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徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

散歩道で拾った話…第百四十「ベトナムからの研修生…鯉漁に挑戦!」

2008-04-06 20:47:00 | 生き物
 いつもなら散歩に出かけない日曜日ですが、今日は絶好の散歩日和、これを逃す手はありませんね。
そろそろ…桜も見納めですから…。
早く咲き始めた桜の中には小さな葉が出てきているものもあります。
軽く風が吹くと…辺りは花吹雪…夢心地の散歩道です…。

 桜の季節になると、人々の心も穏やかになるのか、笑顔で話しかけてくださる方が何人も居られます。
いつも何を撮ってらっしゃるんですか…と自転車に乗った御婦人から…。
あらら…doveが何度も撮影に来ていることを…御存知なんですねぇ…。
見上げたり這いつくばったり…さぞかし…妙な人に見えたことでしょうなぁ…。

     

 さて、以前も書きましたが、散歩道の川には野生化した鯉がたくさんいます。
浅瀬に集まる鯉の群れでさえも…かなりの大物揃い…。
魚影どころか姿もバッチリ見えています…。
ということは…鯉の方からもはっきりと人間が見えているわけでしょうが…釣り人が中洲に下りてきたくらいでは逃げも隠れもしません…。

     

 この川の鯉を釣って食べた…なんて話は聞いたことがありませんが…釣りを楽しむ人はいます…。
鯉を釣る人もいますが…聞いた話では…多くは大物ナマズ狙いのようです…。
それでも、目の前にこれほどデカイ鯉が集まっていれば、ちょっと釣ってみたくはなりますねぇ。


 陽気に誘われて…いつもより橋ひとつ下流側へ…。
遠くから川を見ると…男の子らしき姿がふたり…川の中に見えます…。
裸でパンツ一枚の子と短パンの子…。
川遊びでもしているのだろうと…近付いてみますと…なんと…若いお兄さんたち…。

 聴こえてくる言語はアジア系の外国語…。
楽しげに何をしているのかと思ったら、網状になった長い布を使って、鯉を獲っていました。
ひと際大きな歓声が上がると、見事に鯉が網の中に納まり、中洲の上から生の竹ざおで釣り糸をたらしていたひとり(この青年は服を着ていましたが…)が、それを受け取って護岸を登って来ました。

      

 doveに見せてくれたその鯉は約50cmほど…画像で見ると小さく見えますが、一緒に見ていた御婦人とふたりして手の大きさで測ってみたので間違いありません…。
先に獲れていた鯉が30cmくらい…これで2匹目です…。

 彼等はベトナムからの研修生…日曜日が一番楽しい…と笑顔で話してくれました…。
せっかく見せてくれた素敵な笑顔ですが、肖像権の問題があるので、ぼかしてUPしています。
他のふたりはまた川の中で漁を始め…3匹目を物色中…。

      

 失敗しても彼等の声は底抜けに明るい…。
楽しげにまた次の鯉を追います…。
それほど時を置かずして、とうとう3匹目をゲット…!
遠目に見てもはっきりと分かる大物です。
三人の歓声はさらに大きくなり、笑顔もはじけんばかり…。

 護岸の下まで運んだものの…大き過ぎてそのままでは持って上がれず…投げ上げようと2度試みて失敗…。
その辺に咲いていた草の蔓を切って鯉のエラに通し、やっと上から引っ張りあげました。

 70cmはあるでしょうか…よく太った黄金色の鯉です…。
研修生はそれで満足したらしく、服を着て散歩道へ上がってきました。
大物鯉をかついだ青年がdoveに向かって…15キロ…と嬉しそうに言いました…。
この鯉は15kg位あるよ…という意味でしょう…。

ベトナムからの研修生と聞いてすぐに、ゲンさんから伺っていたベトナムの研修生のことを思い浮かべました…。

ゲンさん…彼等はゲンさんの知っているK生ではないかも知れないけれど…この町にも逞しく頑張っている研修生がいましたよ…。

      

 帰り際…研修頑張ってね…と言うと…彼等はまた微笑んで…はい…と返事をしてくれました…。
大きな獲物を担いで…意気揚々と桜の道を帰っていくベトナムの研修生たち…。
彼等が帰国した後、この川で大きな鯉を獲ったことが、異国での良き思い出のひとつになってくれるといいなぁ…。
陽気で楽しげな背中を見ながら…そう願わずにはおられませんでした…。


桜吹雪の散歩道…。
花びらを踏みながら歩く道…。
小鳥たちの声がしじまに響き渡ります…。

独り占めだね…。

散歩道からの帰り道…桜の大木を撮っていると…背後からまた…声をかけてくださる方が居られました…。
穏やかな笑顔の年配の男性です…。

はい…ほんとうに…。

振り返ってそう答えたdoveの目に…今し方通ってきた散歩道の桜並木…。
そして…向かう道には…桜の大木…。
これらの素晴らしい眺望を…この瞬間…すべてdoveが独り占めしているのです…。

ほのぼのと温かい想いが…胸に溢れてきました…。