ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

空の話

2008-01-28 23:16:43 | 
風邪が蔓延している。僕の会社でも何人か休み始めた。今年の冬は、いつもにもまして寒さが厳しく感じる。
僕はもともと北国育ちだから、寒さには慣れっこなのだが、それにしても寒い。

明日は再び雪が降るとか・・・。降るなら思いっきりドカンと降って欲しい。
雪だるまやカマクラさえできてしまうくらいにドカンと。

東京は、窓から外を見ると、冬の空は青々として晴天で、僕らを油断させる。
うっかり温かそうなみせかけを信用すると酷いことになる。
刺すような冷気と容赦のない北風の洗礼が僕らを待ち受けている。

寒いのなら寒そうな顔をしろよ。温かい見せ掛けで僕らを騙すな。
突風と共に雪を舞い散らせ、僕らに予め警戒をさせろ。
そうすれば雑菌に汚染される前に、いくばくかの心の備えができるというものだ。

東京とはそういう街だ。


智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。

高村光太郎「千恵子抄」より



なにか今日はヤケクソ気味・・・
僕の「ほんとうの空」はいずこ。

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