オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「ナイロビの蜂」

2006-06-09 02:29:58 | 映画・DVD【な】


まず…初めに真っ暗なスクリーンからレイフの声が聞こえた時、すごく「どきっ」としました。
Jスンの時とはまた違ったときめきでした(笑)。
レイフ・ファインズは本当に不思議な、匂いたつような色気のある俳優だと思うのですよね。
それは彼の作品を観る度に感じることなのですが。
そして彼をどんどん好きになってしまうのです。


そのレイフ・ファインズ演ずるジャスティンは、ナイロビ赴任のイギリス人外交官。
妻テッサ(レイチェル・ワイズ)がトゥルカナ湖の南端で遺体で発見され、悲しみに打ちひしがれます。
警察は「強盗殺人事件」として事件を片付けようとしますが、ジャスティンは腑に落ちないものを感じ取り「テッサは何をしていたのか、どうして殺されたのか」を自ら調べていきます。
そしてテッサの残したものや、彼女に関わった人たちから話を聞くうちに、大手製薬会社がこの事件に関わっていることを知るのです。
またジャスティンの身の保全のために、テッサが多くを語らなかったことを知り、ジャスティンは彼女の深い愛を感じるのでした。

テッサの身体を心配しながらも、彼女が何をしているのか知ろうともせず、遠くから他人事のように見つめていただけのジャスティンが、事件の真相に近づくにつれ、まるでテッサのような行動力を見せ、変化をとげていく姿が印象的でした。
脅され、暴行を受けながらも、ジャスティンは何かにとりつかれたように、それが自分の使命であるかのように、一人で大きな陰謀の前に立ち向かっていくのです。

テッサの深い愛情を感じたジャスティンにとって、もう怖いものはなくなっていたのでしょう。
でも最後のシーンは……悲しかったです。
ある決意を胸に抱いた、汗まみれになって汚れていてもなお美しいジャスティンの姿に、涙をおさえることができませんでした。
こんなに深い愛があるんだ…と感動しました。
しかし、ああするより他に道はなかったのでしょうか?
逆の立場だったら、テッサは強く生きていったと思うのですが…。



アフリカの貧困問題や、どこででも起こりうる(というより実際に起きてますけどね)官僚と大手会社との癒着など、考えさせられる映画でしたが、私は「深いラブストーリー」として受け止め、素直に感動しました。
フラッシュ・バックのシーンを、細かく切ってちりばめたストーリーテリングが、生き生きとしたテッサと穏やかなジャスティンの関係をうまく描いていて、微笑ましく、またそれが悲しかったです。
コメント (6)
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