永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

トレスコープ。

2010-05-09 11:30:36 | 日記・エッセイ・コラム
15年も使っていないトレスコープを大型ゴミ回収に引き取ってもらう。長いこと仕事場にスペースをとっていた。使用していないトレスコープの上は物置きになっていた。いつもはその姿を目にはしていても意識していない状態のたんなるオブジェ。いつかは処分しなければと思っていたが、やっと部屋からその姿がなくなった。聞けば、同業デザイナーもみんな処分に困っていてそのままにしていると言う。引越さない限りは仕事場に置いたままなのだろう。デザインも作業がトレスコープからパソコンになって15年ほどになる。すっきりした仕事場は以前とはすっかり雰囲気が変わってしまった。業者さんの引き取り料、しめて3000円也。業者さんはトレスコープを見て、「これは何に使う機械なんですか?」と首を傾げる。ぼくが、「トレース作業と大型カメラみたいな便利な機械」と説明しても、理解している風にはなかった。はじめて見る機械らしかった。


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4 コメント

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捨てるに捨てられないものってたくさんあります。 (酢亭)
2010-05-10 14:20:05
捨てるに捨てられないものってたくさんあります。
パソコンはその代表選手です。
まだ使えるのに三世代くらい前の機種、たとえば「Power Mac G3」なんかそうですネ? 今は事務所の隅に寂しく置かれています。
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トレスコープにはずいぶんお世話になりました。 (春休みのデッサン室)
2010-05-10 15:19:56
トレスコープにはずいぶんお世話になりました。
あの当時、欲しいけどお金がなくてなかなか買えませんでした。
ようやく中古のを買いました。
苦労して買えた、それだけに中古だけど強く愛着もありました。
でも時代とともに使う事がなくなり、永野さんと同じように物置化していまいました。
もう邪魔物扱いでしたが、でも長年苦楽を共にし、
お世話になったものとして愛情まで強くありました。

処分するに忍びない・・・辛い・・・

ある日車に積んで日明の処分場に持って行き
自分の手で大型ゴミの暗く大きなスペースに投げ込みました。
これは人に委ねたくない作業でした。
自ら引導を渡したかった。
トレスコープのお葬式でした。
トレスコープが落下して、なにかにぶつかる音、いまでも蘇ります。
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ありがとうございます、Dr.酢亭さん。 (hiro)
2010-05-10 18:23:59
ありがとうございます、Dr.酢亭さん。
その昔は感熱紙かなんかでコピーする青焼きという機械もありましたよね。時代の激しい変化に情報の質も変わってきました。
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ありがとうございます。春休みのデッサン室さん。 (hiro)
2010-05-10 18:32:07
ありがとうございます。春休みのデッサン室さん。
思い切って処分しました。トレコを使用していた当時、まさかパソコンでデザインするなんて思ってもいませんでした。写植を貼りこんだり、写真をトレコでトリミングしたりと、結構腕を駆使していました。NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」で、水木しげるさんがカリカリとペンを走らせる場面に、昔、版下をつくっていたころが重なってきます。
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