ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

千のナイフ 千の目

2012-02-25 17:09:49 | 
蜷川幸雄さんといえばいわずと知れた演出家、映画監督そして俳優までこなすマルチな文化人です。

この人の随筆に「千のナイフ 千の目」というのがあります。
その著書の中で次のような印象的な言葉がありました。

 千人の観客がいれば千の動機があり千の人生がある

 だから自分は千のナイフを用意する

 千の心の各様につきささる舞台をつくるために

どこの会社も顧客のない会社はない。
僕らの会社も千人どころか万を超える顧客を相手にしている。

多種多様な商品サービスを提供している。
その商品やサービスを購入する顧客の動機や目的は千差万別。
同じように僕らはそのリテールにまでこだわった千のナイフ、万のナイフを用意しているであろうか…

ひとつの商品だってさまざまな特徴やパーツで成り立っています。
同じ使い方をするにしても人それぞれ感じ方や使い勝手に差があると思う。
だから僕らは多様なお客さんの顔を思い浮かべながら商品の細部にこだわらなければいけません。

各様につきささる千のナイフを用意する。
それが仕事に真剣に取り組むということなのでしょう。

そういう仕事をしていない。
反省を促してくれる熱い言葉が蜷川幸雄さんの著書にいっぱいちりばめられていました。