かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 馬場あき子の外国詠82(スペイン)

2018年09月15日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠9(2008年6月実施)
   【西班牙 2 西班牙の青】『青い夜のことば』(1999年刊)P52~
    参加者:N・I、M・S、崎尾廣子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:藤本満須子    司会とまとめ:鹿取 未放

  ※この項、『戦国乱世から太平の世へ』(シリーズ日本近世史①藤井譲治)・『ザビエルとヤジ 
   ロウの旅』(大住広人)・講談社『日本全史』等を参照した。


82 静かの海のさびしさありてマドリッドのまつさをな虚にもろ手を伸ばす

     (まとめ)
 「静かの海」は、月にあるへこんで見える部分の名称ととっておく。「まつさをな」とあるからこの場面は昼であるが月は見えているのだろう。虚空のことを81番(ジパングの国より来たる感情の溺れさうなる西班牙の空)では「空」と表記し、82番のこの歌では「虚」と表記している。「静かの海」を抱えた月を浮かべる虚に向かって「もろ手を伸ばす」ときの思いとはどういうものであろうか。「空」ではなく「虚」であるところに特別な思い入れがあるのだろう。そう考えると単純に旅の途次にあるさびしさのみをいっているのではないだろう。西洋思想に呑み込まれてしまいそうな湿潤な東洋思想のことを思っているのだろうか。それともそれらを飛び越えた生や命ということに思いを馳せているのであろうか。(鹿取)




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