凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

続編と言うべきか、それとも…

2010年07月26日 | 映画
むしろ、
「新・踊る大捜査線」
と言うべきでしょう。


劇場版新作『踊る大捜査線 THE MOVIE ヤツらを解放せよ!』


観て参りましたよ。


ぶっちゃけ、ワタクシ、この作品についてはハードなファンでもコアなマニアでもありません。

テレビシリーズは再放送でしたし、スペシャルも観てない話があるし。
スピンオフも『交渉人 真下正義』は観ていない。

『容疑者 室井慎次』は…申し訳ないすけど、駄作だと思ってます。

そして、『THE MOVIE 1』を超える出来は今後ないだろうとも思ってます。

いや、新作観た後でも思ってます。


じゃあ、今作をファンに勧めるか?

まあ、「観ておけば?」てな感じ。
「たぶん、何らかの形で続くと思うから。
その導入部だと思えば、これはこれでアリ、でしょう」と。


まあ、言ってみれば、
「仮面ライダー電王と、仮面ライダー超電王は、スタッフも役者もキャラも一緒だけど、実は別の作品なのよ」
そういうことです。


いかりや長介さんがお亡くなりになった段階で、「昔のままの『踊る~』」は作れない。
それは紛れもない事実。


でも、続けたい。

ならば、…
というのが今回の三作目。

出演:<敬称略>
   織田裕二 深津絵里 柳葉敏郎 ユースケ・サンタマリア スリー・アミーゴス
   (北村総一郎・小野武彦・斉藤暁) 小栗旬 内田有紀 伊藤淳史 小泉孝太郎
   甲本雅裕 小木茂光 佐戸井けん太 小林すすむ 遠山俊也 寺島進 高杉亘
   松重豊 川野直輝 東根作寿英 滝藤賢一… 
   そして、小泉今日子。

湾岸署新庁舎への「お引っ越し」まで3日。(またしても…)
係長に昇進し、「引っ越し本部長」に選ばれた青島君。引っ越し準備に庶務からの依頼の雑務やら、事件やらで何かと忙しい。署の中も何かとバタバタ騒がしい。
そんな中、新庁舎に保管していた拳銃3丁が、何者かに盗まれる。
最初は「紛失扱い」として、お引っ越し後に公表としていたスリー・アミーゴス。
…ところが、何故か「ネットの住人」によってあっという間にこの事件は広まり、その日のうちにマスメディアに公表されることとなる。
引っ越し中の湾岸署はこの騒ぎに大わらわとなる。
そしてその日の深夜、「第一の殺人事件」が発生。
凶器に使用されたのは、盗まれたうちの一丁・新任「和久甥っ子」のものだった。
湾岸署新庁舎に捜査本部が設置され、本庁・各所轄が喧々囂々の言い争いをする中、
調整役・管理補佐官である鳥飼の対応で何とか方針がまとまり、ようやく捜査が動き出すが…

    

もう青島君も若くありません。
中間管理職です。
いつまでも好き勝手できません。
上から責められ下は言うこと聞かない、そしてあっちこっち判子押さなきゃならないし、署の皆を健康診断受けさせなきゃならないし、そして自分の健康も気になるし…な年齢。

室井さんにしたって、偉くなったら益々理想からは遠のいて身動き取れないし。「現場第一」なんて言っても、結局第一線には出れない。

そんな立場になりました。

で、そんな彼らと湾岸署の今、てぇのが、今回の内容。

「昔に戻ってやり直す」んじゃなくて、「今のまんまで頑張るか」という描き方については、

「ああ、やっぱり『踊る~』の世界なんだな」という気がしました。


しかし…

ちょっと盛り込み過ぎだったんじゃねぇか、と。

全体的にせわしない感じ。
そして、掘り下げが足りない。

更に言えば、「虚構なんだけど、モットモらしい、『踊る~』特有のいー加減さ」っていう『味』が…
上手く出ていない。


今までだとね、会議室や捜査本部のご都合主義的なところも、
「ああ、どこの世界でもあるよね」だったんですが…

なんか、シリアスな「矢部謙三」みたいになっちゃってる。


湾岸署の面々の、「普段てきとーな分、いざとなったら頑張る」てぇトコについても、
「いや、いくらなんでもそれはないぞ」と。


また、折角出した「鳥飼」や「和久甥っ子」にしても、もうちょっと使い方や描き方があったんじゃないか、と。


正直、全体的に消化不良の感じ。


で、肝心なトコは「キョンキョン」に救われてるし。
…つうか、あれ以上のキャラは出てこないんでしょうが…
それは分かるんだけど、ねぇ。
ちょっと助けられ過ぎ。


で、そういう部分全部ひっくるめると、

「今回のは、『新・踊る~』シリーズのスタート編なのかな」

という捉え方になっちゃう。

頼りないけどガッツのある和久甥っ子が成長していく姿であったり、一見柔らかそうで実は歪な正義感の持ち主である鳥飼の心理であったりが、次の作品でどこまで描かれるか…

まあ、そういう見方ですよね。


たぶん、好きな人ほど不満は残る気がしますが…

まあ、それでも観ないと先がないかも知れません。


いや、厳しいな、しかし。