ここ数日、自宅からだいぶ遠いとある駅で途中下車し自宅まで歩いて帰っています。
会社ではあまり体を動かすこともなく運動不足を解消することに加え、
夜とぼとぼ歩くことがとてもよい「癒し」になることに気付いたからです。
そう、だいたい30分くらいでしょうか。
東京電鉄の路線は東京から横浜方面へ南北に平行に走っています。
東西に伸びているのはせいぜい大井町線くらいです。
ですので僕の通勤経路は最寄りの駅から一度横浜方向に遠ざかってから東京へ
Uターンするという不合理で面倒くさいものとなっています。
そのとある駅で降りることは距離的には実に合理的なんです。
(お酒を飲んだ帰りにはそこからよくタクシーで帰ることも多いのです)
そのとある駅は、東京でも有数のショッピングモールを抱え活気のある街を抱えています。
駅前にも食事処がたくさんありついでに夕食もこの駅前で取ります。
ちなみに今日はラーメン専門店で醤油ラーメンを食べました。
牛丼や軽食のチェーン店もほぼ出揃っており簡易に食事するにはとても便利なところです。
東から西へ、約30分くらいの距離を夜歩きます。
だいたい8時から9時くらいの住宅街、商店街をなんとなくぷらぷら歩きます。
東急電鉄の平行線に抗うように垂直に続く商店街は中心部に行くに従って寂れていきます。
垂直線の中心部に行くほど交通の便が悪くなるので仕方がありませんね。
まさに中心付近にある古びた商店街。
「スペシャル薬局」という看板を掲げた板葺きの薬屋さんがあります。
〝コルゲンコーワ〟の懐かしいカエルの人形が飾ってあり、そういつもお婆さんが店番している。
この辺の地理は十数年マラソンしている関係上詳しいですから昼間の風景は周知しています。
外の棚に草履や婦人靴を隙間なく並べて店を開いている靴屋さんが遅くまでやってます。
いったいこうしておいて1日何足の靴が売れているのでしょう。そんなことを考えます。
歯抜けのようにとっくの昔に閉じてしまったお店の跡がぽつりぽつりとあります。
たぶん畳屋さんだったのでしょう。たぶんお茶屋さんだったのでしょう。
たぶん、… 。
そんな中でいくつかのお店が未だに頑張って商売をしているんです。
採算など度外視なのかもしれません。
多分若い人はいない。
ここで生まれ育ったお爺ちゃん、お婆ちゃんがこの地を離れられないだけなのかもしれません。
地域の小さなスーパーもあります。
僕はふらりとそこに入り食べたいわけでもないのに今日は苺と牛乳とスナックを買い物かごに入れました。
空をみると今日もお月様がきれいです。少し雲も流れていますがおおむね好天。
買い物袋をぶら下げながらその下をゆっくりと歩きます。
夜こうして歩くととても気持ちが癒されます。
夜の住宅街は静かです。
古い街並みの中を歩くとまるで異世界にいるようです。
女の人は「夜歩く」など危なくてとてもできませんよね。
これは男性の特権なのかもしれません。
仕事や人間関係、その他煩わしいこと全てから解放される瞬間。
そうその爽快さでしょうか。