凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

「嫌なものは嫌なのじゃ」って、おい。

2012年11月15日 | 映画


えー、連続更新。

「009」を観た一週間後…つうことは、もうすでに2週間くらい経過してるんですけどね、これ観てから。
なんですかね、映画館に行ったり、テレビ見たりして、映画のCMが流れて…面白そうなんだけど、
何度も見ていると、もうCM見ているだけで本編観切っちゃったような気分になることが多々あります。
で、実際観る前に興味失っちゃったり、とかね。

しかし、不思議とね、この映画については、「こんだけやってるんだから、観てみようか」と。

狂言師・野村萬斎さんの「怪演」に興味が尽きなかった、つうのがね、一番の理由なんですけど。

「のぼうの城」

監督:犬童一心・樋口真嗣

脚本:和田 竜

主演:野村萬斎
共演:佐藤浩市 榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 平泉 成 西村雅彦 夏八木勲 前田 吟
   中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜 鈴木保奈美 中原丈雄
   上地雄輔 山田孝之 平 岳大
   市村正親
   (敬称略)


織田信長の死後、その圧倒的手腕で関白にのし上がり、天下統一へと突き進む豊臣秀吉。
残るは関東の北条軍。
小田原城攻めを前に、まずはその周囲で同盟を組む城を落とすことを画策する、秀吉。
その中には、北関東の小さな大名・成田家の「忍城(おしじょう)」もあった。
小田原攻めを前に、勤勉・実直だが実績のない部下・石田三成に武功を与えようと考えた秀吉は、
三成に二万の兵を預けると、この「忍城攻め」を命じる。
同じころ、平和な忍城下の家臣達に招集がかかる。
同盟の北条氏政より、小田原城の守りとして、加勢を命じられたのだ。
そんな中、北条の使者を前にして、「成田家の(でく)のぼう」と揶揄される長親は、
「豊臣も北条もない、今まで通りの暮らしができないもんかなぁ」などと発言し、父・泰季にどやされる。
泰季はこれが元で、床に伏せてしまう。
城主・氏長は北条への加勢に同意し、350騎の兵とともに小田原に向かうが、同時に秀吉への内通を進める。

そして、2万の兵と共に忍城下に到着した石田三成。
まずは開戦の使者として長束正家を向け、成田家へ「無血開城」を進める。

残り500騎の兵しかいない、成田家。
秀吉への「内通」を進めていることもあり、そもそも「無条件降伏」の段取りを進めていた、忍城下。
誰もが当たり前に「戦をせず、軍門に下る」と考えていた…

が、使者として現れた正家の尊大な態度と、その容赦ない「降伏条件」に、城主代行(形だけ)の役を担った「のぼう」長親の一言…

「たった今、気が変わりました。戦いまする」

敵味方一同が騒然とし、長親を諌めるも、のぼうの決意は変わらない。

こうして、前代未聞の2万VS500の、絶望的な戦が始まった。


…とまぁ、こんな下りでございまして…

これ、全くの「史実」でありまして、大昔の埼玉県行田市で、実際にあった戦でございます。


昨今、「戦国大名ブーム」とでも言いましょうかね、いろーんなところで「戦国大名」がクローズアップされますが、
この「成田家」は弱小中の弱小。
関西を中心に戦が繰り広げられたこの時代に、関東の片田舎でのーんびり暮らしていた大名でございます。
そして、その中でも、主人公・長親。
ひがな一日、農民・城下の民に「のぼう様」などと呼ばれながら、田植えの手伝い(むしろ邪魔)したり、歌や踊りに興じたり、と、おおよそ「武家」らしい振る舞いなどしたことのない、大うつけ。
ですが、なーぜーか、「人望」だけは厚い。
どんなことでも、「のぼう様が言いだしたんなら、しょうがないや」で済んでしまいます。

そして、この絶望的な戦も。

城下の民も、家臣達も、農民も、
「のぼうが降伏したくない、っていうんなら仕方ない。やるか」
と、何故か乗り気になってしまう。

ヒジョーに、不思議な人物であります。


そして、この「のぼう」を演じる、野村萬斎さん。
企画が持ち上がり、さぁ製作しようという7年前から、キャストとして打診があったとか…
ってぇぐらいですから、まー・・・このヒトしか出来ないようなキャラクターとなっております。
ちょっとね、安倍清明とは真逆というか、芯のトコロでは同じというか…
まー、「こんなんが軍の将でホントに大丈夫か?」としか言いようのない男。
明日開戦、という時になっての兵・領民へのメッセージが、
「オレの勝手な思いで戦にしてしまった、皆、ごめーーーーーん!!」
ですからね。
周りの家臣が呆れる中、
領民や兵たちは、のぼうを逆に励ます始末。

果たして、彼らは生き残れるのか…

ということになります。


正直、作品としては好き嫌いはありそうです。
これが現代への何かの「教訓」か、つうと、
…ワタシはそういうのを感じずに観た方が良いような気がしました。
まぁ、何せ宣伝が大きい分、作品として「観る前の期待感」てぇのが大きくなりますし、
まして「史実」ですから、
なんだか、「どんなスペクタル映画なのか」ってぇ感じにとらえがちですが…

観終わって言えるのは、「娯楽映画」であります。
スケールのおっきそうで、そうでもない、娯楽映画。

もうトコロドコロ、おちゃらけてますから。
ぐっさんの甲冑姿がまるっきり「バイキング」だったり。
佐藤浩市さんのカブトに「ドクロ」がついてたり。
まるで「花の慶次じゃねえんだから」なんてぇツッコミもいれたくなるような…
榮倉奈々さんの「甲斐姫」にしても、男勝りを通り越して「もしかして最強のキャラ?」みたいになってるし。

とはいえ、ワタシは充分楽しめました。
いやぁ、ともかく、萬斎さんがスゴイわ。
「(でく)のぼうでいるのも、それなりの覚悟とそれなりの意志と、それなりの優しさが必要なんだなぁ」と。
そんなコトを感じさせてくれます。


まだ当分上映しております。

「正統派」「硬派」の戦国時代活劇ではありません。
ぶっちゃけ、「マンガ」だと思って観た方が良いと思いますが…
「爽快感」を味わいたい方には、とてもお薦めな「娯楽作」です。




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