オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「幸せになるためのイタリア語講座」

2006-06-13 22:00:00 | 映画・DVD【さ】


【ストーリー】

デンマーク。コペンハーゲン近郊のとある街。新任牧師アンドレアス、ホテルのフロント係ヨ―ゲン、美容師のカーレン、パン屋に勤めるオリンピア、スタジアム・レストランに勤めるハル、ウェイトレスのジュリア。彼らは仕事、恋愛、家族などさまざまなトラブルや悩みを抱え、うつむき加減な日々を送っていた。そんな彼らが週に一度のイタリア語の初級講座へ通うことに。いくつもの出来事や偶然の中で、講座に集まる人との触れ合いを通じて、彼らの中で何かが少しずつ変わってゆく…。



とりたてて盛り上がる場面がある訳ではないのに、のめりこむようにして見てしまった。
それはきっと、誰にでもおこりうる現実を描いていて、悲しいはずなのにちょっと笑えるような人生に共感するからではないかしらん?
等身大の登場人物が泣いたり悩んだりもがいたりする姿を、自分と重ねあわせてしまうからではないかしらん?

私個人としてはアンドレアスが一番印象的な存在だった。
温厚な彼が老牧神に「あなたはエゴイストだ」と言い放つシーンは、ちょっと驚いたとともに哀れを感じた。
老牧師は妻を亡くし、神を信じなくなったけれど、アンドレアスだって同じように妻を亡くしていたのだ。
「牧師」という職業ゆえ、何かあるとみんなアンドレアスに相談していたけれど、アンドレアスだって妻を失った悲しみから逃れられず、苦しんでいたのだ。

そのアンドレアスがオリンピアに見せた優しさは、涙ものである。
店のパンのトレイをひっくり返し、おまけに卵までひっくり返したオリンピアがアンドレアスのところへやってくる。そして「私は解決する力がないの。役立たずなの」と泣くのだ。
そんなオリンピアにアンドレアスは「君はずば抜けていないだけだよ。さて僕に何ができるかな?まず涙を拭くティッシュを。次はコーヒーかな。パンはやめておこうか。また落とすといけないからね」と優しく微笑みながら言うのだ。
ううう~~~ん!アンドレアス!最高!
「私が後妻になります!!!」と立候補したくなるほど、素敵だった。




さて、すったもんだと色々あった末に、イタリア語講座の仲間たちはベネチアまで旅行に出かけることになる。

旅というのは不思議な力がある。
それぞれが「この旅で、素直になろう。勇気を出して伝えよう」としていた。
それぞれが、一歩前に進もうとしていたのだ。

だがこの旅先でみんながみんなハッピーエンドになるわけではない。
幸せを掴みかけたような、幸せを予感させるような感じで幕を閉じるラストがいいのだ。



しかし…パン屋に勤めるオリンピア…。
あれは不器用を通り越している気がしたけどなあ…。
「不器用だから」ですませていて、努力をしているようには見えなかったけど。
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「ヴェラ・ドレイク」

2006-06-10 21:27:49 | 映画・DVD【あ】
映画を観ていて、この人の顔を見つけると妙に嬉しくなります。
イメルダ・スタウントン。
なんとも憎めない、人のよさそうな顔が好きです。
最近観た映画では「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」に出ていました。
彼女は1956年生まれだそうですが、そのわりには老けて見える気がしないでもないですね。



そのイメルダ・スタウントンがこの映画の主役です。


【ストーリー】

1950年、イギリス。ヴェラ・ドレイク(イメルダ・スタウントン)は労働者階級の人々が暮す界隈で、愛する家族とともに暮していた。いつも笑顔を絶やさず、老いた母親の面倒を見たり、困っている人達の世話を自ら進んでする優しい女性だ。だが彼女には誰にも言えない秘密があった。望まない妊娠をした女性たちを助けるために、堕胎の処置を施していたのだ。


ヴェラが夕食に誘った一人暮らしの青年レジーが、娘のエセルと婚約をすることになります。
幸せの真っ只中にいるドレイク家。
しかし弟夫婦も駆けつけた、祝賀の席に警察が訪れたことから事態は一転します。
堕胎した女性の容態が急変し病院に運ばれたことから、ヴェラの違法行為が明るみにでたのでした。
それまで幸せそうに笑っていたヴェラの表情が一変し、凍りつきます。

「堕胎は許されない行為なのか?」
それは、人によって意見もさまざまでしょうが、この時代のイギリスでは、中絶は法律上禁止されていました。
その後、母体の命に関わる場合のみ合法となったようですが、医師による手術はあまりにも高額で、貧しい人達には到底払うことが出来なかったのです。そんな人々を助けるために、ヴェラは善意から、しかも無償で堕胎を施していたのでした。



連行された妻に戸惑いを覚えながらも、支えようとする夫のスタン(フィル・デイヴィス)の姿に胸を打たれました。
母を犯罪者よばわりす息子をなだめさとし、家族がばらばらにならないように、家族の絆をしっかり結び直そうとするのです。
彼は妻の優しさがこのような結果をまねいたことを重々承知していたのですね。

ヴェラは結局、2年6ヶ月の禁固刑という厳しい判決を下されますが、家族は彼女の帰りをじっと待ちます。
物語の初めに、家族でテーブルを囲む場面があるのですが、にぎやかで微笑ましいシーンでした。なのに彼女のいない食卓は寒々としていて会話もありません。
ヴェラがこの一家にとって太陽のような存在だったことがよくわかります。
ヴェラが帰ってきた時、また以前のような素敵な家庭に戻れるように願ってやみませんでした。

監督は「秘密と嘘」のマイク・リー。
「秘密と嘘」の時も「家族」がテーマでしたが、私はどちらかというと「秘密と嘘」の方が好きですね。とっても自然な映画だったので。
「ヴェラ・ドレイク」では、連行されてからのイメルダ・スタウントンの演技がちょっとしつこかったような気がするのです。
逮捕されたら、不安や罪悪感やパニックなどから泣きたくもなるのでしょうが、眉間に皺をよせた悲痛な表情がわざとらしく感じたりして。
やっぱりイメルダ・スタウントンには笑顔が似合うような気がしますね。
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「ナイロビの蜂」

2006-06-09 02:29:58 | 映画・DVD【な】


まず…初めに真っ暗なスクリーンからレイフの声が聞こえた時、すごく「どきっ」としました。
Jスンの時とはまた違ったときめきでした(笑)。
レイフ・ファインズは本当に不思議な、匂いたつような色気のある俳優だと思うのですよね。
それは彼の作品を観る度に感じることなのですが。
そして彼をどんどん好きになってしまうのです。


そのレイフ・ファインズ演ずるジャスティンは、ナイロビ赴任のイギリス人外交官。
妻テッサ(レイチェル・ワイズ)がトゥルカナ湖の南端で遺体で発見され、悲しみに打ちひしがれます。
警察は「強盗殺人事件」として事件を片付けようとしますが、ジャスティンは腑に落ちないものを感じ取り「テッサは何をしていたのか、どうして殺されたのか」を自ら調べていきます。
そしてテッサの残したものや、彼女に関わった人たちから話を聞くうちに、大手製薬会社がこの事件に関わっていることを知るのです。
またジャスティンの身の保全のために、テッサが多くを語らなかったことを知り、ジャスティンは彼女の深い愛を感じるのでした。

テッサの身体を心配しながらも、彼女が何をしているのか知ろうともせず、遠くから他人事のように見つめていただけのジャスティンが、事件の真相に近づくにつれ、まるでテッサのような行動力を見せ、変化をとげていく姿が印象的でした。
脅され、暴行を受けながらも、ジャスティンは何かにとりつかれたように、それが自分の使命であるかのように、一人で大きな陰謀の前に立ち向かっていくのです。

テッサの深い愛情を感じたジャスティンにとって、もう怖いものはなくなっていたのでしょう。
でも最後のシーンは……悲しかったです。
ある決意を胸に抱いた、汗まみれになって汚れていてもなお美しいジャスティンの姿に、涙をおさえることができませんでした。
こんなに深い愛があるんだ…と感動しました。
しかし、ああするより他に道はなかったのでしょうか?
逆の立場だったら、テッサは強く生きていったと思うのですが…。



アフリカの貧困問題や、どこででも起こりうる(というより実際に起きてますけどね)官僚と大手会社との癒着など、考えさせられる映画でしたが、私は「深いラブストーリー」として受け止め、素直に感動しました。
フラッシュ・バックのシーンを、細かく切ってちりばめたストーリーテリングが、生き生きとしたテッサと穏やかなジャスティンの関係をうまく描いていて、微笑ましく、またそれが悲しかったです。
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「トランスポーター2」

2006-06-07 02:28:34 | 映画・DVD【た】


観てきました「トランスポーター2」!
色々なところで「トランスポーター2のJスンかっこよかったです」という感想を見る度に「うぬぬ…負けてなるものか(?)急いで観てこなくっちゃ」と思っていたのでした。←思いっきり出遅れて負けているし…(-ω-;)。


【ストーリー】

「契約厳守。名前は聞かない。依頼品は開けない」。危険から身を守るために自ら作った3つのルールを厳守し、ワケありの依頼品であろうがなんであろうがクライアントの注文どおりに目的地まで届けるプロの運び屋、フランク。引退を決意し、コートダジュールからマイアミにやって来たフランクは、裕福なビリングス家の6歳になる一人息子、ジャックの送迎係として雇われる。しかし、ある日、ジャックの定期健診のために訪れた病院で、2人は何者かに襲われてしまう。


この映画、大したストーリーはございません。
誘拐された少年を助けるべく、フランクが敵をぶん殴り、車を爆走させ奔走する…というお話なのですわ。

でもですね、このJスンの体技アクションがため息がでる程かっこいいのです!!
力強く切れがありながらも、しなやかな妙技とでも申しましょうか。
飛ばされたり、殴られたりする姿もサマになっております。
そしてカーチェイス・シーンの爆走っぷりは迫力満点で、瞬きをするのさえ忘れて見入ってしまったほど!!
ベッソンの「TAXI」シリーズよりワイルドでスタイリッシュな走りは、前作よりスケールアップしていると思います。
アクションだらけのこの映画を、Jスンは殆んどスタントなしでやったというのですから、オドロキです。

寡黙でクールなフランクが、少年ジャックとなぞなぞをする…という微笑ましい場面があり、フランクの優しい一面を垣間見ることができます。
それから彼が仕事着(?)に、並々ならぬこだわりを持っていることが判明。
この映画がシリーズ化していったら、フランクがどんな人間なのかが少しずつ解明されていって面白いかも知れませんね。
今作では、前作で友達(?)になったフランスのタルコーニ警部が、適度な脱力感と笑いを与えてくれて、いい味を出しています。

これは「Jスンを堪能する」プロモーション映画と言っても過言ではないでしょう。
「フランク、あそこから一体どうやって逃げたのか?」とか「犯人、あんなまどろっこしいことをしないでも、もっと楽に子供に接触できたんでないかい?」とか考えてはイケナイ映画なのです。

あまり深いことは考えず、視覚的に楽しんで、単純にJスンのかっこよさに酔いしれていただきたい。そんな映画であります。
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「メラニーは行く!」

2006-06-06 02:03:39 | 映画・DVD【ま】


リース・ウィザースプーンの顔がイマイチ好きになれない。
どうもあのアゴが好きになれない(のだと思う)。

だが「ウォーク・ザ・ライン」で免疫ができたし、ジョシュ・ルーカスが出ているのでレンタルしてみました。


【ストーリー】

ニューヨークの若手ファッション・デザイナーとして成功をおさめたメラニー(リース・ウィザースプーン)は、市長を母にもつ富豪のアンドリュー(パトリック・デンプシー)からプロポーズされ、まさに幸せの絶頂にいた。しかし彼女にはひとつだけ問題があった。彼女の故郷にジェイク(ジョシュ・ルーカス)という夫がおり、まだ離婚が成立していないのである。アンドリューとの結婚のために、メラニーは離婚届を手に故郷に向かうが…。


なんでしょーか。この映画は。
「メラニーは行く!」だぁ?勝手に何処へでも行けよ!!って感じ。
大好きな「竜馬が行く」にタイトルが似ているところも許せん!!
ジョシュ・ルーカスが出ていなければ絶対観なかったよ、こんな映画。

結末が読めてしまうのはともかくとして、こんなに自分勝手なヤツが主人公だなんて許しがたい!!
それに街中の人に愛されているというのも納得がいかない設定。

①子供を流産したら、別の人生がおくりたくなったと言って、夫を置いて出て行ってしまう。
②夫と離婚したいがために、彼の貯金を全部使ってしまう(後で返済はしたが)。
③話の矛先が自分に向けられるのを避けるため、大勢の人の前で「●●はゲイだ」と友人の秘密を暴露してしまう。
④「自分は成功者だ」と言って、故郷の友人を蔑む発言をする。
⑤実は夫が、ガラス工芸の会社を作り、成功していたことを知ったとたん、夫に対する態度をがらりと変える
⑥自分から「自分の故郷で結婚式を挙げたい」と言ったくせに、最後は新郎を捨て、怒る新郎の母をぶん殴り「正義は勝つ」みたいな顔をする。
⑦自分の幸せしか考えていない。周りの迷惑や気持ちは考えない。

ホントにこんなヤツが自分の街にいたら、みなさん愛せますか?
こんなのがいたら、あたしゃ駅の階段から突き飛ばしてやりますけどね。

それにジェイクは私からすればヒジョーに魅力的だけれど、彼を捨てて出て行ったメラニーが、最終的に富豪のアンドリューを捨ててジェイクを選ぶなんて納得がいきません!!

ああ、役のせいとは言え、またリース・ウィザースプーンが嫌いになりそうだぁぁぁ~~。



魅力的でしょ?
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ヴァンサン・ルクール祭り

2006-06-04 06:24:21 | 映画つれづれ、祭りとか
「サルサ!」でヴァンサン・ルクールにときめいたワタクシ、早速彼が出演している作品を借りてきました。



【赤ずきんの森】

森の奥深くにそびえる古城に招かれた学生劇団員が、一人、また一人と連続殺人鬼に殺されてゆく…というお話。
あまりにもくだらない映画だったので、あらすじさえ説明する気になりませんや(怒)。謎が何ひとつ解明されないまま終わってしまうし。
こんなに欲求不満&怖くないホラー(と呼べるかなあ)は初めてです!
ああ…「ラストサマー」や「スクリーム」が偉大な映画に思えてきましたよ…。
この映画、【ヨーロッパ各国でスマッシュヒットを記録した、フランス製ティーンエイジ・ホラー。新世代スタッフ&キャストが新しいホラーの形を提示!】なんてキャッチもあったりして…。なんだか嘘っぽい…。

ヴァンサン・ルクールの扱いは意外でしたね。
まさかあんな結果になるとは思いませんでした。
まあ、あの端正な顔がアップになったり、美しい身体が堪能できる無駄脱ぎがあったりして、おいしい場面も多々ありますが。



彼が来日した時に「出演のポイントはストーリーですね。何かを語ろうとしているか、どうかが、大切です。「赤ずきんの森」にストーリーがあったのかと聞かれるかもしれませんが、あの映画もシナリオの段階では物語があったんです。できあがったものとは全然違いましたね」と語ったところを見ると、やっぱり失敗だと思ったんだろうな~。はっきり言ってダサダサの駄作です。←そういいながら、ヴァンサン・ルクールが素敵なのでDVDを買ってしまおうかと思っていたりして…。
ファンとは悲しいものよの…(涙)。


だってこんなに美しいんですもの



【父よ】

実際に11年間の服役経験があるジョゼ・ジョヴァンニが原作・脚本・監督を担当した自伝的作品。
主人公のマニュは、暗黒街に身を投じるが、とある事件の罪で死刑宣告を言い渡される。マニュと言い争いばかりしていた父親のジョーは、息子の命を救うために奔走する。



ううう~!「父よ」なんて…もうタイトルだけで泣けます。
と言いながら、実はこの映画を見ている間は泣きませんでした。
何故でしょう?

それはこの映画があまりにも淡々と描かれているからかもしれません。
特別な盛り上がりもなく、詳しい説明もなく、ただその時々にマニュ自身が父をどう思っていたのかをナレーションで簡単に付け加えているだけ。


父親はマニュが収監されている刑務所の前にある店に3年間も通い続け、店に通う刑務所の看守たちや出所したものから、獄中での息子の様子を聞き出します。また恩赦による減刑を期待して、家族を殺された被害者に恩赦の嘆願書を書いて貰いに行ったりします。
「息子に嫌われている」と思いながらも、父親は思いつく限りの手段で息子の減刑のために奔走するのです。

結果、父親の努力と深い愛情のおかげでマニュは死刑を免れます。しかしマニュはそれが父親によるものだと知らず、出所してから事実を知るのでした。

父の息子への愛がなかなか届かない…でも父親は「それでいいんだ」と思うのです。息子は助かったのだから…。
マニュも感謝の気持ちを父親に伝えることが出来ぬまま、物語は終わります。


この映画は監督から彼の父親に対して、生前伝えることが出来なかった万感の想いをこめて捧げたものなんでしょう。
単調で、のめりこむような映画ではないけれど、本当はお互い深い愛情を持っているのになかなか壁を乗り越えられない、不器用な父親と息子の姿に心をうたれました。
でも本当に不思議なくらい涙が出なかったな~と思っていたら、最後に「これでいいんだ」と自分に言い聞かせるように去っていく父親の姿を見て「どばっ」と涙が出ました。
なんだ、何かが胸につかえていたのか、それとも泣くのを我慢していたのか(笑)。
そう、終わってから雪崩のように「どどどー」って押し寄せてきたのでした。



ヴァンサン・ルクールは…黒い髪と髭は似合わないね(笑)。
この後ろ姿を見て彼だとは思わないよな…普通。
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「インサイド・マン」の試写会に行ってきました

2006-06-01 02:07:21 | 映画・DVD【あ】
「インサイド・マン」の試写会が当たったので行ってきました。


【ストーリー】
マンハッタン信託銀行で人質をとり立てこもる事件が発生。犯人グループのリーダーは頭脳明晰なダルトン(クライヴ・オーウェン)。銀行に立てこもった彼らは50人の人質全員に自分たちと同じ格好をさせるという作戦をとり、しかも警察の動きは全て計算済みであるかのように見えた。現場に急行した敏腕捜査官フレイジャー(デンゼル・ワシントン)ですら交渉の糸口が見つけらずにいた。“型通り”の要求はあったものの、犯人たちの焦りも全く感じられない。フレイジャーは彼らの目的は金ではないとにらむ。では彼らの真の目的は?



血生臭い場面があると思っていたら、まったくそんな場面はなく、どちらかというと犯人と捜査官と女性交渉人の心理戦といった感じのサスペンスでした。
でも緊迫した感じはあまりなく、ところどころで笑いを誘う場面があったりして、ほのぼのとした感が漂う不思議な映画です(笑)。


膠着状態が続き、業を煮やした捜査官たちが強行突入しようとしたその時、犯人と同じ格好をさせられた人質たちが銀行から飛び出してきます。
この人質たちがのちに取調べを受けるのですが、この人質と捜査官のやりとりが笑えます。人質、何気にみんな個性的なのです(笑)。

捜査官は「この人質の中に必ず犯人はいるはずだ!」とにらみ、それぞれに人質たちの写真を見せて「この中に犯人はいるか?」と聞きます。
しかし誰一人として答えられない。みんな同じ格好をさせられていたし、覆面をしていたので、犯人が誰だかわからないのです。
しかもフレイジャーが交渉するために会った、主犯格のダルトンと思しき男は何処に逃げたのか捕まえることが出来なかったのでした。
一体ダルトンは何処に消えてしまったのか?

盗まれたものもなかったし、人質も無事だったので事件は「一件落着」となります。
が、フレイジャーはすっきりしません。何かがひっかかる……。
「犯人は何かを盗んだはずだ。それが何だったのか?そしてヤツは何処に消えたのか?」


ジョディー・フォスター演じる強気な弁護士(交渉人)は、この映画のスパイスとも言うべき存在でしたね。
フレイジャーに「敵ではなく友人を作ってきた」とか「あなたの給料では私を雇えない」だとか小憎らしいことを言うのですよ。全く可愛くないのです(笑)。
でも出番が少ないながらも強烈なインパクトを残す存在感は、さすがジョディーといったところ。知的な役が似合いますね。


最後は意外なほど爽やかに終わり、思っていなかった展開に思わず「にんまり」してしまいました。
結局この事件で痛い思いをしたのは、「あの方」だけでした。
まあ自業自得でしょう。
でもダルトンが何者だったのか、そしてどうしてあの存在を知ったのか…もうちょっと詳しく知りたかったような気がするなあ。



確かに誰だかわかりませんな
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