ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

おだずもっこ

2009-01-29 22:14:34 | 



僕から無くなっていくもののひとつに、『言葉』があります。

言葉と言っても普通に喋ったり書いたりする言葉ではありません。
まだその域に達するには多少の時間が必要でしょう 


僕が育った田舎でしゃべっていた『言葉』です。
東北の片田舎だから、いわゆる〝ズーズー弁〟というやつです。

田舎に帰ってもなかなか話せなくなった。
聞いて意味はわかりますし、とっても懐かしいのですが、
自ら話すことにとても抵抗を感じることに気がつきました。

前はそんなことはありませんでした。
いくらか時間がたてば、そのうち慣れてそれなりに喋れたのですが、
そういうわけにはいかなくなっているようなんです。

                               



単語をいろいろ思い出してみました。
こんな言葉は聞いたことがありますか?

がおった

これは〝つかれた〟という意味です。


かばねやみ

なまけもののことです。


たんぱら

怒ることです。


おだずもっこ

あぁ、子供の頃よく言われたものです。
人気者に与えられる言葉です。面白い人のことを言います。
ふざけてばっかりで人を笑わすのが上手な人のことでもあります。


抱腹絶倒ネタを抱えきれないほど持っていたっけ。
今考えるとくだらないことばかりだったが死ぬほど笑えた。

僕は天下一品の〝おだずもっこ〟だった。


あれからずっと遠くに来てしまった僕だが、そうしたサービス精神だけは、
今も忘れず心のどっかにある。

けれど、田舎の言葉がなかなか出なくなっているのと同じで、
なかなか素直には出てきてくれなくなっているようだ。


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月の砂漠

2009-01-28 20:57:50 | 



この時期になると聞こえるメロディーがあります。
夕方から夜半にかけ、灯油の量り売りの車が住宅街をぐるぐる回ります。
その時に流れるのが物悲しげな「月の砂漠」のメロディーです。

オルゴールの「月の砂漠」を録音したんでしょうか。
シンと冷えた冬の空気を、凛としたこの音が震わせます。

この童謡を流しながらの灯油販売はこの辺の冬の風物詩と化しているようです。

帰る途中にどこからともなく聞こえるこのメロディーに、
そこはかとない懐かしさに駆られながら、思わずお月さまを追ってしまいました 



  月の砂漠を はるばると
  旅のらくだが 行きました
  金と銀との くら置いて
  二つならんで 行きました


  金のくらには 銀のかめ
  銀のくらには 金のかめ
  二つのかめは それぞれに
  ひもで結んで ありました


  先のくらには 王子さま
  あとのくらには お姫さま
  乗った二人は おそろいの 
  白い上着を 着てました


  ひろい砂漠を ひとすじに
  二人はどこへ いくのでしょう
  おぼろにけぶる 月の夜を
  対のらくだで とぼとぼと
  砂丘を越えて 行きました
  だまって越えて 行きました     




こんな詩だったんですね。
子供の頃は歌ったはずなのに、覚えているのは1番のみ。
あとはとぎれとぎれで、4番まであるなんてさっき調べて改めて知りました…

この童謡を作った人はいったいどんな物語を想像したのでしょう。
許されぬ恋ゆえの逃避行とか、とても悲しい物語のワンシーンだったのかも知れません。


越えていった砂丘のその後に、どうしても王子様とお姫様の〝幸い〟を祈らずにはおれません。

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大切な何かを…

2009-01-26 21:48:39 | 
 


ある閉ざされた環境の中で生きなければならなかった頃の、
あるワンシーンをふとしたことで思い出しました。

やはりそのシーンも写真に関係するものでした。
いまその写真は手元から消えどこへ行ったかも定かでありません。
しかし、長らく僕のそばにあったことは確かです。長らく…


文字が刻まれた大きな黒い御影石を写した写真。


かの戦争の記録写真を撮りに靖国神社へ行きました。
そういう〝仕事〟でした。
一人で行くはずが、その時、夏休みで帰省していたC子を誘い、
一緒にその〝仕事〟に同行してもらいました。
もうその頃は、そんな〝仕事〟はどうでもよく、それを口実に、
彼女と一時でも長く一緒にいたかっただけでした。


靖国神社の戦時中のいろんな展示物、そうゼロ戦や大砲の残骸やら、
教育勅語やら、特攻隊の名前が刻まれた日章旗やらを眺めながら
デートをするというのも、何か不思議な感じでしたが、
それはそれでしょうがありませんでした。


〝仕事〟のために、写真をいっぱい撮りました。
その中の1枚が、その大きな御影石の写真です。


夏の暑い日で、セミがジージー鳴いていました。
さっさと〝仕事〟を終わらせて、それから彼女とどこへ行ったんでしょうか。
きっと渋谷か新宿のラブホでも行ったのだろうと思います。
お菓子をいっぱい買いこんで、ほんの一時の貴重な時間を大切にと思い、
二人だけの時間を過ごすのは、そんな場所しかありませんでした。


後日その時撮った写真を現像した時に、はっと目をみはったのが黒い御影石の写真でした。
白黒の写真です。光の角度のせいで、御影石の滑らかな表面が鏡のようになり、
写真を撮っている僕と、僕の横で静かに笑っている彼女の姿が、うっすらと写っていました。
よく見ないとわからない程度ですが、僕からすればよくわかりました。


その1枚を僕は抜き取って、ずっと持っていました。
僕しか分からないその写真。うっすらと透かし絵のように写る僕たち。
天から授かった宝物だと思いました。


あの写真はどうしたのでしょうか。思い出したはいいのだけれど、
その行方がはっきりしません。


貧しく辛かったずっと若い頃のお話でした。
そんな〝ちっちゃな〟ものでさえ、お金に換えられないくらいに、
大切だと思えた頃もありました。
今ではとても信じられません。

得るものがあれば失くすものもある。大切な何かを失くしてしまったような気がします。


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人間らしいってなんだろう

2009-01-25 19:33:40 | 




もう一度人生をやり直せるとしたら、どんな仕事を選ぶでしょう。
民間で今のように朝から晩までへいこら仕事をする道を再度選ぶでしょうか。
金融、IT系のような仕事を選ぶでしょうか。

たぶん、NOかな。

かといって官公庁も好みません。
学校の先生も悪くはないと思っていましたが、
今の教育現場や教育行政を見るとそれもいまいち納得いきません。
でも子供たちに何かを教えるということは嫌いではないので、
塾の先生、予備校の講師などはありだと思います。


自営業がいいです。何がしかの資格をとって、
こじんまりとした事務所か店舗を持ち、
食うに困らないくらい収入があればいい。

人に気兼ねなく自分で休みも取れて、休む時には2週間くらい
がっちり休養をとる。長旅に出たり、家族とのんびり過ごしたり。


自分の時間を充実させることが可能な環境に憧れます。
外的要因で、それが阻害されない環境。人間らしい生活。

〝人間らしい生活〟ってなんだろう。
すでにそれを忘れかけている者に、いまさらそんな問いは意味をなさない。
人間らしい…


家族があり、子供がいて、妻とは仲睦まじく、いっしょにご飯を食べ、
家には自分の書斎があり、夜は書物を読んだりし、安心して眠れ、
悲しいこと楽しいこと苦しいこと嬉しいことが日々いっぱいあり、
それでも家族みんながうんと幸せで、愛し合い、頼りあい、
堅い絆に結ばれ、自分がいつも優しく素直でいられる状態。

当たり前のことですよね。


こんなことが実現できている人はどれだけいるんだろう。

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不思議な不思議な …

2009-01-25 09:05:18 | 



画像とは全く関係ないのですが、
怖い話、不思議な話は好きですか??


子供の頃はそれこそその類には目がなかったのですが、
年をとるにつれ、どんどん興味が失せてゆき、今やどうでもいいテーマのひとつになってしまった。
なんであんなにワクワク、ゾクゾクしたんだろう 


最近、おかしな本に凝っている人がおり、
『5次元体験の超衝撃』(徳間書店)とかいう本を薦められた 

5次元???
3次元はタテヨコ高さ、それに時間が加わって4次元。
5次元とはそれに何が加わるんだろう…

手元にあるその本を読んでもよくわからない。
「フォーカス35が5次元のようです」と書かれているきり。
霊界、幽界、神界、死後世界…そんなのに関係する〝軸〟のようです 


UFOの写真も散りばめられ、宇宙と霊界と人間世界の結びつきを、
図解入りで熱心に説明されていました。
凄い、、、凄過ぎる、、、
このマニアックさ、怪しさはオウム真理教に勝るとも劣らない。

ガキの頃なら眼を皿のようにして貪り読んだでしょう。
現にそんな少年でありました。
オカルト番組は欠かさず見ていたし、週刊漫画誌のそんな企画は
絶対見逃すことはなかった。
UFOやお化けは、僕らの毎日のネタというか話題の中心にいました。


今頃出会うなんて、残念至極です。
この本、タイムトラベルして何十年前の自分に届けてあげたいくらい 


それにしても徳間書店侮れず

5次元文庫全44巻!!
タイトルがどれも飛びまくり。

「宇宙人ユミットからの手紙」
「ナチスとNASAの超科学」
「地球内部を旅した男」
「この世と霊界の最高機密」
「私が出会った宇宙人たち」
「聖徳太子秘文『未来記』開分」
「闇の世界権力レポート」
「性に秘められた超スピリチュアルパワー」

。。。。。。。。
。。。。。。。

まだまだありますが、きりがないので 


順番に全部買ったかも知れない、、ずっと昔の僕なら 


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かわいいバイオ技術

2009-01-24 21:49:26 | 



2種類の異なる細胞を立体的に配置した「細胞カプセル」約10万個によって作成された全長約5ミリの「人形」です。
生きた細胞でこんなのができちゃうなんてすごいなぁ…
というか、こんな〝かわいい〟人形が生きているなんて不思議な感じがする。

でも決してこれはお遊びではなく、
こういう技術が将来、再生医療などに役立つと期待されているのだそう。

バイオ技術による細胞の培養ということ。


無くした体の一部を蘇らせたり、年老いた肌をピチピチにしたり。
もしかしたら将来、亡くなった人を再生させたりなんてこともできるかも知れない。
そうなるともう「神の領域」ですね。
人の命の蘇生というテーマは賛否両論あるでしょう。

けれどもそう堅いことばかり言わず、素直にそんな〝夢〟に期待したいですよね。


夢の少ない(無いとはいいません)時代なので、こんな明るく楽しいニュースは覚えておきたいものです。



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帰巣本能に感服 …

2009-01-24 10:30:50 | 



「キムタクさえも~♪」「かすむよなオトコ~♪」 ♪♪♪

竹内まりやを聞きながら、オレンジ色の朝を迎えています。
お湯をひいてお風呂の準備、コーヒーを沸かし、タバコを1本 
当然の〝むくい〟ですが、それでもなんとか立ち直ろうと必死の自分…
(多少、涙目です)


どうやらコタツで寝てしまったようです。
いつものパターンとは言え、よくぞ風邪をひかなかったもの。
パンツ一丁でそのまま潜ったようだ。


   部屋中に 食べ物が 散らかっている 


さては、タクシーを降りて、コンビニ寄ったんだな。

酔っぱらって帰る際のパターン。
必ずと言っていいほど。やっちまう。

菓子パン3個、みかん1袋、ポテチにハンバーガー、
柿ピーにおかき。まだまだある。板チョコ、キノコの山 カップ麺… 

食いもしないのに、これだ ‥ 


昨日は赤坂の「おばんざい」のお店で豚しゃぶ食べてきました。
仕事がらみとはいえ楽しいお酒でした。
赤坂はあまり馴染みがなく、土地勘がつかめず困る場所。
六本木なら得意なんですが、いつも自分がどこにいるのか分からなくなります。

それでもちゃんと帰ってきたんだ。

自分の帰巣本能に感服します。



さて、コーヒー飲んで、お風呂入ってバシッと行こう。
せっかくの休日だし。


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ないないずくしかよ

2009-01-22 21:50:51 | 



天気が悪いと気分も冴えませんね。
円高は進むし、株価は安いし、不景気だ不景気だと世間は湿っぽいし…

それに今日の冷たい雨 

何もないのに気分は滅入ります。。。


さっさと帰宅し 特命係長 みてます。

このお約束の勧善懲悪がみていてすっきりする。
日本人なんですよね~♪
本質は水戸黄門なのです。日本の〝こころ〟です。


       あ~ すっきりした。



こんな特命係長になりたい。マジ思ったりして… 


うちの会社に特命なんてあんのだろうか???
ないなぁ、どう考えても。すべて見通せちゃうもの。
社員千人を超えるような大きな会社でもないと。


えびちゃんみたいな社員もおらず、何か切ないな。


梅宮たっちゃんのような親分さんもいない。
いったいうちはどんな会社なんだ???

そして今日はネタもないんです … 


お酒でも飲もうかな。

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ほっぴーは健康的なのか??

2009-01-21 21:59:21 | 



黒ほっぴーの威力は凄い(きつい)ですね。
ほっぴー自体はノンアルコールでビール味の炭酸水です。
「健康飲料」っぽい装いなのですが、
それで割る、いわゆる〝中身〟と言われる液体は、
単なる焼酎なんです。
ストレートに氷が入っています。
それをほっぴーでちびちび割っていただくのですが、
これがまたスイスイとすすむのです。

「中身おかわり!」と何回叫んだことか… 

5回?6回?7回?? …

まるで記憶がありません。
話も楽しくどんどん浮かれていきます。

まさに 酩酊 です。


その翌日(すなわち今日)は大変です。
誰と話しても「くっさ~」と言われます。お酒のにおい…
それと、なかなかアルコールが抜けない 

夕方までかかりました。今日はさすがに勘弁です。
けど、金曜日にまた予定が入りました。
赤坂で仕事の付き合いです。
今日、明日と過ぎればまた呑む気満々となるんでしょう。

あぁあ、今年も 懲りません 


悲しいかな女性っ気がまったくありません。
最近の僕の飲みは「男組」。ただただ飲むために飲むだけ…
たまに誰かさんとしっぽりつぅのもあっていいと思うわけで…
されど、現実は厳しい‥。


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いまが買い時だという。何が…

2009-01-20 22:48:33 | 



今日はうって変わって会社モードでした。

帰りに「武蔵小山商店街」にて、近くに住むとある
ベンチャーキャピタルの友人と、赤ちょうちんにて一杯やってきました。


2人してさんざん飲み食いしても計8千円也。


ビールと〝黒〟ほっぴーをさんざん飲んで歩いて帰宅。
外はとても寒かったのですが酔っているとなぜか時間も寒さも感じません。
いつの間にか部屋にいる。ということは、ぱたんと倒れてそのまま冷たくなるのもありか… 


気をつけないといけませんね。


ということで、2人の慎ましい〝新年会〟だったわけですが、
相変わらず今年の景況感は下向き。
けれど、こんな時だからこそバーゲンセールで買わなきゃ損!損!らしいです。
確かに、みんなと逆のことをしないと儲からない。
プロの儲ける秘訣らしいです 

わからないでもないですが、こんな時に買える人もまたまれなのであって、、、
でも、だから投資できる人はゆくゆく儲かるのですね

僕には、ほぼ無縁の話であって、しかも、そんな姿勢には多少〝アンチ〟ぎみの
僕にしてみれば、しょうがない話にしか聞こえませんでした。
こんな話は一昔前の僕なら、「血眼(ちまなこ)」で聞いたかも知れません 


でも今は、「あっ、そぉ…」って感じ。 



それにしてもその友人、こんなご時世でもすごくポジティブシンキング。
その姿勢だけは見習わねばと思いました。


何でも自分に都合よく考える思考=ポジティブシンキング 


人に迷惑かけなければ、自分の幸せだけのポジティブは、
それはそれで肯定できるのかも知れない。

今日はそう思いました 



昨夜は久しぶりにHな夢を見た。あの人も出てきた… 



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まるで〝ふるさと感謝イヤー〟!?

2009-01-19 22:19:46 | 




今年は年初から大忙しなんですよ、実は…

2月に母親の弟さんの娘さんがめでたく結婚することになり、
田舎から大挙して一族郎党が東京にやってきます。



式場はなんと、目黒雅叙園 



前日はそこに泊まり当日の夜には父母+αが僕の家に1泊する予定。
翌日は東京見物になるんでしょうね、たぶん 


そして昨日の3月の大イベント 


本当に大イベントずくめなんです。



僕の今年は、 ふるさと感謝イヤー という感じです。 

(といっても、その後はまだ何も予定は入っていないのですが)


めでたいこと、よろこぶこと、幸せに感ずることなら、
もう何でも来い!ということです。


今後はそんなことばかりではないでしょうから、
こんな時こそ、皆に嬉しく思ってもらいましょう。

僕はそのためにコツコツ、シコシコ頑張って仕事します 




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びっくりした・・・ 本当になった !?

2009-01-18 20:42:39 | 



お正月に実家で親戚の人たちとお酒を酌み交わした際に、
両親も含めて沖縄旅行をプレセントするという話をしたら、
本当にそうなりそうだ …

   
     瓢箪から駒 ?? かな      


親と妹と弟、親戚の家族も含めるとなんと

     総勢15名 だそうな …

そこそこの御一行様の規模です。

酔って調子の良いことを言っちまい、自業自得ということか …

ま、いっか この際、四の五の言わず太っ腹で行こう! 


随分と田舎の皆さんには迷惑もかけ、不義理をしてきた。
こんなことで埋め合わせることはできないだろうが、
今できることはそんなことしかありません。


田植えだなんだと忙しくなる手前の3月あたりになるでしょう。
僕は行けそうにないので、ツアーリーダーは親戚のAさんにお願いしよう。
2泊3日の短期間ですが、楽しんできてもらいましょう。


しかし、僕のお財布はすっからかん覚悟… 


 がんばって稼ごう。なんとかなるさ 


 なんとか。。。(涙目) 


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さて、手紙を書こう。

2009-01-18 08:42:56 | 
従業員はみな家族、定年退職はありません。
反物を染め上げる。お店の手ぬぐい、浅草の三社祭のはっぴ、
元横綱・大鵬の浴衣も手がけた。
明治以来百年の老舗の染物屋さん。

儲からないでしょう。
昔からの日本の文化や伝統を生かす。まねのできない技術がそこにある。
効率性や利益率などというものとは違う。
けれど、製品の素晴らしさ、そこで働く者らの生き甲斐、矜持、喜び、
仲間意識、家族的な経営、総じて、「人間」というものの尊重がある。


あったかい。


成長や利益ばかりを強要され、身も心も疲弊して、人間が人間であることを
止めねばならない環境に、いつの間にやら放り出される。
そんな今の産業社会。


冷え冷えとして凍りつく。



社会が成熟している今に至るも、更なる成長、更なる売上、前年比●%増!…
ばかりを追い求める風潮を捨てていかなければ、
自然環境も、人間自体もひたすら破壊、絶望に向かってしまうような、
そんな気がしている。


低成長をよしとし、競争ではなく差異を大事にし、身の程を知って生きる。

おおよそ現実的な話ではないですね。
日本が「鎖国」でもしない限り無理、無理…


せめて自分だけはと、個人主義に走るしかありません。
そんな利己主義なら誰に迷惑をかける訳でもないのでいいでしょう。


手紙を書く。愛用の万年筆で、一字一字を丁寧に綴り、
思いのたけや、伝えたいことを筆致で、ペン先の強弱で、
インクの濃さで、そしてよくよく選んだ文字で表していく。

親へ、友人へ、恋人へ、2日も3日もかけて手紙を書く。
何回も書き損じて書き直すかも知れません。
そんな手紙を貰ったことって最近ありますか?
心をこめて綴ったことはありますか?

便利さや効率性とは裏腹の、そんな習慣がすっかり無くなってしまいました。

淋しいですね。

こういうことを復活させようか。

今年はこんな非効率なことをあえてどんどんしてみたく思います。
僕の中で失われつつある「人間」というものを、
ひとつひとつ奪還していかなければいけないと、
思うのでした。


手紙くださいな。さて、手紙を誰に書こうか…


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そうか、もう君はいないのか

2009-01-17 21:13:53 | 
こんなことを今更ながら思うに至ったのも、きっかけは、
〝そうか、もう君はいないのか〟のためだろう。
週初にみたドラマです。
田村正和の枯れた名演が様になっていました。


城山三郎の最終章、遺作ともなった作品です。

友人とそんな話をすると、彼は、
「そう言えば、買ったっきり読んでいなかったが、読んでみる」
と言っていました。


「経済小説」にはあまり興味がなかったこともあり、
城山三郎の人となりは知っていましたが、
彼の読者ではありませんでした。
なので僕もその作品は読んでいません。


けれど、そのタイトルだけでもう内容の想像はつき、泣けてきます。


      〝そうか、もう君はいないのか〟


なんと悲しく切なく、豊富で幸せで、潔い言葉でしょう。

そうふりかえれる人は、人の一生で何人もいない。

城山三郎の場合は当然、妻の容子さん一人でした。



そうか、もう君はいないのか… 僕は誰を思うのでしょう。


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昨日買った二冊

2009-01-17 09:19:19 | 
死神の精度 (文春文庫)
伊坂 幸太郎
文藝春秋

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眠れぬ真珠 (新潮文庫)
石田 衣良
新潮社

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会社の帰りに昨日買った二冊。

一冊はある人のお勧めで、もう一冊は何となく手にとった。

そしたら昨日、〝L〟の放映。

『死神』という奇妙なキーワードの一致。


決して悲観的ではありません。
老いるということ、死ということ。
万人にとって共通のテーマを、面と向かって考えている。


今年は逃げずに真剣に考えよ、という天の啓示かも…


『眠れぬ真珠』はヘビィそうなので覚悟して読みます。

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