かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 渡辺松男の一首鑑賞 2の101

2018年09月08日 | 短歌一首鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放


101 見つめているかぎり薬罐の湯は沸かず登校拒否児羽(は)たたきはじむ

          (レポート)
 哲学的な歌だ。じっとみて待っているとなかなか事は成就しないが、手放すと成就するというような意味の上の句なのか。あるいはその登校拒否はじりじりともう待てなくなってしまって、バタバタと動き始めたのだろうか。「羽たたきはじむ」が私には分りづらかった。(真帆)


          (当日意見)
★理屈で考えたらつまらないので、上句はそのままと思いますが。教訓的な意味合いはないと思い
 ます。(鹿取)
★そばで見ている 限りは沸かない。その後は気分的には一字空きかなと。「かぎり」の使い方が
 巧いなあと。(A・K)
★学校へ行け、行けと言っている間は行こうとしなかったけど、ほおっておいたら、なんだか自分 
 で学校へ行きそうな気配だよ、ってこれも理屈か。まあ、そんな状況を歌っているのかなあ。(鹿取)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿