永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

奇怪な世界とユートピア。

2010-05-26 09:41:57 | 日記・エッセイ・コラム
朝ドラ『ゲゲゲの女房』で、水木しげるさんが机の上で阿修羅のごとく、画用紙にカリカリと音を立て描く表情そのものが劇画に見える。
倉庫に直しこんでいたマンガを引っ張りだした。水木しげるさん、つげ義春さん、辰巳ヨシヒロさん、滝田ゆうさん、林静一さんのマンガが大量に出てきた。よもまあ昔はマンガを買ったものだ。
水木しげるさんのマンガを読んでいると、幻想的な世界に連れて行かれるかと思うと、現実という修羅場の世界に突き落とされる。幻想の世界と現実にあるものを試験管に媚薬を入れて混ぜ合わせて作ったような、空想物語りを見せてくれる。
水木さんの作品には短篇物が多い。『テレビくん』『宇宙虫』『河童』『丸い輪の世界』『ボヤ鬼』などなど、子どものころに不思議な世界を読ませてもらったものだ。この世なのか、あの世なのか、四次元の世界をよく行ったり来たりしたものだ。ユートピアはこんな世界なのかなと子どもごころに思った。奇怪な世界を水木さんは甘美なイメージで鮮やかに描いて、現実と言う世界の恐ろしいできごとに警告を鳴らしていたような気がする。



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