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みいちゃんとみいちゃんのパパの日記

「藤井七段、今年度最終戦に勝利で2年連続最高勝率」

2019年03月28日 | エンタメ

 昨日は、久々に藤井七段の対局があったので、1日中観戦して(終局は午後10時過ぎ)楽しみました。

 今日のニュースでは「藤井聡太七段は昨日27日、竜王戦4組ランキング戦準々決勝で中田宏樹八段に勝利し、今年度最後の対局を白星で飾った」。「藤井七段の今年度成績は45勝8敗で勝率は8割4分9厘となり、昨年度に続いて2年連続勝率1位が確定した。歴代でも中原誠十六世名人(71)=8割5分5厘、中村太地七段(30)=8割5分1厘=に次ぐ3位となった。」という内容でしたが、それよりも、対局の内容が凄かった。

1.振りごま運が悪い藤井七段は相変わらず後手番を引きましたが、それより、とにかく相手の中田宏樹八段がすごく強かった。
 いつも、藤井七段の指し手がAI将棋ソフトと一致していることが話題になりますが、昨日の中田宏樹八段は、最終盤の1手を除いて、最善手の連続だったようです(昨年開催された第28回世界コンピュータ将棋選手権で3位となった Apery で中継中、現況を逐次検討していましたが、中田宏樹八段は、間違えない、間違えない!!。どんどんポイントを稼いでいきます)。これでは、いかに藤井七段でも、だんだんと追い詰められていきました。

2.終盤絶体絶命(ソフトの評価値で-3,000を超えていた~プロ棋士でも挽回不可能と言われる数値~と思われます)に立たされた藤井七段は、なんとか、形勢をそれ以上悪くさせないよう、防御を継続しながら、相手を惑わせる手を連発します。持ち時間に余裕があった中田宏樹八段もこれにはたまらず、時間を使い切って1分将棋に突入します。こういう勝負術を短い棋士経験でどうやって身に着けたのか、こういうところが驚異です。

3.最後に藤井七段は、毒饅頭の1手を放ちます。それが、「6二」への銀引きです。

 歩で銀を取られるのを逃げたとしか見えない手だし、タダで銀が取れ、かつ、玉に迫っていけるのですから、普通は7二の龍で銀を取ります。AI将棋ソフトも、検討時間10秒までは、これを推奨していました。また、評価値も3,442と先手の勝勢を示しています。

 時間のない中田宏樹八段も、悩んだ末に結局銀を龍で取ってしまいます。

 

 ところが、これが藤井七段の仕掛けた罠だったのです。

 7筋を守っていた龍が6筋に寄ることで、先手玉への17手詰めが炸裂します。藤井七段なら瞬時に読めた詰み筋だったのでしょう(かつ、持ち駒をすべて使い切るという、まるで詰将棋問題のような芸術的な詰めだったようです)。

 AI将棋ソフトは不利な形勢になっても、常に最善手しか指しません。状況を難しくして、相手に時間を使わせたり、間違わせたりすることもしませんし、まして、相手の人間やソフトを罠にかけるということは、現在のAI将棋ソフトでは、まだ、できないことだと思います(できるかもしれませんが、相手のソフトも時間(数秒ですが)をかければ最善手を模索しますから、結局、罠にはかからないことになるでしょうから、そういうプログラムは組まないでしょう)。

 一瞬でも、将棋ソフトをも罠にかけた藤井七段の勝負術には、驚嘆すべきものがあり、すごいものを見たというのが昨日の対局でした。



 


 

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