オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「奇蹟の詩」

2006-06-19 16:44:58 | 映画・DVD【か】


私は信仰心はないのですが、おてんとうさま(死語?)に恥ずかしいと思うような、顔向けできないような行為はすまいとは思っております。

さてこの映画。

「信仰」とはなんぞや?
「神」とはなんぞや?

ということをテーマにしております。
だもんで「とっつきにくいかな?」と思って見たら意外や意外、重厚な人間ドラマでありました。


多くの人々から慕われ尊敬された修道女・ヘレンが死んだ時から、聖母像が血の涙を流すようになりました。そしてその血によって皮膚結核だった少女の重い病が完治したというのです。人々はその血をヘレンのものだと信じ、「奇跡をもたらす聖母像」としてその像を崇め、祈りを捧げるのでした。
カトリック教会で聖人と認定されるには、その人が最低3回の奇蹟を起こしたことを証明できないといけないそうです。奇蹟を起こしたというヘレンを「聖人」として認めるか否かの調査にフランク(エド・ハリス)が送りだされました。
フランクは神父でありながら、揺ぐことの無い信仰を抱くことが出来ず、苦悩を抱えていました。しかしヘレンの娘ロクサンヌ(アン・ヘッシュ)と出会い、ヘレンの過去を調べていくうちに、驚くべき事実を知ることになります。
そしてヘレンの奇蹟を通じて、神の存在を確信し、己が進むべき道を見出していくのです。

ちょっとサスペンスっぽい要素も含まれているこの作品、途中で結末がわかってしまったのですが、興味が半減することなく最後まで見ることができました。
それはエド・ハリスの演技の素晴らしさにあると思います。
彼の静かではあるけれど、細やかで奥行きのある演技がフランクの心の軌跡を見事に描いているのです。
まさにはまり役という気がしました。
でも神父にしてはちょっとダンディで…素敵すぎますね(笑)。

ヘレンが娘のロクサンヌを愛しながらも神を選んだように、ロクサンヌを愛しながらも神へ仕える道を選ぶフランクの表情が切なかったです。


あ、マイケル・リスポリが出てるのがすごい嬉しかったです。
大好きな脇役俳優さんです(でも主演をこなしたこともあるのよねぇ…。脇役じゃあ失礼か…)。

コメント (4)
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メタル マクベス 千秋楽@青山劇場

2006-06-19 00:16:56 | ライブ&芝居
【ストーリー】

時は西暦2206年。

日々戦いは繰り返され、絶大な勢力を誇るレスポール王(上条恒彦)率いるESP軍が将軍ランダムスター(内野聖陽)指揮の下、他の軍を次々と征していた。

戦いを終え、城に戻ろうとするランダムスターと親友エクスプローラー(橋本じゅん)。
そこへ3人の魔女が現れ、ランダムスターに「ランダムスターこそが未来の国王である」との予言を告げ、1枚のCDを渡す。
それは、1980年代に活躍したヘビーメタルバンド「メタル マクベス」の伝説のCD。
その歌詞は、ランダムスターの未来を予言するものだった。

やがて夫が国王となる予言を知ったランダムスター夫人(松たか子)は、 予言を現実のものとするべく夫をそそのかし、 レスポール王の息子レスポールJr.を犯人に仕立て、王を殺すという計画殺人を企てる。

ランダムスターは、レスポール王から手柄として与えられた領地マホガニー城で、ESP軍の勝利を祝う宴を開く。
躊躇うランダムスターに「王が眠ったら、このレスポールJrの短剣で刺し殺すのよ。チャンスは今しかないよの」とけしかける夫人。
罪の意識にとらわれながらも、ランダムスターは王の暗殺を決意し、実行する。
作戦は成功し、王を殺した犯人に仕立て上げられたレスポールJr.は城から逃げ出した。

それから5年。
王の命を奪ったことで、罪の意識に苛まれ、自分達の眠りまでも奪ってしまったランダムスター夫妻。
それでも王となるために手段を選ばず、野心に向かって突き進んでいくランダムスターの末路は…。



うわ~~~い!
長く劇団☆新感線のファンをやってますが、千秋楽は初めてです!
しかも前から8列目。
青山劇場は舞台の奥行きがあるので、前過ぎてもよく見えないし、後ろ過ぎてもいけないし…ということで8列目はまさに夢のような席でございました。

この物語で印象的だったのは、ランダムスター夫人。
躊躇する夫をそそのかしますが、彼女も最後には夫と共に堕ちていきます。
夫を出世させたいという一心で、あのような計画を実行させたのでしょう。
本当の悪女だったら、罪の意識に苛まれることもなく、段々おかしくなっていく夫を置いて逃げたと思います。でもそれが出来なかったのは、王を殺した罪と夫への深い愛があったからでしょう。とっても可哀想な人だと思いました。

それからこれは、誰にでもあてはまる、誰にでもおこりうる物語だと思いました。
「エクスプローラーの息子が時期王になる」と魔女に予言され、ランダムスターはエクスプローラーと息子を殺そうとしますが、もしランダムスターが魔女にあって色々な予言を受けていなかったら、彼は今もレスポール王の忠実な部下でいたに違いありません。
もしくはランダムスターではない誰かが予言を受けていたとしたら、ランダムスターのような謀反を企てたことでしょう。





内野聖陽さん、かっこよかったです~!
歌い方や声は「ロック」向けではないと思いましたが、シャウトはすごかったし、ビジュアルが最高ですからね~。
段々狂気にとりつかれ、孤独になっていく男をうまく演じていました。
橋本じゅんさんとのコンビもばっちりでしたね。
内野聖陽さん、この舞台ではかなり面白い顔を見せてくれましたが(笑)、コメディもいけるのではないでしょうか?

そしてわれらがじゅんちゃん!
やっぱり最高です!!
人生ってどんなに辛くても笑いがある。
その部分を身体をはって一手に引き受けているのが、じゅんちゃんなのです!
いや~再び轟天を見れるとは思っていなかったので嬉しいです。
じゅんちゃんは「おかしいけど男気がある」役がぴったりです。

それから、松たか子さん。
美しいし、唄がうまいし、演技力は抜群ですね。ひっぱりだこになるのもわかります。特に狂気にとらわれた時の演技は説得力がありました。
上条恒彦さんも、貫禄があってさすがの存在感でした。
それと声がとおるのでセリフが聞き取りやすかった。唄も素晴らしくて「まあまあ唄がうまい新感線」と比べるのが恐れ多い感じでした。

千秋楽ということでカーテンコールの後に、「メタル マクベス」が2曲演奏(?)してくれました。
曲は「リンスはお湯に溶かして使え」と「ダイエースプレー買うてこいや」です(爆)。なんともふざけたタイトルです。
でもマシンガンズを彷彿させて楽しかったですね。
ただ演奏している彼らの後ろのスクリーンで「メタル マクベス」のプロモーションビデオ(?)が映し出されているのには困りました。
前で演奏している生の彼らを見ていると、後ろのプロモまで目が届かないのですよ!!とっても楽しそうなプロモだったのに!!

なんやかんや言ってもやっぱりメタルは生で聴くのが一番ですね!
全てにおいて充実した素晴らしい舞台でした。

ちなみに…
千秋楽だから…と舞台から出演者全員でお煎餅を配って(投げて)くれました。
私のはじゅんちゃんか内野さんが投げてくれたものだ…と思いたい。
ああ、長くなってしまった…(汗)。

←ゲットした煎餅。明日のおやつにいただきます♪
コメント (2)
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