永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

遠い時代の流行りもの。

2013-04-19 14:30:14 | 日記・エッセイ・コラム
竹久夢二デザインの楽譜です。表紙は和紙に木版画、中ページの楽譜は凸版活字ですが、カットすべてが木版画です。
夢二は大正時代の流行作家です。いまで云うイラストレーター的画家です。ぼくは夢二の絵はあまり好きではありません。描かれている絵の背景になんだか死の匂いというか、虚無感の気配を感じるからです。作家は自分の生きているというか、生きている実感みたいなものがないと、描かれる世界は相手に伝わらないと思いますが、夢二の絵にはそれが感じられないのです。
この楽譜は38年前くらいに、小倉南区の若園にあった古本屋の主人から買ってもらえんかと頼まれて購入したものです。いまはその古本屋も主人もなくなってしまいました。ぼくはよくその古本屋で古い画集や写真集を買っていたので、店の主人がついぼくに頼んだんだろうと思います。当時、一カ月分給料と同じくらいの値段でした。


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童謡小曲選集/竹久夢二デザイン 昭和2年、東京京文社発行