ・バンド」でも使われました。2回ともアップテンポで歌われたのですが、リー・ワイリーがスローで歌ったことからバラードとして定着しました。アイラ・ガーシュウィンはワイリーを聴いて驚いたそうですが、彼女の解釈が好きになったと言っております。今週はヴォーカルでお気に入りをお寄せください。インストは機を改めて話題にします。
管理人 I've Got A Crush On You Vocal Best 3
Lee Wiley / Night In Manhattan (Columbia)
Chris Connor / Sings The George Gershwin Almanac Of Song (Atlantic)
Stacey Kent / Dreamsville (Candid)
他にもガーシュウイン・ソングブックのエラ、サラ、シェリル・ベンティーンをはじめ シナトラ、ローズマリー・クルーニー、ダイナ・ワシントン、ミンディー・カーソン、アナ・マリア・アルバゲッティ等々、多くの名唱があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Linda Ronstadt - "I've Got A Crush On You" HQ
https://www.youtube.com/watch?v=KelraygLn2g
ナイトクラブで歌う曲です
Lola Albright - How High the Moon
https://www.youtube.com/watch?v=S4jFd0XYYb0
ナイトクラブで映えるシンガーです
お題曲『I've Got A Crush On You 』がアップテンポ曲だったとは露知らず!そしてLola Albrightも!
大変為になるデューク・アドリブ帖です。
①Lee Wiley / Night In Manhattan・Sing Vincent Youmans・Sing Iraving Berlin(collector's choice music)
・何と言ってもこいつが一等賞・金メダル!
歌い手良し!唄良し!後ろのバンド良し!このL・ワイリーのお題曲を聴くと‘ゾクット’引き込まれる事があります。3LP in 1CDのお徳用盤です。
②Stacey Kent / Dreamsville (Candid)
・この子(S・ケント嬢) 大好きです! 囁きかける様に唄われると堪りません!7枚ほど有るS・ケントCDの中こいつが一番トレイに乗ります。
同率②Rosemary Clooney/Everthing's Coming Up Rosie(Concord)
・このロージーにも痺れます!昔の熱い恋と裏切られた恋を唄っている様な・・と勝手に想像
手持ちの《Lee Wiley /Sings The Songs Of Gerge&Ira Gershwin & Cole Porter(Auidophile):1939年録音盤》を聴いてみるとE・コンドンバンドをバックにお題曲をミドルテンポで唄われてます。このL・ワイリーも素敵です!
九州・熊本が心配ですね!
作者の意図と違う解釈で歌われた曲ですが、このスタイルを定着させたワイリーは大したものです。ハスキーヴォイスと曲調が見事にはまっております。それにボビー・ハケットがいい味を出しております。ワイリーのバッキングでは「You're a Sweetheart」のピーナッツ・ハッコーが素晴らしいのですが、これも泣けます。
ローラ・オルブライトのこのアルバムは、「LP TIME」から出ている紙ジャケットのCDです。レコードでは滅多に見かけませんが、観賞用にそれこそLPで欲しいものです。
そして、ステイシー・ケント。品がありますね。「Dreamsville」は「Polka Dots And Moonbeams」や「Violets For Your Furs」、選曲がいいですね。昨夜のススキノは冷たい雨で月は見えずコートがいるほど寒かったです。
バラのロージーも魅力があります。熟女が若い恋人を見つめるような歌い方です。ナット・ピアースのさりげないバッキングが歌を大きくしております。
先週は黒岩さんとベストメンバーの佐々木慶一トリオが九州ツアーに行っておりましたので身近に感じました。早く落ち着くと良いのですが。
最近は、CDばかりになって、ほとんどヴォーカルのレコードを買いませんが、やはり美女物は、レコードがいいです。ローラ・アルブライトの「I've Got A Crush On You」も結構迫ってきますね。僕は、フレッシュサウンド再発のレコードを持っていますが、ペラペラです(笑)。「Dreamsville」の方はオリジナルです。
Lee Wiley / Night In Manhattan (Columbia)
Linda Ronstadt / What's New (Elektra)
Gogi Grant / The Helen Morgan Story (RCA)
リー・ワイリーは、かなり馴染んだレコードです。リンダ・ロンシュタットのものは、押さえた表現で、結構好きです。
今回は、ジャケットにも焦点があたっているので、ゴギ・グラントをジャケット大賞で挙げてみました。もっとも、この歌はメドレーで歌われるだけです。趣味のうちなので、ご寛恕のほどを。
フレッシュサウンドのレコードでお持ちででしたか。ペラペラは残念ですが、美女はLPサイズに限ります。「Dreamsville」のオリジナルといえば6eyesですね。羨ましいです。
トップ決定のワイリーに次いでリンダ・ロンシュタットが挙がりましたか。you tubeの音源を紹介しましたが華麗ですね。このアルバムは選曲がいいですし、ネルソン・リドルのバックがより豪華に仕上げております。
ゴギ・グラントのヘレン・モーガンもありましたね。目鼻立ちがしっかりした美人です。ローラは妖艶、ゴギは清楚、見つめられるならどちらでもいいですね(笑)
今回の選出は…
Michael Feinstein / The Sinatra Project (Concord)
Rod Stewart / The Great American Songbook Volume
Linda Ronstadt & The Nelson Riddle Orchestra / What's New
私が熱烈に好きなマイケル・ファインスタインは文句なしの歌唱です。
ロッド・スチュワートは、ミディアム・スローでダイアナ・ロスとのデュエット。
ソプラノサックスも入っていて雰囲気がありますね。
リンダ・ロンシュタットのアルバムは、ネルソン・リドルが関わっているので買いました。
素直な歌い方です。
他にマイケル・ブーブレも痺れる歌声ですが、この曲が収録されたアルバムは持っていないので外しました。
話は変わりますが、小学館から隔週でジャズ・ヴォーカル・コレクションが発売されますね。
予定のリストを見ると、来年のビング・クロスビー、映画のジャズ・ヴォーカル、ガーシュウィン・セレクション、メル・トーメあたりが気になります。
http://shogakukan.co.jp/pr/jazz3/
トップにマイケル・ファインスタインがきましたか。持っておりませんが、選曲がいいですね。「Begin The Beguine」は、きっちり108小節歌っているのかな。
そしてロッド・スチュワート、ダイアナ・ロスとのデュエットは黄金の組み合わせです。
リンダ・ロンシュタットのこのアルバムのヒットはネルソン・リドルが大きいでしょう。ポピュラー音楽を知り尽くしている人ですので、そのシンガーが一番映える仕掛けをします。シナトラもリドルがいてこその成功です。リドルは譜面に向かうと寝るのは損だとばかり徹夜するとか。それでネルソン。
ジャズ・ヴォーカル・コレクションは新聞の広告で知りました。これからジャズ・ヴォーカルを聴こうとする人には良い企画ですが、監修は後藤雅洋氏ですので偏りがみられるかも知れません。
19日の吉川君(笑)良かったですね。昨夜は情けないゲームでしたが、今夜はピシッとしまっておりました。
I've Got A Crush On You Vocal Best 3
Lee Wiley / Night In Manhattan (Columbia)
Stacey Kent / Dreamsville (Candid)
Linda Ronstadt / What's New (Elektra)
やはり定番のリー・ワイリーが断トツでした。ステイシー・ケントとリンダ・ロンシュタットは最近の録音ですが、モダンな味わいのなかにもオールドなテイストを加味しております。他にもクリス・コナーをはじめローズマリー・クルーニー、3月10日に91歳で亡くなれたゴギ・グラント、マイケル・ファインスタイン、ロッド・スチュワート等が挙がりました。それぞれ個性際立つ名唱ばかりです。今宵はお気に入りの「あなたに首ったけ」をお楽しみください。