かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

渡辺松男の一首鑑賞 302

2016年04月23日 | 短歌一首鑑賞

 渡辺松男研究37(16年4月)
    【垂直の金】『寒気氾濫』(1997年)125頁
     参加者:石井彩子、泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆
     司会と記録:鹿取 未放

302 顎下腺胡桃のごとく腫れたるをおみなの医師の手に晒すなり

    (レポート)
(解釈)顎下腺が炎症をおこし、痛みと腫れを引き起こしている。その治療に作者は来ているのだが、担当医が若い女医さんだという。胡桃のように固くなって腫脹している顎の下を、触診されている。(治療方法には投薬のほか、唾液腺のマッサージもあるという)
(鑑賞)「手に晒す」にユーモアがある。また、「晒す」に作者の恥ずかしそうな様子や、うれしそうな気分がある。(真帆)


     (当日発言)
★若いというのはどこから出てきたのですか?(鈴木)
★松男さんのこの当時の歌は新仮名遣いなので「おみな」って表記されていますけど、古語では「をみな」という表記で
「若い女性」って意味です。今スマホの辞書引いていますが「学研全訳古語辞典」には「若く美しい女性」って出ていま
 す。あっ、並んでただの「女」も出てきますが、万葉集の例では「若く美しい女性」って意味で使われてますね。
     (鹿取)
★喉の辺りというのは男にとって敏感なところなんですよ。のど仏が男の象徴であるように。だから恥ずかしいですよ。
     (鈴木)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿