永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

いつか見た町の風景。港駅・門司港。

2011-07-12 09:29:58 | アート・文化
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港駅・門司港。〈C〉著作権者:永野宏三・ひろみプロ


鹿児島本線は門司港と鹿児島を結ぶ九州を縦断する本線です。
門司港のふたつ手前に門司があります。この駅は本州下関に行く分岐点になります。先日、電車に乗ろうとしたら中年女性のグループがワイワイいいながら門司のホームに降りようとしていました。内ひとりの女性が「ここは門司港レトロじゃなさそうよ」と、他の女性を引き止めていました。たぶん小倉で新幹線から在来線に乗継ぎ、門司港に観光に行く途中なのでしょう。発車寸前でしたが、あわてて元に戻っていました。
小倉から門司、そして門司港終着に乗るとなぜかどこか遠い見知らぬ町に来たような感じになったり、また、故郷の町に帰ったような感じになります。終着という駅がそんなメタファーな気持ちにさせるのでしょうか。終着5番線ホームはいつか見たこころの風景であります。唄にありましたね、「♪上野はおいらのこころの駅だ~」。あの唄の持つ中身というかイメージとは、駅の世界がぜんぜん違いますが、なにかしら、門司港は懐が広く母のような駅の存在なのであります。それは、ひと昔の時代、大陸に繋がっていた港が育んだ駅だからでしょうか。
門司港の駅舎から一歩出て、港や山手の景色にぐるっと視界を持ってみると、なぜかひとつの独立した国ではないかと思ったりします。小倉とか福岡の都市なんかとくらべると、門司港はどちらかといえば町全体が箱庭のような小さい町なので、その入口にある駅がそんな気持ちにさせるのでしょうか。車で道路幹線を走ってこの町に入ってもそんな感じには決してならないのです。