永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

あるオペラ歌手の残像と光と風。

2010-02-20 18:57:55 | 日記・エッセイ・コラム
いい天気になり、陽気につられて午後から散歩をする。小森江から寺内を回り、寺内の小高い山の上にある。オペラ歌手・藤原義江さんの父親であるリードさんの門司の別荘跡まで久しぶりに足を伸ばす。ここは何度来ても門司らしい光景を眺望できる。別荘跡の今はマンションが建っていて、それらしい根拠はない。跡地に立って関門海峡を見下ろすと、眼下には真直ぐ門司駅の方に道が伸びて、大里本町の町が遠くに見える。大里本町の海岸と対岸の下関は江戸時代から明治時代初期までは船が連絡していたそうだから、義江さんの父親リードさんは自宅のあった下関から、この路を伝って寺内の別荘まで来ていたのだろう。リードさんは義江さんとは接触を避けていたそうだが、少年のころの義江さんは父親を慕って、時々この別荘を訪ねていたそうだ。視界には遠く小倉や八幡・玄界灘沖までを見通せる。時代が変わっても地形は、海峡の海岸の埋め立て以外は極端には変化していない。海峡の海面を照らす午後の陽射しと海峡からの風はひとつも変わっていないはずだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿