オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「ローズ・レッド」

2006-03-30 01:50:29 | 映画・DVD【ら】
最近のスティーブン・キングの作品、「ドリームキャッチャー」と「シークレット ウインドウ」は自分の中ではイマイチだったのですが(〆が甘い…)、これは長いけれど時間を感じさせないくらい面白い作品でした。
まあ観ながら結構つっこみは入れておりましたが(笑)。
実はジュリアン・サンズが好きになった記念すべき作品であります。


超常現象研究家ジョイスは幽霊屋敷『ローズ・レッド』に眠る霊を呼び覚ますため、超能力者たちを集う。『ローズ・レッド』では建造当初から相次いで不可解な事故や失踪事件がおきていたが、今では屋敷が自らの意思で部屋を増やし成長を続けるようになっていた。そして調査決行の日がやってくる。一行は屋敷で少女の霊と遭遇し、危険を感じその場を離れようとするが、そこには見たことのない廊下が新たに存在してた。ついに『ローズ・レッド』が目覚めたのである…。


超能力たちは、屋敷のただならぬ気配は感じたものの、自分たちが命をおとすことになろうとは思ってもいません。
しかし犠牲者がでたことで彼らは動揺します。恐怖を感じ、ジョイスに屋敷から出ることを持ちかけます。
人命の安全より研究を重視するジョイスは、彼らの言うことに耳を貸しません。



が、どちらにしても彼らは屋敷からでることが出来なかった。
『ローズ・レッド』がそれを許さなかったからです。
そして次なる犠牲者が…。

屋敷に閉じ込められた彼らに刻々と迫りくる最後の時。
追い詰められた人間は徐々に本性をあらわしていきます。
自分だけ助かろうとするもの…。
自分の命を犠牲にして他の人間を助けようとするもの…。
そして最後に生き残るのは…。
dimには意外な人でした~~~(笑)。


出てくる幽霊は「燻製もどき」で怖くなかったのですが、幽霊が出そうな馬鹿でかい屋敷の雰囲気が怖かったです。
でも一番怖かったのは、研究に没頭するあまり何が一番大切なのかを見失ってしまったジョイスでした。

ちなみにジュリアン・サンズは『遠感、テレパシー能力』を持つ超能力者の役でした。
キッチンで自分でスクランブルエッグを作り、ワインを飲みながら食べている姿が可愛かった♪きゃ~~~♪
エメリー役のマット・ロスとその母親がこの作品を盛り上げるおいしいキャラでした。インパクト大でしたね。


カリフォルニアに実在する、ウィンチェスターの屋敷がこの作品のヒントになったそうです。霊媒師の言葉に従い、2代目当主の妻サラが増築をし続けた結果、部屋数は160を超えたというからオドロキですよね。
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勉おじさん

2006-03-28 03:57:47 | 日々のこと
勉おじさんは母の弟にあたります。

昔dimが小さい頃、家族でよく勉おじさんのうちへ遊びにいったものです。
勉おじさんには奥さんと娘さんが二人おりました。
dimは同じ年頃の娘さんと遊ぶよりも、優しいおじさんにくっついて歩くのが好きでした。

その勉おじさんが離婚したのはdimが学生の頃。
母は「奥さんに離婚の原因を聞いたけど…勉も離婚されても仕方ないわね」と言ったものです。
原因はおじさんにあったのだろうか?
そうかもしれないけど、dimには誰より大好きな優しいおじさんでした。

離婚してからおじさんは行方知れずになりました。
娘さんの結婚式にもあらわれませんでした。
風の便りでどこかでタクシーの運転手をしていると聞きましたが、やはり誰にもおじさんの居所はわかりません。

dimが働くようになってからうちのポストにおじさんの「心配しないで」という短い文面の手紙が入っていたらしいです。
うちまできてそのまま手紙を入れて帰っていったおじさん…。
どういう心持だったのでしょう?

あれから20年。
おじさんは死んでいるのか生きているのかさえわかりません。
もしかしたら路上生活をしているのかも知れません。
だとしたらもう70は超えているだろうから、寒さがこたえたり、食べ物がなくてひもじい思いをしているかも知れない…。

桜の季節になると何故かおじさんを思い出します。
子供の頃、桜の季節によくおじさんのうちに遊びに行ったからでしょうか?
私たちの前に姿をあらわすのが嫌ならあらわさなくてもいいけど、どこかで元気で幸せな生活をしていて欲しい…。
辛い思いをしていませんように…。
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「アラビアンナイト」

2006-03-27 01:02:23 | 映画・DVD【あ】
三冬さんが「ルーファス・シーウェルが出ている」と教えて下さったので、早速DVDを購入しました。



妻と実の弟に命を狙われ、はずみで妻を殺してしまったバグダッド王、サルタン。それからというもの、サルタンは悪夢にうなされる。そして再び妻をむかえたら、また命を狙われるのではという強迫観念が、彼の精神を蝕んでゆく。そんな彼を愛するシャハラザードは、彼を救うため数々の物語を作ってサルタンに聞かせようとする。

シャハラザードはまず「アリババと40人の盗賊」という話をサルタンに聞かせます。そして「バクバクの災難」「アラジンと魔法のランプ」「皇帝と乞食」「争う王子達」とどんどん話を続けていきます。
初めは「シャハラザードにも命を狙われるのでは?」と疑心暗鬼だったサルタンが、物語を聞いているうちにどんどん引き込まれ、シャハラザードに心を開いていきます。
それとともに王としての自信や自覚を取り戻してゆき、弟との忌まわしい過去に決着をつける決心をします。

このサルタンをダグレイ・スコットが演じていてなかなかいい味を出しているのですが、ちょっとジェラルド・バトラーに似ているような気がしました。
ダグレイ・スコット…調べたらこの方もスコティッシュなのですね。
サルタンの役、ジェリーが演じてくれてもよかったなー。

ルーファス・シーウェルはなんとアリババの役でした(笑)。
しかしイギリス人の彼がアラブ人の役とは…。
でも結構さまになっておりました。
「ハムナプトラ」にアーデス・ベイ役で出ていたオデッド・フェールが、40人の盗賊のうちの1人としてちょろっと出ています。やっぱり目を引きます。かっこよかったです。

ジェイソン・スコット・リーはなんと「アラジン」の役!
彼はどー見ても中国人なんだけど…アラジン??
しかも弁髪…。弁髪のアラジンなんて聞いたことないけどなー(^^;)。
このアラジンが魔法のランプを探しに洞窟のようなところに入っていくのですが、この洞窟の中、秦の始皇帝が作ったという兵馬俑みたいなものが並んでいて結構壮観です。
またアラジンの母親役がとぼけていてかなり笑わせてくれます。

全部で180分と結構長かったのですが、私もシャハラザードの話に引き込まれてしまって全く長さを感じませんでした。



ダグレイ・スコット演じるサルタン。ジェリーがやってもかっこよかったのでは?


どうです?ルーファス、なかなかさまになってますよね。


ちょっと納得がいかない弁髪の「アラジン」。でも母親(左)はかなり面白いです(笑)。
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「DOOM」試写会

2006-03-24 02:08:13 | 映画・DVD【た】
友達が「DOOM」の試写会のはがきを持っているというので、お付き合いで観に行ってきました。
ホントは「ナイトウォッチ」の試写会が昨日で、こっちの方に行きたかったのだけど、忘れていたというか日にちを間違えておりまして…観れませんでした。とほほ…。

『「ナイトウォッチ」の試写会が観れなかった』もうその時点でケチがついていたのですね~。
「DOOM」はちっとも目新しい感じもせず~(まあ確かにゲームっぽかったですけど)。おまけに画面が暗くてよくわからず~。「あ~、こいつが生き残ってあいつは死ぬな」ってのがぴったり的中するぐらいわかりやすく~。内容は「リバイアサン」とか「エイリアン」の寄せ集めみたいな感じで、ラストは「スターゲイト」といったところ?
もおお~~~金返せーーー!!あ、金一銭も払ってなかった。

おまけにdimの隣に座っていた女性がやたらかっぷくがよく、dimの席の方まで肉が流れてきて気になってしょうがなかったしー。しかもその女性、映画の途中でトイレに立ったのはいいけどdimの前にどーんと立ちはだかるから画面が見えなくなるしー。「すいません」の一言もないしー。
前に座っていた男性がやたら座高が高かったため、dimは身体をずーっと斜めにして観ていたので首が痛くなるしー。
斜め前に座っていた女性は映画の最中でしょっちゅう携帯のメールチェックしていたんで明かりが気になったしー。
映画にがっくり、まわりにぐったりで帰ってきたのでした。

まーねー、グロが苦手なdimは画面が暗くてある意味助かったのかもしれないけどね~。
ちょっくらエグイ場面はありますが、カール・アーバンはかっこよかったので(エオメルにはやっぱり及びませんが)カール好きな方はご覧になってもよろしいかと…。観賞用映画として。

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ライブに行ってきました

2006-03-22 00:39:02 | ライブ&芝居
このブログ…最近映画のことばっかり書いておりますが、ぼちぼちライブにも行っております。
ライブに行くとどうしても帰宅が遅くなるので父には悪いんですけどねー。
でもライブに行かないとストレスがたまって、そのうち星一徹のように母の簡易トイレをひっくり返しかねないので(笑)。
昔…六本木ピットインがあった頃は、月に6回くらい通っていたこともありましたが、今は月2、3本がせいぜい。
でも今月はもう3回行っているんだ…。
ハイ。来月は控えますんでお許しを。


3/16(thu)Salle Gaveau@調布GINZ

鬼怒無月(g) 喜多直毅(vln) 林正樹(p) 佐藤芳明(acc) 鳥越啓介(b)

このバンド、タンゴのバンドです。
久々に見にいったら林さんが加わってました。以前は林さんがいなくて四人でやっていたのです。で、バンド名も違ってました。
この日は意図していたことなのかも知れませんが、なんだか曲調が似通っていて全体的にちょっと単調になっちゃったような気がします。
喜多さんのvlnは相変わらず素敵なフレージング&音色だったのですが、喜多さんだけじゃなく鳥越さんや佐藤さんのソロも聴きたかったな~。
あと、好みの問題なんですが、自分としてはこのバンドにエレキはどーよって思うんですよ。
ガットギターでやってくれた「アルコス」という曲はしっくりきたんですけどね…。
こんなに文句たらたら書いてますが、このバンド大好きなのです。
頑張って欲しいです。


5/20(mon)樽木栄一郎ライブ@大手町・MANHATTAN Bleu

樽木栄一郎(vo,g) 村井秀清(p)

久々の秀清さんのピアノ、そして樽ちゃんの歌声。
とっても贅沢な時間をすごせた…そんな気がするライブでした。
秀景満ではアグレッシブルなピアノを聴かせてくれたりもする秀清さんですが、この日はしっとりとしたピアノをたっぷり聴かせてくれました。
樽ちゃんはあまり有名ではないですが(ごめん)、とっても実力があるシンガーだと思います。
透明感のある声と映像が浮かんでくるような素敵な歌詞、そしてまるで彼の体の一部であるかのようなギターの音色がとっても優しく心にしみてくるのです。
久々に聴いた「My name」や「I'm a loser」…やっぱりよかったよ~。


ちなみに…秀清さんが「宣伝してくれていいよ~」というので紹介させていただきます。
秀清さんが参加しているバンド「秀景満」、とっても素敵なフュージョンバンドです。

村井秀清(p) 須藤満(b) 平井景(ds)

音楽も素晴らしいですが、MCがまた面白い!
音楽を聴きにいって漫談も聞けるなんて…お得ですよー(笑)!
近々プチツアーがありますので、ぜひ足を運んでみてくださいね~~。
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「フレイルティー・妄執」

2006-03-20 01:04:11 | 映画・DVD【は】
『神の手』と呼ばれる謎の連続殺人鬼が全米中を震撼させていた。ある晩、フェントン・ミークス(マシュー・マコノヒー)と名乗る男がFBI本部に現れる。そして『神の手』事件担当のドイル捜査官(パワーズ・ブース)に「連続殺人鬼は自分の弟で、人々を殺害した後、ピストルで自らの命を絶った」と告げる。「信じ難い」というドイルにフェントンは何故弟が『神の手』と呼ばれる殺人鬼になったのかを語りだす。彼ら兄弟が幼い頃、父親が「天使に悪魔退治の使命を与えられた」と言い出し、それから恐怖の日々が始まったというのだ。
果たして彼の言葉は真実なのか?


幼い頃の回想シーンがほとんどなので、マシュー・マコノヒーの出番は余りありません。しかしFBI本部でのパワーズ・ブースとのシーンは緊迫感というか緊張感が溢れていて、とても印象に残ります。
この冒頭のシーンは実に重要で、最後の謎ときに繋がっているんですね。
FBIを訪れたフェントンに握手を求めるドイル。
しかしフェントンは握手を拒みさりげなくかわします。
後で「あーそういうことかー」とわかるのですが。
とてもよく出来た作りになっています。



幼い頃のミークス兄弟を演じたマット・オリアリーとジェレミー・サンプターは、大人顔負けの素晴らしい演技でした。
特にマット・オリアリーは父親に対して段々反抗的になっていく複雑な役だったのにうまく演じていました。「どこかで見た顔なんだよなー」と思っていたのですが『スパイ・キッズ』に出ていたんですね。『スパイ・キッズ』なんかよりこっちの方が実力の程がわかります。
ジェレミー・サンプターは無邪気な役だけにかえって怖かった
子供たちを愛する優しさを持ち合わせながら「悪魔退治」を続ける父親(ビル・パクストン)も怖かったです。映画を見終わって真実を知った今、哀れを感じながらもやっぱり怖いと思います。



そして意外な真相が待ち受ける驚愕のラスト
あああ~そういうことだったのか~
ここで物語は冒頭の場面と繋がります。

父親役のビル・パクストンが監督に初挑戦したというこの映画、素晴らしい出来です!
人が殺される場面でも、音だけを聞かせて残酷で血なまぐさい映像は見せません。アングルや場面の繋ぎにはかなり気は使っているようですが、お金はかけていない。それでも色々な意味で十分怖いのです。
無駄にお金をかけなくてもこんな面白い映画ができるんだーと目からウロコなのでした。

マシュー・マコノヒーも「性格俳優」として成功している映画だと思います。
しかし最後のマコちゃんのあのセリフ…。
なんか意味深で…やっぱり怖い…。

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「ドニー・ダーコ」

2006-03-18 15:30:07 | 映画・DVD【た】
ドニー・ダルコ(ジェイク・ギレンホール)は少し変わった高校生。彼は現実と妄想の世界との区別が出来ず、カウンセリングや薬物療法を受けていた。ある晩、彼の前に銀色のウサギが現われ「世界はあと28日6時間42分12秒で終焉をむかえる」と告げられる。そしてその日から、彼の周囲で次々と不思議な出来事が起こり始める。


まず……ジェイクが若くてびっくりしました!でも繊細でありながら、反抗的な一面を持ち合わせ、何をしでかすかわからないという複雑な役をうまく演じていました。銀色のウサギが登場すると、とたんに何かにとり憑かれたような表情になるのが怖かったですね~。でも魅力的な役だったと思います。
私の好きなパトちゃん(パトリック・スウェイジ)は怪しい自己啓発セミナー教師役でした。しかもロリが入っているという役…。しょーもない。とほほ(涙)。
でもホントに胡散臭く見えたから、ちゃんと役目は果たしていたとも言えましょう…(複雑)。

映画の中で「世界の終りまであと○○日」という文字が数回映し出されます。
初めはそんなに気にしていなかったのですが、ドニーが何か問題を起こし、残り時間がどんどん少なくなってくるうちに「世界の終りとはどういう形でやってくるのか」が気になってきます。

この物語は複雑なので色々な捕らえ方・解釈が出来る映画だと思います。
自分は「ダニーは少し変わってはいたが普通に生活をしていた。しかし彼の愛する人を巻き込んだ非常にショックな事件が起きてしまう。その運命を変えるために彼は時間を戻り別の結末を選んだのではないか」と解釈しました。
そういう意味では「バタフライ・エフェクト」に近いものがあるかもしれないなー。

こんな風に書くとサイコサスペンスのように感じるかもしれませんが、ちゃんと青春ドラマの要素も含まれています。現代のおとぎ話だと受け取る人もいるかも知れません。
なかなか面白い映画だと思います。
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綺麗になった?ジュリエット・ビノシュ

2006-03-18 01:50:32 | 俳優のこと
ジュリエット・ビノシュって昔はあまり好きではなかったんですが「イングリッシュ・ペイシェント」を見てから好になりました。

アルゼンチンで開催されたマール・デル・プラタ国際映画祭の初日に42歳になった彼女が「20歳だったらつまらないでしょうね。40歳を過ぎて外見も変わったし、これまでとは違う役柄を演じられるようになったの」と、年齢を重ねることの魅力を語ったそうです(FLIX MOVIESITE)

気のせいかもしれませんがなんだか昔より綺麗になったような気がします。
成熟した女性の魅力とでも言うのでしょうか?
表情に余裕や優しさが感じられますよね。
やはり公私共に充実しているんでしょうね。


 
「ショコラ」の時(2000年)   今の方が自然でずっと綺麗ですよね

土台が全く違うけれども、こういう女性になれるよう(近づくよう)頑張らないとねぇぇー。
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「コルシカン・ファイル」

2006-03-16 00:10:41 | 映画・DVD【か】
Yahoo!ムービーさんを見たら『ジャン・レノ&クリスチャン・クラヴィエ共演のアクション・サスペンス』と紹介されていたんです。
このコンビが好きなdimは「アクション・サスペンスこれは見ないと」と思って観に行ったのですが…。

…全く違いました

ちなみにYahoo!ムービーさんの紹介の続きは…『コルシカ島の美しい自然を舞台に、島にやって来たパリの私立探偵が住民の言動に振り回され、次々にトラブルに遭遇する様子をコミカルに描く』でした。「コミカル」……
ちゃんと最後まで読まなかったわたくしが悪いのね……。

しかしですね、これがなかなか面白かったのです。

まずオープニングの音楽。
これがOO7のパロディというかなんというか…どこかで聴いたような音楽なので、のっけから大笑いしてしまいました。こういう作り方大好きです。車からジェームズ・ボンドが出てきても不思議でないくらい可笑しいのです。でも出てくるのはちっこいクリスチャン・クラヴィエなんだな(笑)。

仕事を依頼されたパリの私立探偵ジャック(クリスチャン・クラヴィエ)がアンジュ・レオーニ(ジャン・レノ)という人物を探すためにコルシカ島を訪れるのだけど、このコルシカ住民の言動がおかしくてまた笑えました(笑)。
夜の夜中にみんなで「コルシカの唄(?)」をようようと歌ったり、タンポンで導火線みたいなものを作ったり、女性が男性に生きたタコをプレゼントしたり…普通じゃちょっと考えられません(笑)。
初めは面食らっていたジャックですが、いろんなトラブルに見舞われながらもコルシカの人達に段々となじんでいきます。



実際のコルシカに住む人達は独自の文化を持っていて、映画と同じように自治を求める民族主義運動を断続的に起こしているようですね。
でもコルシカの景色はとっても美しかったし、地名に「ナポレオン」の名前が沢山使われているのもおもしろいなあと思いました。

それと映画の作りはややおおざっぱな感じはするのですが、細かいセリフがとっても気が利いているのです。特にクリスチャン・クラヴィエのセリフはかなりブラックで笑えます

ジャン・レノは相変わらず渋くてかっこよかったです。
映画の中ですごく可愛く笑う場面があるのですが、ちょっとくらっときました(笑)。
「おかしなおかしな訪問者」「ビジター」「マイ・ラブリー・フィアンセ」でクリスチャン・クラヴィエはジャン・レノと共演しているのですが、彼はいつも家来というか下僕というか…そんな役でいつも品のない汚いカッコをしているんですよね。今回の映画では綺麗なスーツに身を包んでいたので初めクリスチャン・クラヴィエだと気がつきませんでした(笑)。
クリスチャン・クラヴィエ…本当はなかなかダンディなんですね。


この映像を見て、誰がコメディだと思うよ…??
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「ファーゴ」

2006-03-14 13:02:19 | 映画・DVD【は】
1987年、ミネソタ州ファーゴ。カー・ディーラーのランディガードは大金が必要になったため、自分の妻を誘拐させ裕福な義父から身代金をせしめようと考える。単純な偽装誘拐だったはずが、頼りない二人組みに誘拐を依頼したがために、事態は思わぬ方向へと進んでゆく…。実話をもとにしたコーエン兄弟の作品。


オープニングの真っ白な雪景色。そして荘厳な感じの音楽。
この雪が血で赤く染まるであろうことは予測がついたが、まさかあんな展開になっていくとは思いもよらなかったなぁ。

ひとつの歯車がずれたがために人が一人殺される。そしてそれを隠すがためにまた一人…と数珠繋ぎに人が殺されていく。

犯人は無口な大男とおしゃべりな変な顔の小男。
彼らは無防備に、残忍な手口でいとも簡単に人を殺す。

しかし…終始ユーモアが漂っているのは何故だろう。
彼らのかみ合わない会話にも笑ってしまうが、追い詰められていく彼らが妙におかしいのは何故だろう。
本来なら目を覆うようなミンチの場面でさえも嫌悪感を感じさせなかった。

この映画は実際に起きた惨劇を描いているにもかかわらず、笑いのエッセンスも含んでいるなんとも不思議な味わいのある作品である。
スティーブ・ブシェミとピーター・ストーメア、ウィリアム・H・メイシーとフランシス・マクドーマンド…彼らの技量は勿論すぐれているのだが、これはコーエン兄弟の手腕というべきなのかしらん?

事件を追う妊娠中の女性警察署長マージが、うちでは穏やかな夫とほのぼのとした結婚生活を送っている。なんだか平和の象徴みたいで微笑ましい場面だった。

その彼女が最後に「わずかなお金のためになんでこんなことをするか、理解できない」と言う。
そこでやっと不思議なコーエン兄弟の世界から抜け出せた。
そうなんだよ、これは実際におきたとっても恐ろしい話なんだよね…。
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