ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

はてしない物語

2008-01-15 22:51:32 | 
人の思いは、なかなか相手に伝わらない。
歯がゆくて歯がゆくてしょうがない。
伝わらなくても伝わらないまま、
いつものように何も変わらず日常は過ぎていく。
たとえ思いが相手に伝わったとして、それがどうだというのだ。
なにも変わりばえのしない現実が、ただただ続いていくだけではないか。

こんなニヒリズムによく襲われる。何もかも放り出したくなる瞬間。
時計の振り子が左から右へ大きく振れる刹那。
頭の中の回路が「プツン」と切れる。虚無の世界へようこそ・・・。

僕の中の心象風景が荒涼としていく。
戦中に空襲で焼け野原となったここ東京の原風景。
こんなことを幾度と無く繰り返してきた。

ミハイルエンデの「果てしない物語」では、世界を虚無が覆う。それを救うために少年が立ち上がった。そう、ファンタジーエンを救うために・・・・。

この物語の最後に、古本屋で主人公の少年が店長に自分の体験した冒険の話をした。ファンタジーの共有。
店長は言う。
「きみは、これからも、何人もの人に、ファンタジーエンへの道を教えてくれるような気がするな。そうすればその人たちが、おれたちに生命の水を持ってきてくれるんだ」
ファンタジーは共同、共有、共感の世界かも知れない。
ファンタジーは虚無の対岸にある。

ファンタジーと妄想は違う。現実を見る創造的な、想像的な視点。
つまらないと思っていた事象に新たな見方を提示し、驚きと違う世界を広げる。
それは、時として絵画であったり哲学や音楽であったりもする。
表面的な現実に深みを与えるものが、ファンタジー・・・・。

ファンタジーをヨスガに、荒れ果てた耕地に、また種を蒔き緑を起こすとするか。
生命の水をいろんな人に運んでくれる人との共同・共感を求めて。
そして僕はファンタジーエンへの道を教える旅に出なければならない。

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