オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

ヴァンサン・ルクール祭り

2006-06-04 06:24:21 | 映画つれづれ、祭りとか
「サルサ!」でヴァンサン・ルクールにときめいたワタクシ、早速彼が出演している作品を借りてきました。



【赤ずきんの森】

森の奥深くにそびえる古城に招かれた学生劇団員が、一人、また一人と連続殺人鬼に殺されてゆく…というお話。
あまりにもくだらない映画だったので、あらすじさえ説明する気になりませんや(怒)。謎が何ひとつ解明されないまま終わってしまうし。
こんなに欲求不満&怖くないホラー(と呼べるかなあ)は初めてです!
ああ…「ラストサマー」や「スクリーム」が偉大な映画に思えてきましたよ…。
この映画、【ヨーロッパ各国でスマッシュヒットを記録した、フランス製ティーンエイジ・ホラー。新世代スタッフ&キャストが新しいホラーの形を提示!】なんてキャッチもあったりして…。なんだか嘘っぽい…。

ヴァンサン・ルクールの扱いは意外でしたね。
まさかあんな結果になるとは思いませんでした。
まあ、あの端正な顔がアップになったり、美しい身体が堪能できる無駄脱ぎがあったりして、おいしい場面も多々ありますが。



彼が来日した時に「出演のポイントはストーリーですね。何かを語ろうとしているか、どうかが、大切です。「赤ずきんの森」にストーリーがあったのかと聞かれるかもしれませんが、あの映画もシナリオの段階では物語があったんです。できあがったものとは全然違いましたね」と語ったところを見ると、やっぱり失敗だと思ったんだろうな~。はっきり言ってダサダサの駄作です。←そういいながら、ヴァンサン・ルクールが素敵なのでDVDを買ってしまおうかと思っていたりして…。
ファンとは悲しいものよの…(涙)。


だってこんなに美しいんですもの



【父よ】

実際に11年間の服役経験があるジョゼ・ジョヴァンニが原作・脚本・監督を担当した自伝的作品。
主人公のマニュは、暗黒街に身を投じるが、とある事件の罪で死刑宣告を言い渡される。マニュと言い争いばかりしていた父親のジョーは、息子の命を救うために奔走する。



ううう~!「父よ」なんて…もうタイトルだけで泣けます。
と言いながら、実はこの映画を見ている間は泣きませんでした。
何故でしょう?

それはこの映画があまりにも淡々と描かれているからかもしれません。
特別な盛り上がりもなく、詳しい説明もなく、ただその時々にマニュ自身が父をどう思っていたのかをナレーションで簡単に付け加えているだけ。


父親はマニュが収監されている刑務所の前にある店に3年間も通い続け、店に通う刑務所の看守たちや出所したものから、獄中での息子の様子を聞き出します。また恩赦による減刑を期待して、家族を殺された被害者に恩赦の嘆願書を書いて貰いに行ったりします。
「息子に嫌われている」と思いながらも、父親は思いつく限りの手段で息子の減刑のために奔走するのです。

結果、父親の努力と深い愛情のおかげでマニュは死刑を免れます。しかしマニュはそれが父親によるものだと知らず、出所してから事実を知るのでした。

父の息子への愛がなかなか届かない…でも父親は「それでいいんだ」と思うのです。息子は助かったのだから…。
マニュも感謝の気持ちを父親に伝えることが出来ぬまま、物語は終わります。


この映画は監督から彼の父親に対して、生前伝えることが出来なかった万感の想いをこめて捧げたものなんでしょう。
単調で、のめりこむような映画ではないけれど、本当はお互い深い愛情を持っているのになかなか壁を乗り越えられない、不器用な父親と息子の姿に心をうたれました。
でも本当に不思議なくらい涙が出なかったな~と思っていたら、最後に「これでいいんだ」と自分に言い聞かせるように去っていく父親の姿を見て「どばっ」と涙が出ました。
なんだ、何かが胸につかえていたのか、それとも泣くのを我慢していたのか(笑)。
そう、終わってから雪崩のように「どどどー」って押し寄せてきたのでした。



ヴァンサン・ルクールは…黒い髪と髭は似合わないね(笑)。
この後ろ姿を見て彼だとは思わないよな…普通。
コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「インサイド・マン」の試写... | トップ | 「メラニーは行く!」 »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。 (DD)
2006-06-04 19:37:27
「赤ずきんの森」は未見です。ふ~む、dimさんのレビューを読ませていただくと、ヴァンサンは美しいのに作品はダサダサとビミョーなのですね。駄作と聞きながら、そんなにヴァンサンが素敵ならDVD買ってしまおうかと思ってしまう私も・・・ホントにファンとは悲しいですね・・・(涙)



ところで、さっき、トランスポーター2を観てきましたよ~♪Jスンのプロモ映画だった(笑)!観たらストレス吹っ飛んだです~~
返信する
うああ~~~ (dim)
2006-06-04 21:38:59
DDさん、「赤ずきんの森」のヴァンサン・ルクールは、はっきり言って素敵です美しいですもう映画なんてどーでもいいや、ヴァンサンがいればって思います(最後は…悲惨なめにあうけどね~~)でも…Jスンにハゲしく反応してしまった私…。

私も早く「トラポ2」を見に行かねば!

とか言いながら「ナイロビの蜂」もまだ未見なのです。どちらを先に観るべきか…悩むわ~。
返信する
アメリカ映画では、こうはいかんでしょうね。 (viva jiji)
2006-06-04 21:47:55
>去っていく父親の姿を見て「どばっ」と涙が出ました。

この「どばっと」に鋭く反応した私でありました。(笑)

わかります、その気持ち。

・・・泣け~~~!ここで泣け~~~!なんて演出しないから良いのですわ。さりげなく、最後にね・・・来るんです・・・フランス映画ですもの。
返信する
そうなんですね (dim)
2006-06-04 23:49:45
viva jijiさん、こんばんは。

私はおフランスものは、最近見出して、やっと魅力がわかってきたところ…といった感じなのです。一度でなく何度も見て味わいたくなるような作品が多いですね(中にはとんでもないのもあるようですが)。viva jijiさんやDDさんがすすめて下さった「父よ」もそんな作品でした。

またおすすめがあったら教えてくださいね~~。って他力本願???
返信する
つい、でしゃばって・・・ (DD)
2006-06-05 00:41:55
フランス映画は詳しいお方に譲るとして(爆)、私もかなり父子ものには弱いのですが、去年観た映画では、ロシア映画の「父、帰る」とか、カナダ(?)映画の「みなさん、さようなら」とか・・・好きでした~。父の屍を踏み越えて生きていけ~~みたいなメッセージが込められてる気がして。
返信する
ありがとうございますう~~ (dim)
2006-06-05 00:59:33
DDさん!!ありがとう!!

むぎゅっ(ハグ)!!

「みなさん、さようなら」は予告を見てちょっと気になっていたものの、結局未見に終わった映画です。今度レンタルしてみます。

いや~どんどんでしゃばってください。

私、ブログなんてやってえらそうなこと書いているけど、他の人に比べたら全然映画なんて観てないんですよ、わっはっは。
返信する
あううう(涙) (豆酢)
2006-06-05 22:47:11
dimさん、「父よ」の最後でどばっと涙…わかりますよ…。私もあそこで涙腺が決壊しました。

観客に泣くことを強要するような演出ではないからこそ、さりげないシーンでジーンと(平安時代のギャグ)くるのです。

ロシアの「父、帰る」は、内容的にはかなり痛いのですが、カナダの「みなさん、さようなら」はとてもとても良かったです(涙)。死に際してどうあるべきかという深い考察もなされた、単なる父子ものに終わらない内容でした。

追記:ヴァンサンの「赤ずきんちゃん」(違)、残念でしたが、ショーンなんかね、駄作がなんぼあると思います?あの長いキャリアの中で、ほんまに良かったと思える作品は片手で余るほどしかないんですよ(自爆)。それでもショーン見たさにDVD買うてしまうんですわ。悲しいサガでございます…。
返信する
ヴァンサン・ルクールは・・・ (nouilles-sautees)
2006-06-05 23:06:20
実は最近どなたかに教えていただくまで全く心当たりがありませんでした。



で、調べたんですけど、やっぱり知りませんでした(笑)。



強いて言えばホラー系が好きな私は「赤ずきんの森」を見ようかなと思ったことはあったのですが・・・。



「父よ」は泣けそうですね。

思いが届かない系に非常に弱いです、私。



「24」のジャック・バウアーくらいに親バカなのにはイライラするんですけどね(笑)。

返信する
やっぱり (dim)
2006-06-06 02:17:33
豆酢さん、こんばんは。

豆酢さんも「みなさん、さようなら」がオススメなのですね。では近々レンタルしてみますです。豆酢さんも太鼓判を押してくださったなら、これはもう見るしかないでしょう!!



豆氏の駄作(笑)…やっぱり豆酢さん買っているんですね…。「愛」だからしょうがないんですよね。

私も好きな俳優が出ているけど「ううむ…これは…なんだかな~」って作品を涙ながらに買っております。妹に「趣味が悪い」とか言われながら(涙)。

ホントに悲しいサガですよね。

やっぱり「赤ずきんの森」!!買おう(爆)。
返信する
最近出ておりません (dim)
2006-06-06 02:27:02
nouilles-sauteesさん、こんばんは。



ヴァンサン・ルクール、最近映画には出ていないようです。ネットで調べたらフランスのファンの人が作ったサイトがあったのですが、フランス語だから全くわかりましぇーん!!でもどうやらTVに出ていることが多いようです。



「父よ」はホントに最期に「ぐっ」ときました。「まぼろし」の時も控えめな演技が光っていたブリュノ・クレメールがまたいい味を出しておるのですよ~。

あとね、戦後しばらく死刑が「公開ギロチン」だったというのは知らなかったので「ひえ~~~」となってしまいました。穴に入らないと耳を切りおとしたっていうのですから残酷ですよね。
返信する

コメントを投稿

映画つれづれ、祭りとか」カテゴリの最新記事