オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「YOU CAN COUNT ON ME」

2007-02-24 03:16:05 | 映画・DVD【や】
ワタシが大好きな女優は数えるほどしかいないのだが(いい男にはめちゃくちゃ甘いが、女には手厳しいワタシ)、ローラ・リニーはその数少ない女優の一人である。
「LOVE ACTUALLY」でお気に入りの女優になった。



ずっと片思いだった人と念願のベッドインという時に、病気の弟から電話があり、彼を残して弟のところに向かうという弟思いの姉を演じた。



ロドリゴも「LOVE ACTUALLY」で惚れたね(笑)。
というか「LOVE ACTUALLY」はいい男の宝庫だったよなあ。
あの中からいいの選んでいいよと言われたら(言われないって)困っちゃうよなあ~~。
う~ん、ヒューも捨てがたいけど(偉そう)でもやっぱり↓がいいなあ。


 
↑こんないい男を残していくサラ(ローラ・リニー)の気持ちはいかなるものだったのか。
涙をこらえ、弟にマフラーを巻いてあげるサラの姿にワタシは大泣きしたものだ。←すっかり自分に置き換えていた・・・だって相手はロドリゴだよ・・・(遠い目)。
はっ!!いかんいかん!!



本題に戻って「YOU CAN COUNT ON ME」。



2000年、アメリカ作品。

サラ(ローラ・リニー)は田舎町で息子と二人暮らしをしているシングルマザー。
地元の銀行に勤める、保守的だが美しい女性だ。
そんなサラには、別れて暮らしている弟がいた。
根無し草のような生活を送る弟テリー(マーク・ラファロ)は、サラとは全く性格が違ったが、幼い頃に事故で両親を亡くしてから、励ましあいながら生きてきた大切な肉親だ。
そのテリーが久しぶりに町に帰ってくるという。

嬉しさのあまり町中に「弟が帰ってくるのよ」とふれ回っていたサラだったが、戻ってきたテリーは「刑務所にぶち込まれていた」話をし、金の無心までしてサラを失望させる。
だが、サラの息子ルディ(ロリー・カルキン)は自分と同じ目線で物事をみるテリーに親近感を覚え、段々と心を通わせるようになってゆく。
親子のような二人の姿をほほえましく思っていたサラだったが、信仰心もなく人生の価値を見出すことも出来ないテリーが、ルディに悪影響を及ぼすのではないかという不安も多少感じていた。

そんなサラに恋人のボブがプロポーズをする。
突然のプロポーズに戸惑い、息がつまるような気がしてボブとの結婚に踏み切れないサラ。
そしていけないこととは思いながら、上司(マシュー・ブロデリック)との情事にのめりこんでいくのだった。


幼い頃に事故で両親を亡くしてから、別々の施設で暮らすことを余儀なくされた姉弟。
子供の頃から何に対しても責任を担ってきた、完璧主義者とも言える姉と、幼い頃両親を亡くしてしまった喪失感から、生きることに価値を見出せない弟との微妙な関係を、監督で脚本家のケネス・ロナーガンが優しい視線で描いている。

二人は全く異なる性格ではあるが、幼い頃に両親を亡くしたことから、それぞれストレスを抱えたまま大人になってしまい、ある部分成長がとまってしまっているのは同じ。



それぞれが今の自分を許すことが出来ず、苛立ちもがきながら生きているのだが、ふと隣を見た時に、同じように苦しみながら生きている、心許せる姉弟がいることに気づきく。
何があっても受け止めてくれる姉弟がいる。
どこにいても愛してくれる姉弟がいる。
大切なものに気づいた彼らはそれぞれの生活に戻っていくのだ。

最後に姉弟が別れるバス停のシーンは涙なしでは見れなかった。
姉に会いに来た時と、全く別の顔でバスに乗り去っていくテリーの表情がとってもいい。
特別なことがおこるわけでもない、シンプルな話だけど、見終わった後で「良質の映画をみたな」という気持ちにさせてくれる。
脚本がしっかり出来ていて登場人物がそれぞれ巧く描かれているということもあるが、キャスティングもよかったんだろうな。

やっぱりローラ・リニーはよかった。
監督が「温かみがあって、演技力があってなんでもできる女優。しかも美しいし」とベタ褒めしていたが、本当に彼女は映画によって色んな顔を使い分けることができる本物の女優だと思う。
その監督は自ら牧師の役で登場するのだが、困ったような表情に味があってとってもいい感じ。監督の温厚で几帳面そうな性格がにじみ出ている。
サラの弟のテリー役をマーク・ラファロがゆるく魅力的に演じている。「死ぬまでにしたい10のこと」の時より、こちらのマーク・ラファロの方が好き。
微妙な表現を要求される一番難しい役だと思うのだが、ごく自然で、しかもローラ・リニー同様不思議な温かみを感じさせる。
まだ売れる前のジョシュ・ルーカスもちょい役で登場するのだが、細くてかっこよかった♪ジョシュはこの頃から光っていたのね。まだ髪の毛も沢山ありました。
マシュー・ブロデリックは今まで「とっちゃんぼうや」みたく思っていたけど、今回はしっかり「男」だったわ(笑)。
コメント (6)
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「ユナイテッド93」

2006-08-13 22:47:26 | 映画・DVD【や】


2001年9月11日。4機の旅客機がハイジャックされた。『アメリカン11便』がワールド・トレード・センターに激突。続いて『ユナイテッド175便』が同ビルに、そして『アメリカン77便』が国防総省(ペンタゴン)に激突した。その時、ハイジャックされた最後の1機『ユナイテッド93便』の機内では、外部との電話連絡により3機の爆破テロを知った乗客たちが、自爆テロを食い止めるため、コックピットに突入する準備をしていた。


これは唯一ターゲットに到達しなかった『ユナイテッド93便』の機内で起きた(であろう)物語を再現したドキュドラマである。『ユナイテッド93便』の乗員と乗客らが機内に乗り込み、最後の時をむかえるまでが描かれている。


彼らはいつものように、飛行機に乗り込み、機内食を食し、隣人と楽しくおしゃべりをしていた。そう、ハイジャック犯があらわれるまでは…。

ごく普通に生活していた彼らが、突然の悲劇に襲われ、極限状態に置かれながらも、勇気を出して犯人たちに立ち向かっていく姿を見て「本当に彼らもこんな風に犯人と、そして自分自身と戦っていたんだろうなあ」と思ったら涙がとまらなかった。
この物語は亡くなった40人の家族や友人や、9.11委員会、そして航空管制官、軍関係者への膨大なインビューが基盤となっているが、『ユナイテッド93便』に乗っていた乗員、乗客は全て亡くなっているので、機内でのやりとりはあくまでも「推測」に過ぎないだろう。
しかしこれが「推測」であっても、機内の人達の絶望感や悲しみや恐怖、苛立ちや苦しみがひしひしと伝わってきて、見ているものは胸を締め付けられる。

それから『ユナイテッド175便』がワールド・トレード・センターに激突する映像も映し出される。
この映像は何度見ても息が止まりそうになる……。

またこの物語はテロリストを単なる「悪役(悪人)」としては描いていない。
彼らにも信ずる神がいて、愛する家族がいるのは乗客となんら変わりがない。
この使命を全うできるように、テロリストたちは神に祈る。
そして客室では「助けてください」と祈る乗客たちの姿。
「信仰とは一体何なのか」ということも考えさせられる。


監督は「ボーン・スプレマシー」のポール・グリーングラス。
出演者は実際に機に同乗した人達の年齢等を反映して慎重に検討され、演技力とは別に、一般的にはあまり知られていない俳優が選ばれた。また実際のパイロットや乗務員経験を持つ者、ほんものの管制官等などが起用されている。
それから俳優たちはその演じる人物を理解するために、遺族とコンタクトを取ったり、話を聞いたりしたらしい。
それにより、よりいっそうの真実味を帯びた作品にしあがっている。
コメント (10)
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「やさしくキスをして」

2006-08-12 20:20:09 | 映画・DVD【や】


スコットランド・グラスゴー。聡明で美しい女性ロシーンは、夫と別居をしてカソリックの高校で音楽を教えていた。ある日彼女は教え子のタハラを迎えに来た、タハラの兄のカシムと知り合う。カシムは将来、自分でクラブを経営することを夢見るパキスタン移民二世だ。何度か会っているうちに、二人は深く愛し合うようになる。しかしイスラム教徒であるカシムの父親は異教徒との結婚を許さず、従姉妹のジャスミンと結婚させようとしていた。またカソリック教徒であるロシーンも、異教徒のカシムと付き合ったことが原因で、仕事を辞めなければならなくなる。
 

監督はケン・ローチ。初めて本格的に取り組んだ恋愛映画だそうな。
現代版「ロミオとジュリエット」とでも言うべきか、愛し合いながらも、家族や文化や宗教といったしがらみに翻弄され、なかなか自分の思うように生きれない二人の姿を描いている。
カシムは婚約者がいる身であることを、初めはロシーンに黙っていて、そのことをしばらくたってから告白したことでロシーンに強くなじられる。ロシーンを深く愛するカシムは、両親が悲しむだろうことに心を痛めながらも、婚約を破棄してくれるよう両親に頼む。
そしてロシーンに「君は失うものがないだろうが、ぼくは全てを失う。家族を失う」というカシム。

ロシーンにとってカシムはかなり優柔不断で、実行力や決断力のない男に見えただろう。
でもイスラムの人にとって一番大切なのは家族なのだ。家族を裏切ることは全てを失うこと。そしてイスラムの社会に生きる人達にとって、家族を裏切ることは、軽蔑に値することなのだ。裏切られた家族もイスラムの社会からつまはじきにされるのだ。
それは多分、自由に生きてきたロシーンには理解できなかっただろうなあ。
愛しているだけじゃあどうにもならないこともあるんだよ~。
ロシーンも苦しかっただろうが、親思いのカシムの苦しみは相当なものだったと思う。


そんな風に苦しんだ二人の行きつく先は……。

全ての人が、それぞれの希望や苦しみを抱えたままの、まるく収まらないラストがいい。
でもこのラストは見る人によって、解釈の仕方が色々だろうなあ。


ロシーン役のエヴァ・バーシッスルと、演技初体験だというカシム役のアッタ・ヤクブの二人が爽やかで好感が持てた。



アッタ・ヤクブ、素敵でしたね~~~。





ちなみに挿入曲に「奇妙な果実(ビリー・ホリディ)」が使われ、「奇妙な果実」が「つるされている」写真が映し出されたり、またどうしてインドから分離し、パキスタンという国が出来たのか、彼らがどんな差別を受けているか、世界からどんな目で見られているのかが、わかりやすく描かれていて興味深い。
コメント (4)
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ルパート・エヴェレットにはまった「夢見る頃を過ぎても」

2006-02-03 12:40:41 | 映画・DVD【や】
        

ルパート・エヴェレットは「ベストフレンズ・ウェディング」で好きになりました。
それから「デモンズ’95」「英国万歳!」「恋に落ちたシェイクスピア」「理想の結婚」」「GO!GO!ガジェット」「2番目に幸せなこと」「シュレック2(声)」などを見ましたが、ルパートを本当に好きにさせたのがこの「夢見る頃を過ぎても」です。

監督・脚本はP.J.ホーガン、出演はキャシー・ベイツ 、ルパート・エヴェレット 、ピーター・サースガード 、ダン・エイクロイド、ジョナサン・プライスなどなど。

   

平凡な中年主婦グレイスは、スター歌手・ビクターに夢中。だがそのビクターは何者かによって殺害されてしまう。さらに長年連れ添った夫がグレイスと離婚をしたいと言い出す。思い立ったグレイスはビクターの葬式に参加するため単身イギリスへと向かう。そこで知り合ったビクターの"ボーイ・フレンド"と共に、犯人探しに乗り出すのだが…。

これは世間からちょっと差別される立場の人間を愛情をもって描いたコメディです。
「平凡で太目の中年主婦」「体に障害のある義理の娘」「ちょっと偏屈なゲイ」……その三人が力をあわせビクターを殺した犯人を探し当てていくくだりは見ていて本当に楽しいです(ちょっとコントみたい…)。はらはらする場面も勿論ありますが。

    

共通の大切な人「ビクター」を失った二人が、心を通わせ酒場で「ビクターに乾杯」する場面はちょっとほろっときます。そしてその頃のグレイスは「平凡で太目の中年主婦」ではなく「自分から行動をおこす魅力的な女性」に変わっているのです。

ジュリー・アンドリュースとバリー・マニロウが本人役で出演して、素晴らしい歌声を聴かせてくれるのも嬉しいですね。dimはしばらく「虹の彼方に」が頭から離れなくなりました。


そうそう、ビクター役のジョナサン・プライス、のっけからキンキラキンの衣装で出演します。まるで松平健のような…いや、もっとすごいかも…(^^;)。でもおじさん好きのdimとしてはちょっと嬉しいです

それから…ルパートは好きな人を殺されて本当に「悲しい、淋しい」オーラを発するんですよ~!
dimはその姿を見て「きゅーーーーーん」となってしまったのです
髭面にぼさぼさの頭、そして誰をも信じないような悲しい目…、1週間も着替えていないような服…。もうその全てにやられてしまったのです

        
    ちょっとヒューに似ている時もあるんですよね
コメント (9)
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